25話 ライアーのトラウマ
今回からは装備を整える為のお話に入ります!
※一部暴力的な表現や微エロな表現があります。
苦手な方は回想を飛ばして後書きをご覧下さい。
俺の怪我もすっかり治り、現在は大陸の西にある城塞都市ワルゴに向かう途中である。
理由はミツルの一言だった…。
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「貴方達、装備はどうするの?流石に目的にしては装備が貧弱じゃないかしら?」
確かに、俺の装備は壊れてしまい、ライアーのも使えはするが壊れてしまっている…。
「確かにな…買えるか?」
「貴方達の目的に合わせるならかなり上等な物を使わないとね…。そうだ!ワルゴに行ってみたらどう?知り合いに超一流の鍛治師がいるのよ!紹介状も書いてあげるわ」
どうせ時間なら沢山あるのだ…1ヶ月程でも寄り道で済ませられる程の時間があるのだ…。
「ありがたい!じゃあ行こう!今すぐ行こう!」
「どうしたんだ?小吉?そんなソワソワして…」
「これが分からないのか!?ライアー!専用装備だぞ!せ・ん・よ・う!これぞ男のロマン!!」
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という訳で一行はワルゴに行く事になった…。
荷馬車等は無く、馬のかわりの様な生き物、クルーという某最後の物語の黄色い鳥みたいな動物を使って移動している。
本当は馬もあったのだが小吉が一目惚れしてしまったのだ…。
別に大荷物とかは無いので足だけあればいいかという事で3匹購入したのだ。
1匹が俺と頭の上にマニ、俺の前にイナリを乗せて走り、1匹がライアーとトトーナを乗せ、1匹が食料等を運んでいる。
鞍には左右に荷物が入れれる鞄があり、これだけでかなり荷物運びが楽になる。
「よし!そろそろ一旦休憩にしよう!」
3匹のクルーが疲れて来てるのが伝わって来たので休む事にした。
…
……
………
「ふぅ…結構走ったな…」
商業都市コルスタンから約5時間は走っている…、丁度昼時なので食事も兼ねて休む事にした。
「なぁ、小吉?」
「何だ?ライアー?」
俺は昼飯のパンに肉を挟んだホットドックに近い食べ物を食べながら答える。
「クルーも魔物なんだよな?小吉のスキルで契約しないのか?」
「!?…それは盲点だった!」
今まで、マニとかの実力が高すぎた為に他の魔物は必要無かったのですっかり存在自体を忘れていた…。
俺は草を食べていた3匹のクルーを呼ぶ…。
ザッザッザッ!
ビシッ!っと音が出そうなくらいの整列を見せてくれた。
「よし!じゃあいくぞ!………!!」
「……どうだ?」
「普通に出来た…、まぁ当たり前か…。契約したからには名前が必要だな!」
するとクルー達から要望が聞こえて来た…。
(私達には既に名前があります!)
「お?最初からあったのか?何て言うんだ?」
(イチです!)
(ニーです!)
(サンです!)
(ちなみに私達は三つ子です!)
ん?それおかしくね?
「ねぇ?ご主人様…あれって多分…」
「言うなイナリ…俺も同じ事を考えてると思う…。なぁお前達…」
(((はい!何でしょうか?)))
「それ名前じゃないと思うが……」
(((がーん!?…そうだったんですか…)))
見事なシンクロで落ち込んでくれるクルー達…。
それにしても酷い名前だな…、ん?違和感がない分まだマシなのか?
「ご主人様…ちょっと不憫ですよ…名前を付けてあげましょうよ!」
「そうだよ!お姉ちゃんの言う通りだよ!僕達で名前を付けてあげようよ!」
「小吉…私からも頼む…何か憐れだ…」
3匹のクルーもキラキラした目でこちらを見つめてくる…。
ちょっと待て…何か俺がそのままの名前でいこうとしてるみたいじゃないか!?
「わかってる!わかってる!ちゃんと付けるから安心しろ!」
…
……
………
「早速発表したいと思いまーす!」
クエッ!クエッ!クエッ!
マニとクルー達の鳴き声が響く…。
(ピーナッツチョコが食べたいなぁ…)
「私の独断と偏見で決めた結果、イチちゃんはナノ!ニー君はピコ!サンちゃんはマイでーす!」
(………なんじゃそりゃ!?聞いてないぞ!?)
何故か予定と大分違う名前になっていた…。
しかし、まともそうな名前に涙を流して喜ぶ3匹……、ここにそれも一緒と言える鬼はいないだろう…。
(おい!マニ!いいのか?小吉が呆れた顔で見てるぞ!)
