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『プチ』モンスターテイマー  作者: BIG PURIN
第1章 初異世界は恐ろしい?
14/95

14話 大迷宮?-4

遅くなってしまって申し訳ない…。


今日出来たらもう1話上げたいなと思うのでよろしくお願いします。


……


………


「わははは!これは愉快だ!」


タイチョウは作った料理を食べながら豪快に笑い飛ばした。


「よく顔が怖いとは言われるが、「食べられる」なんて言われるとは!わははは!」


「タイチョウさん…本当にすみません…」


「私も助けて貰ったのにも関わらず、魔物という視点で見ていたようだ…本当に済まない…」


マニとライアーが謝る。


「いやいや、本当に大丈夫だ!それに、私達の種族は人を襲う事を良しとしない。それと私の名前はハンニバルだ。以後お見知りおきを…」


そう言って胡座のままお辞儀をするハンニバル。

こちらも礼儀を欠かない様に全員が自己紹介をした。



……


………


「ほぅ…つまり、チームに盗賊が居て裏切られたが為に落ちて来たと…。そして帰れないと…」


俺達は現在置かれている事情を説明した。

マニとイナリは他のゴブリンに混ざって話しながら食事を楽しんでいる。

ライアーはゴブリンの中でも知識が豊富な者達と会話している。


「そうなんです…。ハンニバルさん達は何故こんな大迷宮に?」


「一年程前に私達の同族で、鉱石採掘が得意な種族が居てだな、そいつらが最初にここを堀当てたのは良かったのだが、中の魔物が異常なまでに強くてな…、だから武闘派の我々の種族に白羽の矢が刺さったのだ…。しかし、どうやらそれは奴らの策略だったようで、入って数日たった頃に坑道を破壊する事により私達を閉じ込めたのだ!」


ダンッ!と強く床を殴りつけるハンニバル。

その衝撃で床がひび割れた…。


「恐らく人を襲う事に反対していた我らの種族が邪魔だったのだろう…。だが幸いな事にここには半数以上の同胞がいた…。残りの半数も馬鹿じゃない…、きっと上手く逃げてくれたと思う…。」


「そうだったんですね…」


一年もこんな場所に閉じ込められていてはそりゃあんだけ強くなるわ…。


「あれ?でもそれだけ強かったら迷宮の主を倒せるのでは?」


「確かに私達は1度、精鋭を連れて攻略に向かった…、だがある階層を境に急激に魔物の強さが増したのだ。私でも全員を守りながら撤退するのが精一杯だった…。だが、その時よりも私は強くなった!だから1ヶ月後、また再挑戦をする事が決まった………、小吉殿、どうか貴殿達の力も貸しては貰えないだろうか?」


確かに今の俺達の戦力ではハンニバルが厳しかった相手と互角以上に渡り合うのは無理だろう…。なら手を合わせて協力した方が遥かに生存率が上がるだろう…。


「分かりました。協力しましょう。…ただ、ひと月の間にハンニバルさん達に近づく事が出来るかどうか…」


何せ、一年間ここで戦い続けた猛者達だ…。

むしろ足を引っ張らないか心配になる…。


「大丈夫だ。強さは一定以上を超えると途端に上がり辛くなる。しかもその上限は個々に異なる。今現在、限界を迎えつつある者も多いのだ…。どうすればそれ以上になる事が出来るのかは分からない。かつての英雄達には、今の私でも足元に及ばない猛者も沢山いる…、だから心配する必要は無い」


