スカビオサ 1
中学に上がると、みなみとはちがうクラスになった。小学校時代はずっとクラスが一緒だったから。
うちの中学は生徒全員何らかの部活が強制で、僕は興味があったサッカー部に入ったが、みなみは手芸部に入ったらしい。
「いやー練習きついわ」
登下校の最中、中学から知り合った同じクラスでサッカー部の小清水秋人が呟いていた。
「あれくらい普通なんじゃない?」
「いや、1年だけやけに厳しく感じる。先輩達当たりきつくね。」
「気のせいだろ…。」
中学に入ってからみなみとは一緒に帰ってはいない。もう7月になろうとしてる中、それが普通であったかのようになっていた。
「そういえば、お前四組の白瀬と幼馴染なんだろ?」
急に秋人の口からみなみの名前が飛び出し、少し驚いた。
「なんだよ、急に。」
「いやぁー、今1年生に可愛い娘がいるって話題なんだって、先輩が言ってさぁー」
「そうなのか…」
確かにみなみはここ最近、凄く可愛いくなったと思う。
「先輩が狙っているっ話でさー」
全身から冷や汗を感じるのを感じた。僕はなぜか、みなみと今までのような関係のままであおられると思いこんでいたが、そんな保証なんてない。
「あいつを狙っているなんて趣味が悪いなー」
そう取り付くろっていると後ろから、声を掛けられた。
「誰を狙っていると趣味が悪いってー。」
振り返ると、そこには笑顔のみなみが立っていた。
「言っとくけどね。これでも学校で人気があるんだから。」
久し振りにみなみと喋り、うれしさと恥ずかしさでたじたじになっていると、秋人が間に入って揶揄ってきた。
「圭太は好きな人にはそんな風になるのかー。」
僕は顔を、真っ赤にして俯いていたが、恐る恐る顔を上げた。
「くだらないこと言わないでよー。」
それは小学校の時と何ら変わらない台詞だったが、少し違和感を覚えた。
「では、私は用があるので。」
わざとらしく言うと、みなみはそそくさと僕達の前から姿を消した。
「やっぱりかわいいなぁー」
秋人がそんなことを言っていたが、さきほど感じた違和感がまだ残ってた。
(そういえば、昔は怒る時、もっと顔にででいたような気がする……。)
そんなことを想いながら、秋人と二人で喋りながら帰路についた。




