↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら最悪の領主で破滅寸前の領地を押し付けられたので内政チートで立て直します  作者: レモンティー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
68/101

第六十八話 帝国の名将が二人そろったので、王国の将軍たちが絶望した

帝国軍の進軍が再開された。

ガイゼル率いる第一軍。

バルド率いる重装騎兵軍団。

二人の名将が、同じ戦場に立った。

王国軍の将軍たちは、その報告を聞いて顔を青ざめさせた。

「……ガイゼルだけでも厄介なのに」

「バルドまで来たのか!」

「勝てるわけがない!」

軍議室が騒然となった。

レアルは、黙って地図を見ていた。

「……静かにしてくれ」

その一言で、会議室が静まった。

「敵が強いのは分かった」

レアルは続けた。

「だが、敵が強いからといって、戦わずに国を明け渡すわけにはいかない」

ヴァルクが頷いた。

「その通りです」

レアルは尋ねた。

「バルドの騎兵は、何人だ?」

「重装騎兵約六千。随伴する軽騎兵と歩兵を合わせると、一万五千ほどです」

「……なるほど」

ミディアが帳簿を開いた。

「重装騎兵六千なら、馬の飼料消費量も相当なものです」

レアルが頷く。

「そうだな」

しかしヴァルクは首を振った。

「……補給だけでは止まりません」

「なぜだ?」

「バルドは、短期間で決着をつけることを好みます」

「……つまり?」

「補給が問題になる前に、防衛線を突破してくる」

レアルは考え込んだ。

「……厄介だな」

帝国軍本陣。

ガイゼルとバルドは、王国軍の防衛線を確認していた。

「……ここだ」

ガイゼルが地図を指さした。

「王国軍は、この丘陵地帯に防衛線を築いている」

バルドが笑った。

「ならば、突破すればいい」

「簡単に言うな」

「俺の騎兵なら可能だ」

ガイゼルは少し考えた。

「……正面からは危険だ」

「なぜ?」

「ヴァルクがいる」

バルドは笑った。

「……だからこそ、面白い」

ガイゼルは静かに答えた。

「個人的な因縁で、軍を動かすな」

「分かっている」

しかし、その目には強い闘志が宿っていた。


翌日。

帝国軍は、王国軍の防衛線へ攻撃を開始した。

最初に動いたのは、ガイゼルの歩兵部隊だった。

盾を構えた兵士たちが、ゆっくりと前進する。

王国軍は矢を放った。

しかし、帝国軍は止まらない。

「……敵が近づいてきます!」

伝令が叫んだ。

ヴァルクは冷静に答えた。

「まだだ」

「……将軍?」

「騎兵が来る」

その瞬間、遠くの丘の向こうから、黒い騎兵が現れた。

「……来たぞ!」

バルドの重装騎兵軍団だった。

黒い騎兵が、王国軍の側面へ突撃した。

「……左翼、防御!」

ヴァルクが叫んだ。

しかし帝国軍の突撃は、想像以上に強烈だった。

盾が砕ける。

槍が折れる。

兵士たちが吹き飛ばされる。

「……左翼が突破されます!」

副官が叫んだ。

ヴァルクは剣を抜いた。

「予備隊を投入しろ!」

王国軍は必死に防御した。

しかし、バルドの騎兵は止まらなかった。

アルフォンス城。

レアルのもとに、緊急報告が届いた。

「……東部防衛線が突破されました!」

「損害は?」

「現在確認中です!」

レアルは地図を見つめた。

「……ガイゼルが歩兵で正面を押さえ、バルドが側面を突破したか」

ミディアが頷いた。

「二人の役割が、完全に分かれています」

「そうだな」

レアルは静かに言った。

「……強い」

しかしそのときエリオが口を開いた。

「……レアル様」

「何だ?」

「敵の作戦には、弱点があります」

レアルが顔を上げた。

「……弱点?」

エリオは地図を指さした。

「ガイゼルとバルドは、別々の戦い方をしています」

「……そうだな」

「だから、連携が崩れれば……」

エリオは続けた。

「二人の強さを、同時に発揮できなくなります」

レアルは、しばらく地図を見つめていた。

そして、静かに笑った。

「……面白い」

ミディアが尋ねる。

「……何か思いついたのですか?」

レアルは頷いた。

「いや」

そして、エリオを見た。

「エリオが、思いついたらしい」


その夜。

帝国軍本陣。

ガイゼルは、戦果報告を受けていた。

「……王国軍の防衛線を突破しました」

「そうか」

「バルド将軍の騎兵が、敵左翼を崩壊させました」

ガイゼルは頷いた。

しかし、表情は険しかった。

「……アルフォンスは、まだ動かないのか?」

「はい」

「……そうか」

ガイゼルは地図を見つめた。

「……何を考えている?」


その頃。

アルフォンス城では、エリオが大量の戦闘記録を広げていた。

黒岩谷。

白霧峡谷。

東部防衛線。

そして、前回の帝国侵攻。

すべての戦闘記録を並べていた。

エリオは、静かに呟いた。

「……ガイゼル」

その目には、以前のような焦りはなかった。

「今度は、あなたの考えを読んでみせる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。