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魂喰い覚醒で最強へ成り上がるFランク少女、意識を奪う闇と共に歩む  作者: beck2026
第五章:深淵の門(アビスゲート)。見えざる少年指揮官と、最強の主人公の蹂躙劇

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第329話:第二十六階層『運命の遊技場』。確定ガチャ(物理)と、運命の支配者(後編)

「ゲーム終わったから、もう叩いてもいいんだよね? 拓也も、ガチャで外れたらよくスマホに怒ってるもんね!」

第二十六階層『運命の遊技場』。

三月が力ずくで(数十トンのルーレット盤を摩擦で強制停止させて)大当たりのSSRマスをもぎ取ったことにより、カジノを支配していた『暴力禁止の絶対ルール』のバリアは完全に消滅した。

元の屈強なSランク銀狼の姿に戻ったザイオンと、無骨な大剣『魔鉄の塊剣』を構えてニコニコと笑う最強の姉。

二つの理不尽な暴力の化身を前に、第二十六階層の主『アビス・ディーラー(Sランク)』は、顔面を蒼白にして後ずさった。

「ま、待てっ! お客様! 勝負はそちらの勝ちだ! ルール通り、上の階層への扉は開ける! だから暴力は――」

「黙れ、悪徳ディーラー」

ザイオンが、地を這うような低い声で唸り、一瞬でディーラーの背後へと回り込んだ。

「よくも俺を、あのような屈辱的な愛玩動物(仔犬)の姿に変えてくれたな。……ルルに可愛いと言ってもらえたのは少し嬉しかったが、戦士としての尊厳はズタボロだッ!」

ザパァァァァァァァァッ!!!!

ザイオンの振るった神速の真空刃が、ディーラーの着ていた燕尾服と、彼が隠し持っていたイカサマ用のトランプやダイスを、文字通り「塵芥」のように細切れに切り裂いた。

「ヒィィィッ!?」

「仕上げは頼む、三月殿! こいつに、物理の恐ろしさを骨の髄まで刻み込んでやってくれ!」

「任せて! ガチャの機械は、叩けば当たりが出るって、昔お父さんが言ってた!」

(※注:如月家の父のパチンコに対する間違った教育です)

三月は、神域へと覚醒した【怪力(極)】を両腕に込め、大剣を野球のバットのように構えた。

「そーれっ! 確定演出、ドカーンッ!!!!」

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!

三月の放った超音速のフルスイングが、ディーラーの胴体にクリーンヒット。

Sランク魔獣の強固な防壁も、カジノのシステムも、一切関係ない。純粋な『暴力』という名の確定演出が、ディーラーの体をくの字にへし折った。

「ガ、ッベェェェェェェッ……!?」

アビス・ディーラーは、カジノの天井を突き破るほどの勢いでカッ飛び、そのまま彼方の壁に激突して、光の粒子となって爆散した。

完全なオーバーキル。圧倒的な物理の暴力による、理不尽な精算であった。

後に残されたのは、Sランクの魔核と、まばゆい虹色の光を放つ『SSR確定プレミアム・ガチャチケット(ドロップアイテム)』だけであった。

「ふふっ! SSRのチケット出たー! これで拓也も喜ぶね!」

三月が、ドロップアイテムを拾い上げて満面の笑みを浮かべる。

「……俺は、もう二度と、この少女と『運』を絡めたゲームはしないと誓おう。……盤面ごと力で止められるのでは、勝負にすらならん」

ザイオンは、物理でイカサマを粉砕するという斜め上すぎる決着を前に、完全に戦士としての(そしてギャンブラーとしての)悟りを開いていた。

しかし、その時。

「……むにゃ。……よし……欲しかったSSR、引けた……」

インカムの向こうから。

自室のベッドで爆睡している少年指揮官・如月拓也の、ひどく満足げな寝言が聞こえてきた。

『ハッ! 拓也様!』

クロエ・アーヴィングが、聖書(メモ帳)を抱きしめて息を呑む。

「……最高レア……ゲット……。これで……安心して……ぐっすり寝れる……むにゃ……スゥ……」

拓也は、夢の中のスマホゲームで無事に推しのSSRキャラクターを引き当て、ホクホク顔でスマホを枕元に置き、深い深い安眠の世界へと旅立っていったのだ。

『…………おおおおおおおおッ!!!』

インカムの向こうで、クロエが感涙に咽び泣きながら絶叫した。

『承知いたしました、拓也様ッ!! 小賢しい確率の茶番を物理でスキップし、見事に最高レア(SSR)をもぎ取った我々の戦果を讃え! これにて、この階層の攻略を【完全なる大勝利(コンプリート)】として承認し、安らかなる眠りにつかれるのですね!!』

クロエの狂信フィルターは、拓也の「ガチャで当たりを引いて満足して寝た」という事実を、『物理で運命をねじ伏せた部下たちへの、最大級の賛辞と休息の宣言』として完璧に変換した。

