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仕事一筋の伯爵様は、愛について研究する  作者: シャルru


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19/26

19.変化

その後数日は、なんとかいつも通りに仕事を

 こなしていたけれど、みんな興味津々なようで

 ハラルト特務の研究室から出てくる度に、皆から

 痛いほどの視線を浴びた。


 ちよっと……やりづらいかも。

  

「あの…ハラルト様。

 先日仮眠室に運んで頂いた件がいろいろと

 噂になっているようでして……」


 基本的に視線を浴びるのは、ロゼッタだけれども。

 

 でも、ハラルト特務は皆に知られてしまうことを

 どう考えているのかも知りたかったし、話題の的に

 なる事もそらしたかった。


「そ、それで、しばらく他の研究室の補助に入ろうかと

 思っているのですが…」


 今、モクモクと仕事をしている人にこんな話を

 聞いていいのか分からなかった。けれど、

 同じ職場なのだから、大切なことだとも思う。

 

 ひと通り話終えたらもう部屋を出ようと思って

 いたのに、ピタリとハラルトのペンを持つ手が

 止まった。

 

「なぜ?皆に知られたら、今まで通りではダメなん

 だ?」

 ハラルト様は、また新たな恋愛の理論にぶつかったよ

 うだ。


「私が君を好きで、君が私を好きだということは、

 別に誰の迷惑にもならないはずだが?違うのか?」


 1+1=2で、1+2=3である。と同じ理論。

 

 流れとはいえ、自分の事を好きだと言ってくれた

 ことと、仕事でも強く必要とされたと感じて

 幸せから腰が腑抜けのようになって、

「はぁ〜〜〜。」

 その場に、ぼうっとへたり込んだ。

 

「この理論に、問題があるようなら考え直そう

 それまで、君は今まで通り私の補助のみするように」

 な、なんだろう……。

 

 このぐっ!とくる感じ。


 これは独占欲!


 そういえば、恋人ごっこのつもりで聞いていたけれ

 ど、このごろは資料を届ければ手を取り

 「ありがとう、ロゼッタ」と囁かれ…。

 ハーブティーを入れたら、「君とたべようと準備して

 いた」と、老舗の菓子が出てくる。 


 研究室から出てくる時は、ロゼッタに笑顔を

 向ける…。


 それがなんだか、とても自然なのだ。


 今はまさに、

 憧れの日常。そのものだった。


 しかし、彼の愛情がこれほど染み

 出してくると、いろいろと問題も出てくる

 のだった。


 

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