「……分かりました。ではよろしくお願いします!ハンニバルさん!」


「私の事はハンニバルでいいし、敬語も無しだ!我々は同盟を組んだのと同じで対等な存在なのだからな!そのかわりに私も小吉と呼ぶがな!わははは!」


そうして俺とハンニバルは固く握手を交わした…。



……


………


今俺達とハンニバル達は「拠点」に向かっている。

あの部屋に居たのはどうやら部下の育成の為だったらしい。

道中、ハンニバルと精鋭のゴブリンとで、出てくる魔物を瞬殺して行った…。


「着いたぞ、ここが我らの拠点だ」


迷宮の崩れた部分から外に出てしばらく歩いた場所にある細い通路の先には綺麗に壁を削られた空間があり、その中では20匹程のゴブリン達が作業をしていた。


「わぁ!見てください!ご主人様!野菜の栽培もしてますよ!」


「こりゃ凄いな…まさかこんな空間があるなんて…」


「私も休まる場所が出来て嬉しいよ」


「色々とありますね…、ハンニバルさん!見てきてもいいですか?」


「あぁ、好きに見てくれイナリ殿」


「ありがとうございます!行こ!マニお姉ちゃん!僕、あれが気になる!」


そう言ってイナリはマニを抱えて走り出した。


「はしゃぐのはいいけど転ぶなよ!」


「本当に小吉はお父さんみたいだな」


クスっと笑うライアー…。

そこに爆弾を投下するハンニバル…。


「ところで、小吉とライアー殿には子供はいないのか?」


「は?」


「へ?」


「ん?夫婦じゃないのか?いい雰囲気だったからてっきりそうだとばかり思っていたぞ」


カァーっと顔が真っ赤になるライアー…。

一方俺は、


「いやいや、そんな馬鹿な!第一、俺はライアーに一昨日突き飛ばされたのが初めてだったんだぞ!で、昨日知り合ったんだ!そんな短時間で好きにはならねぇよ!なるやつが居たら見てみたいわ!」


わははは!と笑い飛ばす俺…。


「ん?」


なんか殺気を感じる…。

殺気の元を辿ると、ライアーが違う意味で顔を真っ赤にしてこっちを見ていた……。


「な…何でしょうか?ライアーさん?…え?どこから持ってきたの!?その丸太!?ちょっ!?やめて!死ぬって!ギャーー!!!」


ゴツンッ!!


ピクピク痙攣しながら地面に突っ伏している小吉を見て「私のせいか…」と、青い顔で傍観するハンニバルであった…。





……


………




何故か記憶が一部抜けているが俺は元気です。




現在俺は、ハンニバルのテントにて、情報の交換やステータスの確認をしていた。

大体をまとめると、ゴブリンの平均的な生存魔力は40000くらい、精鋭になると60000くらい、そしてハンニバルのステータスを確認した俺は唖然とした…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:ハンニバル・オートネル

種族:ゴブリン・オートネル

クラス:ゴブリン・コマンド


生存魔力:121697

自由魔力:45177

筋力:451

体力:349

素早さ:277

知性:143

抵抗:214


~スキル~

・指令

指令を飛ばした時、意図や精密な所までをイメージによって伝える事が出来る。

・策陣・壁

味方と見なした者の防御が上がる。

他の策陣との併用不可

・策陣・撃

味方と見なした者の攻撃が上がる。

他の策陣との併用不可


~ユニークスキル~

・鬼神の盟友

筋力が大きく増える

・小鬼の魂

素早さは下がるが、体力と筋力が大きく増える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クレイトンよりも化け物じみている…。


「俺の知り合いのクレイトンっておっちゃんよりも化け物じみているな…」


「!?、クレイトンを知っているのか!?彼は私の命の恩人なんだ!それに、私のユニークスキルは彼と共闘した時発現した物だ…」


えっ!?クレイトン何してんの!?少し前まで、世界を旅していたって聞いたけどその時かな?


「私が彼とあったのはもう10年も昔だ…。にしてはおかしいな?彼のステータスは今の私以上だったはず…、それに彼の真髄はその身体強化にある。恐らく私では負けるだろう…」


