表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂喰い覚醒で最強へ成り上がるFランク少女、意識を奪う闇と共に歩む  作者: beck2026


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/93

第48話:死刑宣告、あるいは王の即位

高橋が地に伏し、ガランとヴォルグが沈黙する第十一層の境界。

張り詰めていた霧が、三月の吐息ひとつで凍りつくように凪いだ。

彼女の脳内には、高橋から奪い取った膨大なデータが渦巻いている。

協会が迷宮の深層部で密かに行っていた実験、魔石を独占するために隠蔽された無数の「探索者の失踪事故」、そして――三月の家族が住まう拠点の座標すらも、彼らは既に特定していた。

(……もし私がここで手を緩めていたら、次の瞬間には家族が消されていたのね)

三月の紫色の瞳が、冷徹な殺意で濁る。

高橋たちの「救済」という名の処刑は、ただの始まりに過ぎなかった。彼らは生かしておけば、それだけで彼女の聖域を脅かす毒となる。

「ねえ、高橋さん」

三月は、意識が混濁したままの高橋の髪を掴み、強制的に顔を上げさせた。

「あんたたちは私を『資産』と言った。ならば、その資産が主を喰らう時、どうなるか……教えてあげましょうか」

三月は指先から、高橋の神経系に直接流し込むような形で、極めて濃密な「毒の魔力」を注入した。

それは殺すためではない。彼がこれまで行ってきた数々の悪行、殺した者たちの恐怖、そして今、自分が三月に対して抱いている絶望を、高橋自身の神経系に永続的に「増幅」して体験させる拷問回路だ。

「ぎ、ああぁぁぁぁっ……!」

高橋が喉をかきむしり、悶絶する。

三月はそれを冷ややかに見下ろしながら、ヴォルグが落とした端末を拾い上げた。

画面には、本部のシステムが三月の手によって「書き換え」られた警告が表示されている。

『管理者権限の移譲完了。これより探索者協会は、如月三月の管理下に置く』

本部へ繋がる回線を開く。

通信先は、高橋の側近である事務局長だ。

三月は声を加工し、高橋と同じ――いや、彼以上に冷酷で威圧的な響きを乗せて命じた。

「これより協会本部は、迷宮深層の安全確保を優先し、全ての外部通信を遮断する。また、私の家族に監視をつけていた『イージスの盾』以外の全班を即刻解散させ、その記録を抹消しろ。さもなくば、この本部の心臓部を、私が直接焼き切る」

通信の向こう側で、事務局長が凍りつく気配が伝わる。

反論の余地などない。高橋本人のバイオメトリクス認証も、既に三月の掌の中にあるのだから。

「……了解した。ただちに、実行する」

通信が切れる。

三月は端末を閉じ、剣を収めた。

足元の調査員たちは、もはやただの肉の塊だ。彼らに用はない。

彼女は、崖の上から見下ろす迷宮の闇に、静かに背を向けた。

協会はまだ、彼女が何者なのかを知らない。

だが、明日には世界が知ることになるだろう。

迷宮を支配する「女王」が、人類の組織すらもその足元に跪かせたという事実を。

彼女の足取りは、かつてないほど軽やかだった。

自分の中に住まう「怪物」が、ようやく満たされたように満足げな溜息をつく。

(……お父さん、お母さん、拓也。もう大丈夫よ。あんたたちを脅かす檻は、私が食い尽くしてやったわ)

三月は、迷宮の深い闇の中へと消えていく。

協会という名の巨大な怪物を喰らい、その力で王座へと手をかけるために。

第48話をお読みいただき、ありがとうございます!

ついに協会を完全に掌握し、家族を脅かす存在を無力化した三月。

彼女が手に入れたのは「自由」だけではなく、組織そのものを支配する「王座」でした。

弱々しい新人探索者という皮を完全に脱ぎ捨て、迷宮の捕食者としての本性をあらわにした三月の行く末を、これからも見守ってください。

物語はここからさらに加速します!続きが気になる!という方は、ぜひブックマークや評価での応援をお願いいたします!励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