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転生したら最悪の領主で破滅寸前の領地を押し付けられたので内政チートで立て直します  作者: レモンティー


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第四十話 貴族の給料を半分にしたら、俺の暗殺計画が百件見つかった

「……暗殺計画が十七件?」

ミディアの声が裏返った。

「そうらしい」

レアルは平然としていた。

「そうらしい、ではありません!」

「落ち着け」

「落ち着けるわけがありません!」

執務室にミディアの声が響いた。

リシアが統治システムの表示を見つめる。

「……この情報は、どこまで正確なのですか?」

「少なくとも、何らかの敵対行動が準備されていることは確かだ」

「実行犯や黒幕は?」

「そこまでは分からん」

レアルは椅子に座り直した。

「だから、調べる」


その日の午後。

地下組織「影を喰らう者」の報告が届いた。

王都の酒場。

貴族の屋敷。

傭兵の宿舎。

商人ギルドの裏口。

あらゆる場所で、レアルの名前が囁かれていた。

『アルフォンス卿の移動経路を調べている者あり』

『毒物の購入を試みた使用人を確認』

『王宮警備兵への買収工作』

『アルフォンス領の家臣に接触を試みた者あり』

レアルは報告書を読み終えた。

「……随分と人気者になったな」

ヴァルクが険しい顔で答えた。

「冗談を言っている場合ではありません」

「分かっている」

「護衛を倍にします」

「必要な場所だけでいい。兵を増やしすぎれば、相手にこちらの動きを教えることになる」

「……承知しました」

エルナが口を開いた。

「レアル様。私が王都の貴族たちの動きを調べます」

「危険だぞ」

「承知しています」

「相手は、お前の顔を知っている可能性がある」

「それでも、私なら接触できます」

レアルは少し考えた。

「……単独行動は認めない」

「ですが」

「情報は金で買え。無理に屋敷へ潜入する必要はない」

エルナは頷いた。

「分かりました」


翌日。

レアルは新たな財政改革案を発表した。

『宮廷貴族への定額手当を、原則として半額に削減する』

ただし、職務に必要な経費は別途支給する。

軍務。

外交。

行政。

実際に仕事をしている者の費用は削らない。

削るのは、肩書だけで支払われている金だった。

王都は大騒ぎになった。

「……半額だと!」

「我々の生活を何だと思っている!」

「貴族への侮辱だ!」

ある貴族は怒鳴った。

「馬車を三台から二台に減らせというのか!」

別の貴族が叫ぶ。

「晩餐会を毎週開けなくなるではないか!」

その報告を聞いたレアルは、静かに答えた。

「ならば、月に一度にすればいい」


三日後。


【統治システム警告】

《暗殺計画:17 → 46》

さらに翌日。

《暗殺計画:46 → 73》


一週間後。

《暗殺計画:73 → 104》

ミディアは画面を見て、顔を覆った。

「……百件を超えました」

「そうだな」

「どうして平然としていられるんですか!」

「百件の計画があっても、百人が実行するとは限らん」

レアルは答えた。

「多くは同じ黒幕から出ているはずだ」

リシアが頷いた。

「計画の件数と、実際の実行組織の数は別ですね」

「そういうことだ」

レアルは報告書を広げた。

「資金の流れを追え。暗殺者を雇うには金が必要だ」


その夜。

エルナは王都の酒場にいた。

薄暗い店内。

奥の席に、黒い外套の男が座っていた。

「……情報を持ってきた」

男は小さな紙片を差し出した。

「報酬は?」

「金貨二十枚」

「高いな」

「命に関わる情報だ」

エルナは少し考え、金貨を渡した。

男は紙片を置く。

「……アルフォンス卿を殺す計画がある」

「それは知っている」

「狙いは本人だけじゃない」

エルナの目が細くなった。

「……どういうこと?」

「家臣を狙う」

男は続けた。

「領主を殺せなければ、周囲を殺す。恐怖で改革を止めさせるつもりだ」

エルナは立ち上がった。

「……誰が?」

男は答えなかった。

代わりに、酒場の入口を見た。

エルナも振り向く。

そこには、武装した男たちが立っていた。

「……罠?」

情報屋が小さく笑った。

「悪いな。金貨二十枚より、もっと高い報酬をもらっている」

エルナは腰の短剣に手を伸ばした。

しかし、男たちはすでに出口を塞いでいた。

同じ頃。

王宮の執務室。

レアルの前に、新しい警告が表示された。


【緊急警告】

《配下の生命危機を検知》

《対象:エルナ》

《危険度:極大》

レアルの表情が変わった。

「……ヴァルク」

「はっ!」

「エルナの位置を確認しろ」

「承知しました!」

レアルは立ち上がった。

「……俺ではなく、部下を狙ったか」

その声には、いつもの余裕がなかった。

「ならば、覚悟してもらおう」

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