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シオンの香りに誘われて  作者: いちごモンブラン


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7/7

シオン

高校生3年生になった。

あれからいろいろあった気がする。僕とみなみは高校受験に失敗した。みなみは県立の女子高に入り、僕は共学の高校に入った。

受験の失敗と恋愛感情に後ろ指を指され、僕はみなみとまったく交流しなくなっていた。

1年生の時だろうか、放課後だらだらとゲームセンターに寄った帰りに、見知らぬ男と家に入っていくみなみを見掛けたことがある。僕は胸に沸き上がった感情をどうすることもできなかった。学校でもだれだれが付き合っただの、別れただの、そんなことばかり聞こえてくる。

(それしかないのか、お前らは!!…)

溢れでそうな感情とそれに対する自己嫌悪で頭がおかしくなっていた。

二年の記憶は殆どない。起きて、学校に行って、家に帰る。その繰り返し。いや、高校に入ってからずっとかもしれない。中学時代にあんなに打ち込んだサッカーもやめ、何もしていなかった。

高校3年生になった時、突然、学校の校門でみなみに声をかけられた。

「久し振りだね。」

「ああ」

「一緒に帰らない。」




「私に彼氏が出来たの知ってたんだ。」

「前、家に入っていくのを見掛けた。」

「よりにもよってあの時かぁ〜恥ずかしいな〜」

「全然変わってないな。懐かしい。」

「変わったよ。昔とは全然違う。でも私も。」

そう言った後、二人は少しの間黙っていたが、みなみが口を開いた。

「私さぁ、県外大学の推薦貰えそうなんだ。彼氏と同じ所。」

「それはよかったな。」

「うん。だからね、これで最後。」

「ああ、そうだな。」

僕はずっと溜め込んでいた感情を口に出した。

「好きだったよ。ずっと。」

「うん。知ってたよ。ずっと。」

お互い涙を浮かべながら、少しの間、見つめ合った。

「それじゃー、行くね。」

「ああ。さよならだ。」

「うん。さよなら。」

家の中に入っていくみなみを横目に、ふと、庭にシオンが咲いているのが見えた。その香りを嗅ぎながら、心が穏やかなになるのを感じていた。




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― 新着の感想 ―
追記です。 幼馴染という関係が可能性という幻を見せていなければ、 「俺もあんな彼女欲しいなぁ〜」 「ばっかおまえw無理に決まってんだろぉ?」 「「わっはっはw」」 と友人との笑い話で終わりですからね…
「好きだった」の返しが「私も好きだった」じゃなくて「知ってた」だけって事は最初っから恋愛対象として見てないんだよね。 御守りもすでに別の相手に作っていたから「大変だから作りたくない」って言って断ってい…
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