(大丈夫です!この子達をみれば何も言えません!)
(後でお仕置きな……)
((ひっ!?))
何故かライアーもとばっちりを受けてしまった…。
「お前ら泣き過ぎだろ…どうしたんだ?」
(小吉さん!まともな名前をありがとうございます!)
((ございます!))
(この恩を忘れずにずっと小吉さんに仕えますのでよろしくお願いします!)
((します!))
何故かは知らないが余程気に入ってしまったらしい。
「ま…まぁ、無理せずに頑張ってくれよな…。さ、さて!出発するぞ!」
とりあえず無理矢理にでも流れを変えようと思い先を急がせた…。
…
……
………
出発してからしばらく経った…。
途中からトトーナが暇と言って、自分で空を飛び出し、ナノ&ピコ&マイが負けじと全力疾走していた。
だが、本気を出せば音速は出せそうなトトーナに追いつける筈もなく、距離が開くどころか手加減されて遊ばれている。
けれどもそのお陰で時速40キロは出ているだろう…。
「ご主人様?ちょっといいですか?」
「何だマニ?」
「ご主人様のスキルのフルパワーギアって自分の契約している魔物が対象なんですよね?」
「そうだぞ………!?そうか!その手があったか!ありがとう、マニ!」
すっかり忘れてたいたスキルその2を全員ににかける。
すると…
(!?、力が漲ってきました!!!)
(今なら飛べる気がするぜ!!)
(ひゃっはーー!!風になるぅ!!)
「ぬわぁー!!?」
「きゃあ!?」
「わぁー!?」
「ーーー!?」
いきなり加速がついてイメージ的には時速90キロくらいはありそうな程の異常な速さで爆走しだした!
クルーという魔物は本能的に魔力を使って風を上手く退けるので風は少ししかこないが、恐ろしいスピードで景色が変わっていくのでやばい絶叫マシーンが地面ギリギリを走っている感じがする。
「な、何!?やだ!恐い!助けてー!」
寝ていた所をいきなり起こされてから異常な速さで過ぎていく地面を見て、イナリがパニックを起こしてしまった!
「い、イナリ!?暴れるな!おい!ナノ!止まれ!!」
(は、はい!すみません!!)
慌ててナノ達を停止させた…そしたらトトーナが何事かと戻ってきた。
「ご主人様ー!?恐かったぁー…グスッ…」
「ほらほらもう大丈夫だ、イナリ。大丈夫だ、落ち着け」
とりあえずイナリを抱っこして撫でて落ち着かせる…。
………本当にお父さんの感じがしてきた…。
「驚いたな…まさかあんなに速くなるとは…」
ライアーがマイに乗ってこっちにきた。
「大丈夫だったか?ライアー?」
「勿論大丈夫だ…、そっちこそ大丈夫か?」
「こっちはイナリがパニックを起こして泣いたくらいだな…」
ライアーがイナリを若干羨ましそうな目で見ていた。
とりあえず今はスルーしておこう…。
「さて…お前達?晩御飯になりたいのか?」
(((めめめ滅相もございません!!!)))
「…ご主人様…、もう大丈夫です…、それに勝手にパニックになったのは僕のせいですからナノ達は悪くないです…」
我が娘ながら何という自己犠牲の精神!?
父は感動したぞ!
「…今回はイナリに免じて許してやろう!次からはなるべく合わせてくれよ」
(((はい!ご寛大な処置、ありがとうございます!!)))
ビシッ!っと敬礼してくるナノ達…。
本当に鳥か?こいつら?
