第十五話:削る軍、残す命――軍改革編
朝霧の中。
訓練場に並ぶ兵士たちは、どこか落ち着かない空気をまとっていた。
理由は一つ。
将軍ミディアの最初の命令が、“削減”だったからだ。
・宣告
「本日より、再編成を行う」
ミディアの声は静かだったが、逃げ場はなかった。
「戦えない者、従えない者、無駄な者――」
一拍。
「すべて外す」
ざわめきが広がる。
「俺たちは……切られるのか?」
「今まで戦ってきたのに……?」
・レアルの視点
執務室の窓から、その様子を見下ろしながら――
レアル・アルフォンスは一言も発さなかった。
エルナが不安げに言う。
「反発が出ます」
「出るだろうな」
「それでもやるんですか?」
「当然だ」
・再編開始
ミディアのやり方は、徹底していた。
選別基準
* 命令遵守能力
* 判断速度
* 持久力
* 集団連携
「強いかどうかはどうでもいい」
ミディアは言う。
「“使えるか”で判断する」
・結果
三日後。
軍再編結果
* 兵数:30%削減
* 練度:大幅上昇
* 指揮統一:確立
「……減りすぎでは」
エルナが息を呑む。
「問題ない」
レアルは即答した。
「“数”で勝つ戦はしない」
・新しい軍
訓練は変わった。
* 小隊単位の独立行動
* 即応戦術
* 夜間行軍
* 奇襲前提
「正面から戦うな」
ミディアは言う。
「勝てる形を作れ」
・変化
兵士たちの顔つきが変わっていく。
「……動きやすい」
「無駄な指示がない」
「怖いけど……合理的だ」
▶ 士気:低 → 高(適応後)
・裏側
だが――
全員が納得したわけではなかった。
「切られた連中が……」
エルナが報告する。
「一部、外部勢力に流れています」
レアルは目を細めた。
「当然だな」
・対応
選択肢は三つあった。
1. 放置
2. 追撃・排除
3. 管理・再利用
「3だ」
・再利用
* 兵站要員として再雇用
* 農業・土木へ配置
* 一部は情報網へ
▶ 不満抑制
▶ 内部情報強化
「切り捨てない……?」
エルナが驚く。
「違う」
レアルは淡々と言った。
「“配置を変えただけ”だ」
・ミディアの評価
夜。
ミディアが報告に来る。
「軍は仕上がりつつあります」
「どれくらい勝てる?」
「条件次第で、五倍までなら」
エルナが凍りつく。
「五倍……?」
「それ以上は?」
「戦わないのが最適です」
レアルは、わずかに笑った。
「いい答えだ」
・影の動き
その頃――
外の領地。
「兵を削っただと?」
「愚策か……それとも」
「いや、あの領主だ」
「罠の可能性もある」
・新たな兆候
報告が入る。
* 国境付近に偵察増加
* 小規模衝突 発生
* 補給路への干渉
「始まったな」
レアルが呟く。
・終幕
夜。
静まり返った領地。
エルナが小さく言う。
「怖いですか?」
レアルは少しだけ考え――
「いや」
そして、静かに答えた。
「想定通りだ」
窓の外。
動き出した軍。
流れ続ける経済。
すべてが、戦争に向かっている。




