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転生したら最悪の領主で破滅寸前の領地を押し付けられたので内政チートで立て直します  作者: レモンティー


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第七十五話 ミディアが若き戦術家と組んだら、将軍にも理解できない作戦ができた

アルフォンス城。

軍議室。

エリオとミディアは、大きな地図を広げていた。

地図には、帝国軍の進軍経路と補給路が書き込まれている。

赤い線が帝国軍。

青い線が王国軍。

そして、緑の線が商人の輸送路だった。

「……まず、帝国軍の進軍を止める必要があります」

エリオが言った。

ミディアは頷いた。

「ですが、補給路を攻撃するだけでは止まりません」

「はい」

エリオは地図を指さした。

「ならば、敵が進軍したくなる状況を作ります」

ミディアが顔を上げた。

「……進軍したくなる?」

「はい」

エリオは続けた。

「敵に、勝てると思わせるのです」

ミディアは、帳簿を開いた。

「……なるほど」

「何かありますか?」

「あります」

ミディアは、王国東部の市場価格を示した。

「この地域では、帝国軍の侵攻によって商人が減っています」

「……はい」

「そのため、穀物価格が上がっています」

エリオは頷いた。

「……それが?」

ミディアは静かに笑った。

「王国軍が撤退した地域に、商人が戻ればどうでしょう?」

エリオは少し考えた。

「……帝国軍も、物資を調達できるようになります」

「そうです」

「……つまり、敵に補給しやすい環境を作る?」

「はい」

エリオは驚いた。

「……敵を助けるのですか?」

ミディアは首を振った。

「敵を助けるのではありません」

そして、続けた。

「敵が、そこを重要な補給拠点だと考えるようにするのです」


翌日。

二人は、レアルに作戦を説明した。

「……敵に商売をさせる?」

レアルが尋ねた。

ミディアが頷いた。

「はい」

「……それで、どうする?」

エリオが答えた。

「帝国軍が、灰石平原を安全な補給拠点だと考えるようにします」

レアルは地図を見た。

「……なるほど」

しかし、ヴァルクは眉をひそめた。

「……待て」

「何でしょう?」

「敵に補給を許せば、敵は強くなる」

エリオは頷いた。

「はい」

「それでは、本末転倒ではないか?」

ミディアが答えた。

「だから、補給できる量を計算します」

「……量?」

「はい」

ミディアは帳簿を開いた。

「敵が短期間で消費する量と、現地で調達できる量を比較します」

レアルは頷いた。

「……なるほど」

エリオが続けた。

「敵に、十分な補給があると思わせます」

ヴァルクは腕を組んだ。

「……それで?」

エリオは地図の一点を指さした。

「その後、敵が進軍したところで、こちらが別の場所を確保します」

ヴァルクは黙った。

「……つまり?」

エリオは答えた。

「敵の補給を止めるのではなく、敵の進軍方向を誘導するのです」

レアルは、しばらく地図を見つめていた。

そして、静かに笑った。

「……面白い」

ミディアが尋ねた。

「採用しますか?」

「まだだ」

レアルは首を振った。

「一つ問題がある」

エリオが顔を上げた。

「……何でしょう?」

「ガイゼルが、罠に気づいた場合だ」

エリオは黙った。

レアルは続けた。

「ガイゼルは、罠を見破る」

「……はい」

「そのとき、どうする?」

エリオは、しばらく考えた。

そして、答えた。

「……まだ、分かりません」

レアルは頷いた。

「それでいい」

「……え?」

「分からないなら、考えればいい」

レアルは笑った。

「今度は、ガイゼルが罠に気づいた後の作戦まで作ろう」


その夜。

エリオとミディアは、再び地図を広げていた。

「……ガイゼルが罠に気づいた場合」

エリオが呟いた。

ミディアは帳簿を見つめた。

「……退路を確保するでしょうね」

「はい」

「ならば、退路も計算に入れましょう」

エリオが顔を上げた。

「……退路?」

ミディアは地図を指さした。

「灰石平原から帝国軍が撤退する場合、使える街道は三本あります」

「……はい」

「ですが、大軍が短期間で通れる道は、限られています」

エリオは地図を見つめた。

「……なるほど」

そして、ゆっくりと笑った。

「……敵が罠に気づいても、退路は限られる」

ミディアが頷いた。

「そうです」

エリオは続けた。

「ならば、その退路まで作戦に組み込めば……」

二人は、顔を見合わせた。

そして、同時に笑った。

「……できるかもしれません」


数日後。

レアルは、二人の新しい作戦案を受け取った。

そこには、複雑な輸送計画と兵力配置が書かれていた。

レアルは、しばらく黙っていた。

そして、呟いた。

「……何だ、これは」

ミディアが答えた。

「敵軍の補給と進軍を誘導する作戦です」

エリオが続けた。

「ガイゼルが罠に気づいた場合の退路も、想定しています」

レアルは地図を見つめた。

「……なるほど」

そして、笑った。

「……将軍たちには、理解できないだろうな」

ヴァルクが腕を組んだ。

「……私にも、半分しか分かりません」

レアルは笑った。

「それでいい」

そして、静かに言った。

「まずは、小規模に試してみよう」

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