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仕事一筋の伯爵様は、愛について研究する  作者: シャルru


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12/26

12.見合いの真相

「で?図星でしょ?」

 セシルは鋭い。ごまかす余地もなかったロゼッタ。

「お願い!誰にも言わないで!」


 ※※


「ハラルト様、突然押しかけて申し訳ありません」

「いや、別に構わない」

 ハラルトはロゼッタが退出した後、エミリーを気にす

 ることなくすぐに仕事を始めた。


 しばらく沈黙が流れた。

  

「……あの…理由を聞かせて貰えませんか?」

にこやかな笑顔を向ける。

 

「理由?」

「ええ…婚約を断った理由です」

 エミリーは堂々としていた。


 ハラルトは資料から目を離さない。


「私達、叔父の紹介もあって良い縁だと思ったんです

 これまで何度かお会い出来なかったけれど、ようやく

 お会い出来て、やっと。と思っておりましたのに…」


「——。私は仕事にしか興味が無い。それは

 あなた方女性が望むものとは違うのでは?」

 

「始めは皆、お互いを知りませんわ。でも知っていく

 うちに、幸せになれると思っています」

 ニコリと微笑んだエミリー。

 しかし、

 エミリーの話はハラルトには理解出来なかった。


「お互いを知らずに結婚して幸せになる確率は?」

「は?」

「私はあなたの名前と、所長の姪という事しか知らな

 い。それで結婚して、お互いを大切に思える確率だ」

「それは…結婚してみたら分かります」

「では、失敗することは?」

「——それも…無くはないけれど…きっと、大丈夫です」

「——破綻している。私には理解出来ない」


 それからハラルトは顔を上げることもなく、

 モクモクと仕事をした。

 

 再び沈黙がながれる。

 

「…お忙しいようなので、また出直してまいります。」

 エミリーは一言声をかけて、そっと部屋を

 出ることにした。


 ※※


 (もう…お話は済んだのね)

 

 ロゼッタは、先ほど呼び止められた話を聞こうと

 ハラルト特務の部屋を尋ねた。


 コンコン。

 

「あの…ハラルト特務、先程のご要件は……」

 研究室では、いつもと同様にハラルトが

 仕事をしていた。


 よかった。ソファでゆったりと二人で

 会話していたのかと思ったわ。


「ロゼッタ。頼みたいことがある」

 ハラルトは書類に目を通している。

 

「はい。ハラルト特務……」


 このあと、ハラルトが発した言葉で、

 ロゼッタの日常はすっかり変わってしまうのだった。


 ハラルト特務は、真剣に見ている資料から目を離し、

 ロゼッタの方を向いた。

 

「私は君から恋を教わりたい」


 ——ええええ——!

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