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魂喰い覚醒で最強へ成り上がるFランク少女、意識を奪う闇と共に歩む  作者: beck2026
第三章:世界崩壊と魂の誓い

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第195話:水圧の解放、極星たちが穿つ深淵と勝利の凱歌

「『絶理・断線』ッ!!」

水深三千メートルの超高水圧を無視し、死角から潜り込んだ如月拓也の刃が、玉座の背後に鎮座する巨大な『黒い水の結晶核』を深々と捉えた。

ジュゥゥゥゥゥッ!!

魔力を帯びた銀の熱刃が、結晶核を満たしていた複雑な魔力回路の『継ぎ目』を正確に焼き切る。

直後、甲高い破砕音と共に、第四魔卿フォルネウスの絶対領域を支えていた巨大なシステムが粉々に砕け散った。

『なっ……!? 我が玉座の心臓部を、一撃で!?』

フォルネウスが驚愕に目を見開く。

結晶核が破壊された瞬間、玉座の間に充満していた『絶対圧力アブソリュート・プレス』の重圧が嘘のように消え去った。

「……ハァッ! やっと息がしやすくなったぜ。最高の仕事だ、指揮官殿!」

風間蓮が獰猛な笑みを浮かべて立ち上がり、『海神のエーギル・ダイバー』の推進ジェットを猛烈な勢いで吹かす。

「ご苦労だった、拓也くん。……さあ、ここからは大人たちの反撃ターンだ」

神宮寺蒼太も大盾を構え直し、闘志のオーラを立ち昇らせる。

「『白銀の浄化陣・極光冷却オーロラ・フリーズ』、全開!!」

瀬戸玲奈の白銀の魔力が前衛の二人を包み込み、彼らの体力と魔力を一気に限界突破の領域へと引き上げた。

『……おのれ、虫ケラどもが!! 水圧が消えた程度で、この水魔卿フォルネウスに勝てると思うな!』

フォルネウスが激高し、数十本もの巨大な『水竜巻』を拓也たちへ放つ。

だが、重圧から解放された日米最高峰の探索者たちを止めることはもはや不可能だった。

「デカい図体で水遊びか? 俺が全部カチコチに凍らせてやるよッ!」

風間が『絶氷・乱れからくり・氷牙連弾』で水竜巻を次々と氷の彫刻に変え、神宮寺が『絶氷・剛大盾シールド・スマッシュ』でフォルネウスの退路を完全に塞ぐ。

「……終わりです。風間さん、神宮寺さん! 渦の中心核へ向けて、最大の魔力を!」

拓也の鋭い号令が水中に響く。

「「オラァァァァァァッ!!」」

『絶氷・穿牙せんが限界突破オーバードライブ』と『絶氷大城壁・破砕衝グランド・インパクト』。

日本が誇る最強の槍と盾による同時攻撃が、フォルネウスの魔力核を完全に粉砕し、渦巻いていた黒い海水を巨大な氷塊へと変貌させた。

『ギ、ギャアァァァァァァァァァッ……!?』

氷塊の奥底からフォルネウスの断末魔が響き渡り、深海を縛り付けていた絶対的な『理』が崩壊を始めた。

――同時刻。ヴェネツィアを包み込んでいた巨大な「水のドーム」の外縁部。

「オラァァァッ!! 押し返せ! 拓也たちが中枢をブチ抜くまで、一匹たりとも中に通すんじゃねえぞ!!」

アメリカ最強のSランク探索者、レオン・カーターの怒号が戦場に響き渡っていた。

彼の周囲には、ドームを守るように無数に湧き出したサメや巨大ダコなどの海棲魔獣の死骸が山のように積み上がっている。

「言われるまでもねえ! アメ公は自分の背中だけ心配してな! 『極大殲滅魔法オーバー・フレア』ッ!!」

日本のトップ魔術師・九条炎樹が、豪快に笑いながら巨大な炎の壁を作り出し、津波のように押し寄せる魔獣の群れを一瞬で蒸発させる。

「九条さん、右翼が手薄です。……『八咫烏』、援護を」

不知火凛が率いる暗殺部隊が、影から次々と魔獣の急所を的確に切り裂いていく。

カイロの砂漠での総力戦以降、レオンや九条たち日米の同盟軍は、特異点の攻略において拓也たち「特務遊撃パーティ」がボスの元へ一直線に向かえるよう、外縁部の防衛と陽動を完全に引き受けていたのだ。

彼らが何万という魔獣のヘイトを外で稼いでいたからこそ、拓也たちは水深三千メートルの最深部での死闘にのみ集中することができたのである。

「チィッ……いくら倒してもキリがねえ! さすがは悪魔の軍勢ってところだが……」

レオンが大剣を振るいながら汗を拭った、その時だった。

パァァァァァンッ……!!

