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魂喰い覚醒で最強へ成り上がるFランク少女、意識を奪う闇と共に歩む  作者: beck2026


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第49話:綻びる仮面

協会本部を掌握し、高橋たちを支配下に置いた三月。

だが、事態はこれで終わりではなかった。高橋が強行した「手術」の異常な手際と、迷宮内で彼らが密かに収集していた「不自然なデータ」の数々。それらは高橋個人というより、彼が独断で行っていた――あるいは、組織の一部を私物化して隠蔽していた「不正の証拠」だった。

三月が本部システムをハッキングし、奥深くの隔離ディレクトリを開いたとき、そこに記録されていたのは、本来協会が管理すべき魔石の横流しや、探索者を実験体として使い捨てていた高橋一派の「背信の記録」だった。

(……高橋。あんた、組織を食い物にして、自分の地位と利益だけを守っていたのね)

三月は、高橋から捕食した記憶と、システムに残された記録を照らし合わせる。

高橋たちは、協会という看板を使いながら、裏では迷宮のルールを無視した「私的な魔力搾取」を行っていたのだ。

その時、本部との通信回線に、高橋たちとは異なる「公的な」チャンネルから入電があった。

それは、協会の上層部である『監察局』からの緊急通信だった。

「――如月三月、応答せよ。こちら監察局のセバスチャンだ。本部で発生したシステム障害と、高橋支部長との連絡途絶について調査を開始する。現状の座標を送信せよ」

高橋たちが隠蔽していた不正。その尻尾を掴むために、監察局が動き出したのだ。

(……これは、チャンスね)

三月は冷徹に状況を判断する。

ここでセバスチャンたちを敵に回す必要はない。むしろ、高橋の不正を彼らに突きつけ、協会という組織から彼ら一派を「排除」させれば、彼女の目的は果たせる。

三月は、手元に残した高橋の端末に、決定的な「不正の証拠ファイル」を添付する。

それとともに、自身の心臓に埋め込まれていた「処刑プログラム」のログも添えた。

「セバスチャン局長。私は第十二層にいるわ。高橋たちの『不正』の全記録を今、送信したわ。……後は、あんたたちの正義で見極めなさい」

送信ボタンを押すと同時に、三月は本部との回線を完全に切断した。

迷宮の霧の中、高橋はすでに廃人同然の状態で力尽きている。

あとは、やってくる監察局がこの「高橋という腐った毒」を組織から切り離すのを待つだけだ。

(これで終わりよ。あんたたち一派の野望も、私の家族を脅かす理屈も、全てこの記録とともに消え失せる)

三月は、第十二層の闇を見上げた。

彼女の戦いは、正義のための復讐ではない。ただ、家族が平穏に暮らせる「当たり前の明日」を守るための、一歩だった。

彼女は剣を鞘に収める。

もはや、協会という怪物を喰らう必要はない。組織が自ら病巣を切り離すなら、それでいい。

静寂が戻った迷宮で、三月はただ、家族の待つ場所へ帰るための道を歩み始めた。

第49話をお読みいただきありがとうございます。

高橋たちの不正という「毒」が協会から排除されることで、三月の復讐劇は一つの大きな区切りを迎えました。無駄に敵を増やさず、目的を果たす三月の冷静さが光る回となりました。

「三月の知略が冴えてる!」と思っていただけたら、ぜひブックマークや評価での応援をお願いいたします!励みになります!

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