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転生したら最悪の領主で破滅寸前の領地を押し付けられたので内政チートで立て直します  作者: レモンティー


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第六十二話 帝国が二十万の軍勢を集めたので、王国の兵士を数えてみた

「……二十万?」

王宮の軍議室に、重苦しい沈黙が落ちた。

帝国軍が国境へ集結している。

その数、推定二十万。

王国側の動員可能兵力は、最大でも八万。

しかも、全軍を一度に集められるわけではなかった。

「……勝てるわけがない」

一人の貴族が呟いた。

「前回は十万だった。それでも危なかったのだぞ!」

「今度は二十万だ!」

会議室が騒然となった。

レアルは黙っていた。

やがて、新国王が口を開いた。

「……アルフォンス卿」

「はい」

「勝算はあるか?」

レアルは少し考えた。

「正面から戦えば、負けます」

貴族たちが顔を上げた。

「……では!」

「ですが、正面から戦う必要はありません」

レアルは地図を広げた。

「まず、敵の二十万が全員同じ場所にいるわけではありません」

レアルは説明した。

「国境の第一軍が六万。第二軍が五万。第三軍が四万。残り五万は後方の予備軍と補給警備です」

エリオが頷いた。

「つまり、実際に最前線で戦う兵力は、もっと少ない」

「そうだ」

ヴァルクが続けた。

「それでも、こちらより多いがな」

「分かっている」

レアルは頷いた。

「だから、敵を分断する」

一人の将軍が尋ねた。

「……どうやって?」

レアルは答えた。

「まだ分かりません」

会議室が静まり返った。

「……は?」

「敵の作戦が分からない以上、こちらも決められません」

レアルは続けた。

「ただし、一つだけ確かなことがあります」

「……何だ?」

「二十万人は、二十万人分の食料を食べます」

アルフォンス城。

軍議を終えたレアルは、ミディアに尋ねた。

「帝国軍二十万の食料消費量は?」

ミディアは帳簿を開いた。

「兵士一人につき、穀物換算で一日約一・二キログラムと仮定すると……」

羽ペンが走る。

「一日二百四十トンです」

エリオが目を見開いた。

「……二百四十トン?」

「はい。三十日で七千二百トン」

ヴァルクが腕を組んだ。

「それに馬の飼料も必要だ」

「はい。輸送中の損耗もあります」

ミディアは続けた。

「実際の補給量は、さらに増えます」

レアルは頷いた。

「……なるほど」

しかしミディアは、次の資料を差し出した。

「ただし、問題があります」

「何だ?」

「帝国は、前回の戦争後に補給制度を全面的に見直しています」

「……そうか」

「国境に大型倉庫を建設し、輸送路を整備しています」

エリオが尋ねた。

「……つまり?」

ミディアは答えた。

「以前のように、補給路を切るだけでは止まりません」

帝国軍本陣。

ガイゼルは、部下たちに命じていた。

「補給路を三本に分散する」

「はい!」

「各軍団には三十日分の備蓄を持たせろ」

「承知しました!」

「橋は必ず予備の渡河手段を用意する」

副官が尋ねた。

「……アルフォンス対策ですか?」

ガイゼルは頷いた。

「前回、私は補給拠点を失って撤退した」

「はい」

「今度は、同じ方法では負けん」

そして、地図を見つめた。

「……来い、アルフォンス」

ガイゼルは静かに笑った。

「お前の得意な戦場は、すでに潰してある」

【統治システム更新】

《帝国軍動員:二十万》

《王国軍動員可能兵力:八万》

《戦力比:約二・五対一》

【警告】

《正面決戦の勝率:低》

レアルは画面を見つめた。

「……勝率が低い、か」

そして、静かに呟いた。

「ならば、勝てる戦場を作るしかないな」

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