『お姉様! 拓也様より、お褒めの言葉が下りました! 運命をねじ伏せて手に入れたそのSSRこそが、我々の勝利の証です!!』

「えへへー! 拓也に褒められちゃった! 頑張ってルーレット止めてよかったー!」

三月が、ガチャチケットを握りしめて嬉しそうに跳ねる。

一方その頃。

アビスゲートの外、東京・新宿の上空で防衛戦を死守していたSランク探索者たちの間では。

これまでの常識を覆す、究極の『ギャンブル的奇跡(バフ)』が降り注いでいた。

「クソッ! チョコマカと逃げ回りやがって……! 攻撃が全然当たらねえぞ!」

レオン・カーターが、空中で雷撃を乱れ撃ちながら悪態をついた。

彼らを襲っていたのは、「アビス・トリックスター」と呼ばれる、驚異的な回避率(99パーセント)を誇る厄介な変異種の群れであった。

どれだけ広範囲の魔法を放とうと、神速の剣撃を見舞おうと、敵はまるでサイコロの目を操るように、紙一重ですべての攻撃を回避していく。

物理的なステータスが高くとも、「攻撃が当たらない」という確率の壁を前に、探索者たちは完全に翻弄されていた。

しかし、その時。

迷宮内で、三月が『ルーレット盤を物理で止めてSSRを強制的に確定させた』際に生じた、莫大な【確率の強制収束と、運命の絶対勝利】のエネルギーが逆流してきたのだ。

それが、戦場全体に広域の【命中率100%・全弾クリティカル確定・ドロップ率最大化】という、ゲームバランスを崩壊させる『確定SSRバフ』となって降り注いだのである。

カァァァァァァァァァッ……!!!!

新宿の夜空を、虹色の『確定演出の光』が包み込んだ。

「……な、なんだ!? 体が……勝手に動く……!?」

レオンが目を見開く。

彼が適当に、まったく狙いも定めずに放った一発の雷撃が。

ありえない軌道で空中で直角に曲がり、回避行動を取っていたトリックスターの眉間(弱点)に、ミリ単位の狂いもなく『クリティカルヒット(大急所)』したのだ。

ドガァァァァァァァァンッ!!!!

「ハッハァァァァッ!! 冗談だろオイ!? 俺が目を瞑って撃っても、全部が【確定クリティカル】の急所命中になっちまうってのか!?」

しかも、それだけではない。

倒されたトリックスターの死骸からは、本来であれば数万分の一の確率でしか落ちないはずの『特級レアアイテム(黄金の魔核や希少素材)』が、まるでスロットのジャックポットのように、ジャラジャラジャラッ! と大量に降り注いできたのだ。

「なんという……なんという恐るべき運命操作だ……!」

神宮寺(じんぐうじ)は、自身が適当に振るった刀の剣圧が、敵の群れの急所を次々と『勝手に』斬り裂いていく様を見て、空のゲートに向かって深い畏敬の念を込めて叫んだ。

「彼は、我々が『確率(回避)』という壁に阻まれていることを見抜き、この戦場のすべての運命を『我々の絶対勝利(SSR確定)』へと書き換えてみせたのだ! 敵の回避率など無意味! 振るう刃のすべてが致命傷となる、まさに奇跡の賽の目……! 如月拓也……! 君はもはや、戦術の神を超えた【運命と確率の支配者】だ!!」

「ハッハァ! 運命の女神も、俺たちの指揮官にはデレデレってことだな! 最高のドロップ率だぜ、コンダクター!!」

Sランクの猛者たちが、絶対命中のクリティカルバフと超絶ドロップの嵐に狂喜乱舞し、空のゲートに向かって熱狂的な信仰を叫びながら、回避不能の蹂躙を再開する。

もちろん、彼らは知らない。

この究極の運命操作バフが、「ガチャの確定演出が長いからスキップボタンで飛ばしたという寝言を受けた三月が、数十トンのルーレット盤を摩擦で止めて強引に当たりを出した」という、理不尽極まりない『お姉ちゃんの物理的イカサマ』の余波に過ぎないという事実を。

そして、彼らが運命の支配者と崇め奉る指揮官が、現在自室のベッドで。

「……むにゃ……。明日は……ログインボーナス……忘れずに……受け取らなきゃ……スゥ……」

と、ゲームのデイリーミッションのことだけを気にしながら、ヨダレを垂らして幸せそうに爆睡しているだけだという事実も。

かくして。

深淵迷宮の第二十六階層は、覚醒した最強スキルの物理攻撃ではなく、『確定演出の物理的スキップ』という前代未聞のパワープレイによって、完全に踏破された。

「ザイオンお兄ちゃん、お待たせ! ボスさんも倒したし、次の階に行こう!」

「……あぁ。俺の背中ならば、ルーレットの盤面よりも安定してあなたたちを運べることだけは、保証しよう……」

物理の力で確率(システム)すらも捻じ曲げる姉の底知れぬ恐ろしさを、再び魂に刻み込まれたモフモフの従者を連れて。

三月とルルは、SSR確定のガチャチケットを手に、次なる第二十七階層へと笑顔で進んでいくのであった。

残るアビスゲートは、あと4階層。

最強の姉と、最強のお荷物(指揮官)の理不尽な蹂躙劇は、迷宮のルールすらも物理で破壊しながら、いよいよ深淵の最奥へと突き進んでいく。

【あとがき】

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

第26階層『運命の遊技場』の完結編(第329話)でした!

数十トンのルーレット盤を摩擦で止めるという、イカサマを超えた『物理のスキップ』でSSRをもぎ取った三月お姉ちゃん。

ルールバリアが解けた後は、仔犬にされた恨みを持つザイオンお兄ちゃんと共に、容赦なくディーラーを物理(フルスイング)で粉砕しました。

外のSランクたちは、その余波である「命中率100%・確定クリティカル・ドロップ率MAX」という壊れバフの恩恵を受け、爆睡中の拓也をいよいよ『運命と確率の支配者』と崇め奉っています。当の拓也は、ガチャでSSRを引いて大満足で寝ているだけなのですが!(笑)

次回(第330話)からは、いよいよ終盤戦、第27階層へと突入していきます!

よろしければ、ページ下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、今後の執筆の大きな励みになります!

次回(第330話)もどうぞよろしくお願いいたします!

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