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仕事一筋の伯爵様は、愛について研究する  作者: シャルru


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24/26

24.目覚め

「ロゼッタ、ようこそ。ここが私の部屋だよ」 

 彼の私室は、シックな落ち着きある

 大人の空間だった。

 

 一歩はいると、ふわりと大人の香りがした。


 この部屋で過ごしているんだなあ……。

 今、彼の個人的な部分に触れているのだと

 思うと、特別な気持になれた。


「ロゼッタ、こちらへ」

 奥にあるゆったりとしたソファーを勧められて、

 そっと腰を降ろすと、隣にハラルト特務が

 腰かけた。


 ち、近い!

 けど、ハラルト特務から隣を選んでくれて

 ほんわかした気持が溢れる。

 でもでも、先に所長からの伝言を伝えなきゃ。


「ハラルト特務、実は所長に頼まれまして…」

その一言で、彼の笑顔が曇る。 

「た…頼まれたからここへ来たのか?」

 チラリとロゼッタを確認している。

「もちろん、ハラルト特務が心配で来ました」

 その一言でまた笑顔に戻った。

 

「そうか…それで所長は何と?」

 急ににお仕事モードになる。

「はい…。ハラルト特務が体調を壊されたのは、

 仕事が原因かと気にされておりまして、

 何か希望があれは遠慮なく言ってほしいと…」

 

 ふむ。と少し考えていたハラルトは

 ロゼッタの方に体ごと向き直った。

 

「所長には私から希望を伝える事にするよ

 それで…ロゼッタに大切な話がある。

 私は君のことが好きだ。」


 あ…3日に一度の告白…?


 それからまだなにか

 言いたそうに一度、視線を反らしだけれど、

 なにか意思を持った瞳でロゼッタを見つめ直した。


「それで…考えたのだが…君が嫌でなければ…

 ずっと一緒に……いてほしい…。」


 

「だから…私と結婚してほしいっ!」


 …!!!!え?

 

 今、結婚って?

 でもでも、いつも 

 仕事に集中したいと言っていた彼が?

 

「あの…ハラルト特務……?お仕事が何よりも

 大切だったのでは?」


きっと今の彼は、病み上がりで正しい判断が

できないのかもしれない。

うっかり喜んで、また傷つくのも辛い。


目を細めて微笑んだかと思うと、すっと立ち上がり

棚から10冊ほどありそうなノートを持ってきた。


「コレを…」

何が書かれたものなのかもわからず、とりあえず

一番上にある1冊をパラパラとめくる。

細かい文字でびっしりと書かれた論文のような

もの…。


ふと、中の文字が目につく

『……のようでロゼッタが少しでも近くにいると

 安らぐ。集中力の違いは以下の通り…』


 え?これは……。


 次のページも読み進める。

 

『ロゼッタから香る花の香はラベンダーその癒し

 効果が異なる点は………』

『私に向けられた笑顔の回数について……』

『ごっこについて種類と気持の変化……』


「私は今までずっと、君に関する気持ちを自分で分析し

 てきた。文献とも照らし合わせ、異なった部分は

 事実に基づいて理論を考え直し……。しかし。

 そうではないと気がついた。」

 

 彼は今、上級研究員として導き出した

 結果を告げようとしていた。


「どの理論も最後には君の為に……君が好きだから

 という答えが導き出される……

 このノートの全てがそうだ。

 私にとって、ロゼッタ以上に大切なものは

 無いという事だ。だから私はロゼッタを…」

 

 そこまで言って、急になにか閃いたかのように

 話した。 


「……私の妻になって欲しいという事だ……」


 再びのロポーズに、今度はロゼッタの

 心がこの上なくときめいた。


 ここ数日、ハラルトの心変わりを気に病んで

 いた。

 けれど、それはただの行き違いだった。

 

「はい。ハラルト特務!」

 涙で滲んでよく見えない。

 嬉しくて今すぐ彼に飛び付きたい!

  

 ロゼッタはハラルトの首にぶら下がる様に

 抱きついた。

 

「ロゼッタ!それは嬉し涙で合っているか?」

「もちろんです!」

私に触れた時の彼の顔を、今度こそ見ておかなきゃ。

 

一度顔を離して、顔をよく見てみると。

 ぱっと明るい、子供の様な笑顔だった。

 

「私も、あなたを朝も昼も夜も、ずっと

 そばで見つめていたいです!」


そして彼は私の頬にキスをして、

 その後ゆっくりと唇を重ねた。

 

 

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