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仕事一筋の伯爵様は、愛について研究する  作者: シャルru


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17/26

17.突然の答え

白っぽい天井で、ここが自分の部屋ではない事に

 気がついた。

 

 「…ロゼッタ?」

 声の主を何となく頭で探りながら、

 目を覚ましたのはあの仮眠室だった。

 

「あ…ハラルト特務がここまで?」

 どれくらい時間が過ぎたのか、この部屋では

 わからなかった。

 先ほどの言葉が夢なのか、現実なのかも

 自分自身では確認しようもなかった。

 

「ああ…少し騒ぎになってしまったが…問題ない」

 彼ははいつものように淡々と報告する。


 体を起こして少し落ち着けることにした。

 

 ふんわりとした時がすぎる。

 

 そして、ハラルト様がふいに口を開いた。

「君は…肝心な理論の説明を忘れていたようだな」


 その言葉で、やっぱり夢ではなかったのだと

 わかる。


「……どういう事でしょうか?」

 ロゼッタは恋心を研究の様に難しく考えた事など

 ないため、思い当たることがなかった。


「それは…想いを口にするという事だ」

 ハラルトは、まるで難しい公式を見つけたように

 しゃべり始めた。


「君が、私に何の感情も出さなかった時は、

 何も起こらなかった。それは…私が君に何も言わなかっ

 た時と同様だ。」


 ハラルトは、真剣である。

 

「しかし…君が私の頬にキスをした時と、私が君に感情をつげた時、状況に変化が起きた……それはどちらも、

 想いを行動か言葉にした時。だ」


 なんだか難解な公式を披露されたけれども。


「そ、それを告白といいます。」

 ロゼッタは公式の答えをスパっと述べる。


「……告白?これが…人に恋をした者が取る行動…か」


 恋、そして告白。それはハラルト特務の口から出

 てくることのはかった言葉。


 それを気づかせたのが自分だと思うだけで、

 この上なく幸せな気持ちになった。

 ハラルト特務は、ベッドサイドのイスに腰掛けたま

 ま、何気なくこちらを見ているけれど、それすら意識

 してしまう。


 一呼吸置いて、それは突然だった。

  

「……そして、理論によると、その相手にそっと口づけを

 したくなるという事だ」

 

 と言うと、

 ハラルト特務の上体がふと持ち上がり、ロゼッタに

 近づいた。

 

 それは一瞬だったのかもしれないけれど。


 いつもより澄んで輝いて見えたブルーの瞳が

 すぐ目の前まで近づいた事に気がつくと、

 ……そっと唇が重なっていた。


「ロゼッタ。私は君のことが好きだと理解した」 

「私の恋人になってほしい」




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