やばい、どっちが化け物か分からなくなってきた…。

両方味方で本当に良かったと思う…。


「大丈夫だ。小吉達ならここまでの素質は必ずある筈だ。何故か分からないが断言出来るものがある…」


「そう言ってくれるとこっちも自信が持てるよ!ありがとう!」


そう言っていると、外から声が掛かった。


「すみません、ハンニバル殿に用があって来ました」


どうやらライアーのようだ…


「入ってもいいぞライアー殿」


「失礼します。…あ!?居ないと思ったらこんな所に居たのか…、探したんだぞ小吉…。あの…さっきはいきなり殴って済まなかった…反省してます…」


ライアーはここに来てからはずっと耳と尻尾は隠さないでいた。

その耳と尻尾はしゅんっとなっており、本当に反省してるのが分かる。


「ん?殴られたのか?よく分からないが別に怒ってなんかいないぞ」


「本当か?許してくれるのか?」


「別に怒ってないから許すも何もないんだがな。なんか知らんが反省してるっぽいしいいだろう」


なんとなく頭を撫でてみた…


「あ!ありがとう!小吉!嫌われたらどうしようかと思ったぞ!」


若干涙目で耳はシャキーン!と立ち、尻尾は凄い勢いでブンブン振られている。


なんか守ってあげたい的な母性本能が疼く…。

俺男だけどな…。


「んん!こほん!」


ハンニバルがそこら辺にしとけ、と言わんばかりに咳払いをする。


「あっ……、お、お見苦しいところをお見せしてすみません!」


正気に戻り、顔を真っ赤にしたライアーがハンニバルに向き直る。


「で、用があるそうだが、何だったんだ?」


「私の精霊の事なんですが、謎の病気に罹っておりまして、その事をゴブリンの中の医師に相談したところ、この拠点の宝物庫に薬があると言われたのですが、宝物庫はハンニバルさんの許可無しに開けてはならないそうで、その許可を貰いに参りました!」


「薬か…、そういえば最近迷宮内の宝箱に入ってたのを回収したのだったな…。よし、いいだろう。どうせ我々には必要の無い物だからな。この鍵を持って行くといい。」


ハンニバルはライアーに大きな鍵を渡した。


「ありがとうございます!この恩は必ずお返しします!」


そう告げると走ってテントから出ていった。


「それにしても宝物庫か…。大迷宮で回収した物か?」


「あぁ、そうだ。この迷宮はある程度進むと何故か形が変わるのだ…。他の迷宮はこのような事は無いのだがな…、だがお陰で宝箱が増え、戦力が増強できる」


「なるほどな。それは他のゴブリン種族の誤算だったな」


「全くだ、わははは!」


俺も釣られて笑う。


「さて、話は変わるのだが…」


空気が変わり俺も真剣な表情に戻る。


「小吉の連れている2人の魔物だが、私に預けてはもらえないだろうか?」


「どういう事だ?」


「あの2人は私の部下に比べて非常に素質がいい。勿論小吉やライアー殿も素質はあるが、あの2人は特にずば抜けて高いのだ。彼女達ならば私を超えるのは容易いと見た。だから彼女達を連れ、迷宮に篭り修行をする。すまないが、4人見るのはひと月じゃ無理だ。小吉達は初めは私の部下の精鋭に連れてってもらい、ある程度まで成長したら2人でまわるのが効率がいいだろう。武術等は私も稽古をつけてやれるが、達人の域に達している者もいる。その者達に稽古をつけてもらうのがいいだろう。」


