スカビオサ 3
3年生になった。
みんな進路に悩み始めていた。そんな中、僕も悩みを抱えていた。サッカー部での活躍が評価され、推薦を受けれることになったのだ。強豪校で非常に嬉しい話なのだか、そこに行けばサッカー漬けになるだろうことは予想できた。
だか、プロを目指している訳でもないので困っていた。贅沢にも僕は以外と成績がよく、背伸びをしなければ、志望校なら受かるくらいの学力があった。
(どうしたもんか…)
そんな時、みなみがいきなり声を掛けてきた。
「久し振りに一緒に帰らない。」
「いいけど、久し振りって小学校以来くらいじゃないか?」
「そうだっけ? まぁいいそんなことはいいじゃん。」
(そんなことって…)
声に出そうになった言葉を無理矢理飲み込む。
「じゃ、校門で待ってるから。」
そう言うとみなみはそそくさと行ってしまった。
「本当に久し振りだよねー」
二人で帰路についていると小学校時代を思いだす。あの時は、中学生になっても一緒だと思っていた。
「進路どうするの?」
「悩んでいる。」
「部活も勉強も結果が出ているのはうらやましいですなー」
「そういうお前は?」
「集学館」
「まじで、お前の学力でかよ。僕でさえ厳しいのに。」
「頑張ればなんとかなるよ。手芸だってそうだったし。」
「不器用だもんな」
「まだ、指に針を刺しちゃうけど、御守りだって作れるようになったんだよ。」
「御守りなんて作れたのか、作ってもらえばよかった。」
そんな言葉がふと、口から出てしまった。
「えー、やだよ。一つ作るのも大変なんだから。」
その言葉を聞いたとき、自分の中で納得がいった気がしたのを憶えている。
「どうしたの?」
歩みをやめた僕にみなみは振り返り、声をかけた。
「お腹でも痛い?」
「僕、集学館受ける。」
こんなことで進路を決めるなんて愚かなんだろうと僕は思っていた。