…
……
………
その日は結局イナリの要望により最速で走らせた…。
イナリは最初こそ顔が引き攣っていたのだが段々と慣れてきて、最後にはハイテンションになっていた…。
当初の予定とは大分違っていて、森の中の街道の開けた場所で野宿する事になってしまった。
「寝たな…」
マニとイナリはそれぞれが元の形態に戻って、三姉妹が仲良く寄り添ってナノ達と寝ている。
「もし誰かが見てたら、マニ達が私達の最高戦力だとは思わないだろうな…」
ライアーは俺に寄り添って膝を抱えて座っている。
……うん、それは俺も思ってた。
「可愛い寝顔だな…、こんな森の中じゃなきゃな…」
「そうだな…何が出てくるか分かったもんじゃないからな」
本来、野宿するのに森の中は非常に避けられている。
その理由は、魔物や野盗の接近に気がつきにくいからだ…。
だが、それはあくまでも一般人の意見だ…、ここに居るのはどれもこれもが戦術的な強さを持った猛者なのだ…。
もっとも、誰もそうは思わない見た目をしているだけなのだが…。
「そういえば、暗い所だが大丈夫なのか?」
現在ある明かりは目の前の火だけなのだ…。
「確かに1人なら恐いと思う…だけど今は小吉が居てくれるから大丈夫だ。それに完全に暗い所が駄目なだけなんだ…」
「そうか…何でまた暗闇がトラウマになったんだ?嫌なら話さないでもいいぞ」
「いや、大丈夫だ…それにそのことで今朝迷惑を掛けたからな…」
ライアーの話しはこうだった…
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ライアーの故郷の村での事だ…
「セリナ!野盗だ!奴ら、うちの戦力が居ない時を狙って攻めてきた!」
あちこちで悲鳴が上がる中、ライアーの母セリナはライアーを床下の水瓶の中に隠した…。
「いい?…ライアー?何があっても開けちゃ駄目よ?必ず父さん達が助けに来てくれるから…大人しくしていてね?愛してるわ」
最後に母は頭を撫でると蓋をしめた…。
水瓶の中は冷たく静かだったが、外の音ははっきりと聞こえていた…。
外からは命乞いをする声や悲鳴、断末魔…さらには喘ぎ声等も聞こえてきた…。
その中には母セリナの声も含まれていたらしい…。
しばらくすると野盗の声と家の中の足音だけになったのだとか…。
「なぁ?討伐隊の方は上手くいったのか?」
「あぁ…上手くいったらしいぞ。谷間に誘い込んで上から岩でぷちゅっ!ってな!」
「はははは!!あいつらには何度も煮え湯を飲まされたからな…いいざまだ!!」
ライアーはその時、小さな頭で確信した…父親たちも別の場所で殺されたのだと…。
とうとう悲しみと恐怖を堪え切れなくなって声が出てしまう…。
「ん?何か聞こえないか?」
「そうだな…この辺か?」
「おっ!?この床開くぞ!」
ガタッ!っと上の蓋が開く音がした…。
生きていく為の手本となる人物も家族も居ない今、もう死んでもいいかな…、と考えてしまったライアー…。
「おい!外が騒がしいぞ」
「ほっとけほっとけ、どうせ女の取り合いだ。それよりもこれ見ろよ…壺の中から女の子の声がするぜぇ…」
「マジか!?…お前、幼女甚振るのが好きだろ?ちゃんと俺にも回せよ?」
「分かってるって!…では、ご開帳〜」
水瓶の蓋が開き下卑た笑顔の男と目が合う…。
「これはまた可愛い女の子でちゅーー」
いきなり男の動きが止まった…。
「てめぇ!?殺りやがったーーな!?」
ドサッ!
上の男が退かされて今度は幼いクリーム色の髪をした優しそうな女性と目が合う…。
ライアーは直感的に大丈夫だと感じてそのまま気を失った…。
「カグヤさん!こっちに女の子がいました!無事です!」
その人物…ミツルに無事救助されて現在のテイマーズギルドに世話になったのだ…。
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話を聞き終わって、腸が煮え繰り返りそうな気分になった…。
「そんな事もあって暗闇になるとフラッシュバックするんだ…。寝てる途中で明かりを消してもあの悪夢を偶に観るんだ…」
「済まなかったな…嫌な事思い出させて…」
俺は安心させる様にライアーを抱き寄せる…。
「ありがとう…小吉。別に問題は無いさ…、いずれ話そうと思っていたのだからな。それと、同じ時に保護された女の子も居たのだが旅に出ている…」
「そうなのか。この旅で会えるといいな!」
「そうだな!久しぶりに会いたいな!」
「どんな人物なんだ?」
「それはだなぁ!明るくて可愛くて元気でーー、ちょっと待った…何か聞こえないか?」
「どうした?何も聞こえないぞ?」
「…………あっちだ!助けを求めてる!」
そう言って指を指したのは今日進んで来た道だ…。
「…………た…け……れ!」
今度は少しだけ聞こえた!
「行くぞ!」
「あぁ!」
俺達は魔術で周りを明るくして駆け出した!
回想のあらすじ!
野盗やぁー!逃げろー!
↓
ライアー!壺に隠れてて!
↓
外から色々聞こえる…。
↓
野盗が覗いてきたー!?
↓
ミツルが助けてくれた!!
※誤字、脱字の改善
(2014/8/28)