「なるほど……、具体的に、マニとイナリには何を教えるんだ?」


「……マニ殿には近接戦闘や、変身の応用や魔法を。イナリ殿には剣術を。それと、残念な事にイナリ殿は幻覚以外の魔法の素質が無い…、それは頭に入れておいてほしい」


「分かった…。では頼む…。」


俺だってしばらく離れるのは寂しいし、彼女達だってそれは同じだろう…。

だがそんな事を言っていて、いざ主と戦う時に「はい、敗けました」では済まないのだ…。


「じゃあ、俺はこの事を2人に伝えてくるよ…」


「あぁ、分かった…。すまないな、仲間なのに離れさせてしまって…」


「いや、状況が状況だから仕方ないさ…、それに2人も分かってくれるさ…」


そう言ってテントを出た。



……


………


俺は自分達に割り当てられたテントの中で4人に今後の予定を話した。


「……という訳だ」


「確かにハンニバル殿に追いつく為には効率重視がいいが…」


「そ、そんなぁ…私は嫌ですよ…ご主人様と離れるなんて…」


「僕もマニお姉ちゃんと同じです…」


「そりゃあ、俺だって離れたくないのは一緒だ…」


「ならーー」


「だけど、敗ける事は絶対に許されないんだ!それは分かるだろ?」


「う…うん」


なんかマニとイナリの目がうるうるしてる…

やめてくれよ…そんな目で見るのは…


「マニもイナリも、今日は好きなだけ甘えてもいいから…」


「「ほんと!?」」


うわぁー…すげー息ピッタリ…流石姉妹。


「それに、会おうと思えばいつでも会えるさ!…多分」


ハンニバルがどれだけやるか分からないし、いつまでとも具体的に明言していなかったので一週間くらい会えないのは覚悟している…。


「「わーい!」」


マニとイナリが笑顔で飛び込んで来た。

今はこの時間を楽しむ事にしよう。



……


………


今日半日だけだが沢山マニとイナリと遊んでやった。

子供の好奇心と遊びに使う体力は恐ろしい物でもうヘロヘロである。

当の本人達はまんじゅうと子狐に戻り眠っている。


「お疲れ様。疲れた体にはこれがいいらしいぞ」


そう言ってライアーは自分のポケットから飴玉のような食べ物を小吉に渡した。


「ありがとう、ライアー。」


早速食べてみると、甘さとレモンのような酸味が広がり、力が漲ってくる感じがした。


「なかなかに美味いな。どうしたんだ?これ?」


「仲良くなったゴブリンの奥さん達が、元気と若さの秘訣って言ってくれたんだ」


「いつの間に…、まぁ仲良くなるのはいい事だがな」


「それにしてもやはり小吉はお父さんみたいだな。マニちゃんもイナリちゃんも凄く懐いてるようだし…。それと、気になっていたのだが、小吉は魔物使いの割には魔物に対して厳しくないのだな…」


「その事か…、確かに当初イメージしていたのとは違うが、もともと住んでいた場所のせいか縛るのは好きじゃないんだよな」


「確かに小吉には似合わないな」


クスっと笑うライアー…。

俺は「何笑ってんだよ」と半笑いでライアーの耳を弄った。


「ひゃ!?い、いきなり何をする!?」


「そこに犬耳があるからだ!」


「理由になってないぞ!」


等と言い合っていると…

「くーん…」…モゾモゾ

イナリが寝返りをうった…。


「起こすのは可哀想だから静かにするか…」


「そうだな…。だが、私の耳をいきなり触るのも悪いと思うぞ…」


むすーっとした顔になったライアー…。

思わずほっぺをつつきたくなる。


「はいはい、悪かったって」


「今度触る時は事前に言ってから触る事!それ以外で触ったら2度と触らせないからな!」(小声)


「なんだ?事前に言えばいつでも触ってもいいのか?」


「////!?なっ!違う!これは、その、言葉のあやというやつだ!決して偶には触って欲しいとか思ってる訳ではないぞ!」(小声)


「へぇ。思ってるんだ」(笑)


「なっ!?何を言う!そんな事はないぞ!断じてないぞ!」(小声)


どんどん墓穴を掘っていくライアー。

墓穴掘るために重機でも使ってるのか?と思うくらい綺麗に深みにはまっていく…。


と…、俺の脳がこれ以上は危険だと疼いている…!?

なんだろう?前にもこんな感じの事して痛い思いをした気がする!?


「ま、まぁ冗談はさておいて、寝るか…」


「冗談等ではない!」


「電気消すぞぉ」


「ちょ!?ちょっと待ってくれ!まだ消さないでーーー」


フゥ……


「いや…本気でやめて…お願いだから…」


なんか本気でやばそうなので電気を付けてあげた。


「ほら、さっさと寝る準備………、あぁ、その、なんだぁ、スマンかった…」


「…ヒック!…エグッ!」


まさか真っ暗になるだけで泣かれるとは思わずどうしようか困ってしまった…。


「はいはい…怖かったね…寝るまで見ててあげるからお寝んねしようね?」


戸惑いのあまりに子供をあやす感じになってしまった…。

流石にライアーもブチ切れるのではーー


コクコク!


泣きながらも頷くライアー……。

あれぇ!?まさか恐怖のあまりに幼児退行したのか!?


とりあえず布団変わりの動物の皮に寝かせ、毛布を掛けてあげる…。


「…………。」


「ん?どうした?」


「ひざまくらして…」


………………。

とりあえず言われた通りにしておこう…。


なんとも言えない罪悪感が沸き上がり、しっかり寝付いた後もしばらくそのまま足が痺れるまで座っていた…。





…………………………。

あれ!?なんか助かった!


そして、もう2度と真っ暗闇の中にライアーを放置するのはやめると心に誓った。


人のトラウマをつつくのはやめましょう。


作者も、偶に昔やった恥ずかしい事とか思い出して嫌な思いをします。(笑)


次回はパワーアップ回です!お楽しみに!

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