クジャクアスター 2
「おっはよー‼️」
小学校に上がると、みなみは別人になったみたいに明るくなっていた。
「今日の授業って、何だっけ」
「国語、理科、算数だよ。それでよく教科書忘れないな…」
「置き勉してるから平気なの!!」
呆れた風に言うと、顔を紅くして少し怒っているかのように答えた。
毎日、登下校はこんな他愛もない会話をしていて、これが何よりも楽しい時間だった。
高学年に上がると、異性の友達と一緒にかえるのが珍しいのか、登下校中に揶揄われたことがあった。
「彼奴等、付き合ってるんだってー」
「やらしー」
僕は恥ずかしくなって、一緒に登下校をするのをやめようとしたが、みなみはそんなこと気にする必要なんてないと、言ってくれた。
「言わせておけばいいよ」
普段はそんなことはないのに、こうゆう時に自分の主張を押し通す強さに密かに憧れていた。
(みなみは強いなぁ…)
6年生になっても、その関係は変わらず、相変わらず揶揄ってくる人はいたが、みなみはまったく相手にしなかった。
「来年は、中学生か〜」
登下校の最中、急にみなみがそんなことを言っていた。
「どうしたんだよ、突然」
「いやー、なんかもう大人になったんだなーって」
「おまえが?」
「今、含みがあった気がしたんだけど?」
顔を膨らませてじっとこっちを見てくる
「気のせいだろ」
「じゃあいいけど、あっという間だなーって思っただけ」
「中学生になればさすがに一緒に登下校はしなくなるだろうな」
「えぇー、淋しいこと言うなぁ。まぁそうかもねー」
その言葉を聞いたとき、心のモヤモヤが押し寄せるのを感じた。自分で言ったくせに、心の何処ではみなみに否定して欲しかったのだろうか。
「でも、ずっと仲良しだよ。」
そんな風に言うみなみをよそにモヤモヤを残したまま帰路についた。