ヴェネツィアの街を覆っていた巨大なドーム状の黒い海が、まるでシャボン玉が割れるように弾け飛んだのだ。

それと同時に、彼らと戦っていた数万の海棲魔獣たちが、悲鳴を上げながらドス黒い霧となって一斉に消滅していく。

「……おい、見ろよ。街の空が……」

九条が、炎を収めて空を見上げる。

ドス黒い海が引き、ヴェネツィアの街に、本来の美しい青空と太陽の光が降り注ぎ始めていた。

「ハッハッハッハ!! やりやがった! あの若大将たち、またしても深海の親玉の首を獲りやがったぜ!!」

レオンが血まみれの大剣を天に掲げて歓喜の咆哮を上げると、周囲の探索者たちから地響きのような勝鬨が沸き起こった。

――サン・マルコ広場。

空間の位相が元に戻り、確かな地面の感触と共に、拓也たち四人は広場の中心に立っていた。

美しいレンガ造りの建物や運河が、太陽の光を受けてキラキラと輝いている。

「ハァッ……ハァッ……。終わったな」

神宮寺がバイザーを外し、大きく新鮮な空気を吸い込む。

「おうよ! 溺れ死ぬかと思ったが、最高の水浴びだったぜ!」

風間も『海神の衣』を解除し、濡れた髪をかき上げた。

「拓也くん、右眼は大丈夫ですか?」

瀬戸が駆け寄り、心配そうに覗き込むが、拓也は柔らかく微笑んで首を振った。

「平気です。姉さんの魂が守ってくれているから……全然、痛くありません」

その時、広場の入り口の方から、ドタドタというけたたましい足音が響いてきた。

「おーーーい! 拓也ァ!!」

満面の笑みで大きく手を振りながら駆け寄ってくるのは、レオン・カーターだ。

その後ろからは、九条炎樹や不知火凛たち同盟軍の面々も、疲労の色を見せながらも安堵の笑みを浮かべて歩いてくる。

「レオンさん! 九条さん、不知火さんも!」

拓也が顔を輝かせる。

「ハッ! ドームの中でどんな地獄を見てきたのかは知らねえが、今回も俺たち同盟軍の『外での働き』が最高のサポートになっただろ?」

レオンが豪快に笑い、拓也の頭をガシガシと撫で回す。

「ふん。外の魔獣の処理は俺たちの火力がなきゃ一日で全滅してたぜ。……まあ、親玉をきっちり仕留めたお前たちの腕は認めてやるよ」

九条が腕を組みながら、素直じゃない態度で称賛を送る。

「皆様、ご無事で何よりです。これで四つ目ですね」

不知火が深く一礼し、瀬戸と労いの言葉を交わす。

「ええ。皆さんが外で数万の魔獣を引きつけてくれたからこそ、俺たちは深海の最深部まで余力を残して辿り着けました。……本当に、ありがとうございます」

拓也は、集まった日米の頼もしい仲間たちへ向けて、深く、深く頭を下げた。

水魔卿フォルネウスを討ち果たし、水の都ヴェネツィアを次元の底から引き上げた日米同盟軍。

地球を縛る七つの楔のうち、過半数を超える四つを破壊した。残る特異点はあと三つ。

最強の大人たちと、彼らを導く少年指揮官。

世界を崩壊から救い、最愛の家族を取り戻すための彼らの過酷な旅路は、強固な絆という絶対の武器を手に、さらにその先へと続いていくのだった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

水没都市ヴェネツィア編、これにて完全決着です! 外で防衛戦を繰り広げていたレオンたち同盟軍との連携による、見事な勝利となりました!

もし「面白かった!」「同盟軍のサポートが熱い!」と思っていただけましたら、

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