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転生したら最悪の領主で破滅寸前の領地を押し付けられたので内政チートで立て直します  作者: レモンティー


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4/31

第四話:土地を支配する――豊かさは作れる

魔物襲撃から三日後。

領地は、変わり始めていた。

「……静かすぎるな」

レアルは城壁の上から見下ろす。

以前の荒れた空気はない。

代わりにあるのは――

規律。

訓練された動き。

無駄のない労働。


【統治システム】

統治度:42

忠誠:40

恐怖:68

民兵化率:45%


(悪くない)

だが、レアルは満足していなかった。

(戦えるだけじゃ足りない)

(“持続できる強さ”が必要だ)

「報告しろ」

側近に命じる。

「はっ。現在、食料備蓄は昨年比でやや不足……このままでは冬に問題が」

「原因は」

「土地の疲弊と、収穫効率の低さです」

(やっぱりな)

この領地は、搾取しすぎた。

土地も人も限界まで使い潰されている。

「……なら、やることは一つだ」

翌日。

再び、住民が集められる。

だが今回は――空気が違った。

恐怖ではない。

“期待”が混じっている。

「作業を増やす」

ざわめき。

だが誰も反発しない。

「土地を改良する」

「水を制御する」

「収穫量を上げる」

農民たちが顔を見合わせる。

理解が追いついていない。

「説明してやる」

レアルは地面に図を描く。

「今の畑は、同じ作物を繰り返している」

「それが土地を弱らせている」

「だから――肥料を入れる」

「……肥料?」

「動物の糞、腐った草、灰」

「全部混ぜて土に戻せ」

ざわめきが広がる。

「そんなもので……」

「収穫が増える」

即答する。

さらに線を引く。

「次に、水だ」

「川をそのまま使うな」

「流れを分けろ」

「溝を作れ」

「治水……?」

「そうだ」

「水は“管理するもの”だ」

(前世知識チートだな)

だが、この世界では誰もやっていない。

「全員でやる」

「作業はローテーション制」

「訓練と同時進行だ」

「そんなことして……間に合うのか?」

一人の農民が恐る恐る聞く。

レアルは少しだけ笑った。

「間に合わせるんだよ」

その瞬間。


【統治システム】

統治度:42 → 48

忠誠:40 → 46

恐怖:68 → 60


恐怖がさらに下がる。

代わりに、信頼が上がる。

(いい傾向だ)

それからの日々。

領地は“工事現場”になった。

・川を分流し、簡易水路を作る

・畑に肥料を混ぜ込む

・作物をローテーションで植える

・排水路を整備する

最初は混乱もあった。

だが――

「水が……ちゃんと来てる……!」

「土が柔らかい……!」

「前より育ちが早い……!」

変化は、すぐに現れた。


【統治システム】

統治度:48 → 57

忠誠:46 → 58

恐怖:60 → 52

生産効率:大幅上昇


「……すげぇ」

誰かが呟く。

「領主様は……」

「本当に、俺たちを生かす気だ……」

(違うな)

レアルは心の中で否定する。

(“使える状態にする”だけだ)

だが、その差を理解できる者はいない。

「報告です!」

側近が駆け込んでくる。

「収穫予測が……前年の1.7倍に!」

「当然だな」

レアルはあっさり言う。


【クエスト達成】

・生産効率向上

報酬:経験値


【レベルアップ】

Lv.3 → Lv.4

武力:79 → 80

知力:67 → 68

新スキル:《指揮強化》


(内政でも上がるか)

支配=戦闘ではない。

領地全体の強化が、そのまま力になる。

レアルは、変わりつつある土地を見下ろす。

整った水路。

活気のある畑。

動き続ける人々。

「いいな」

小さく呟く。

ここはもう、ただの地獄じゃない。

“勝ち続ける地獄”だ。

そして、その裏で。

「……確定だ」

隣領の館。

斥候が報告する。

「あの領地、完全に立て直しています」

領主は静かに笑った。

「なら――今のうちに潰すか」

戦は、もう避けられない。

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