突然の妹
ーー今朝はひどい目にあった。涼子はなぜあんなにも、暴力的なのだろう。バスト+5のスキルを取得する以前から、スタイルはグラビアアイドル級だし、顔だって可愛いし、もう少しあの怒りっぽいのが治れば…ーー
「こう先生、また夫婦喧嘩ですか?」
クラスメイトの冴島が、呆れ気味に光輝に話しかけてきた。
「喧嘩と言うのだろうか、一方的に蹂躙されたのだが…」
「原因はこう先生でしょ?もう少し女心を勉強しないとダメですよ」
「なにその自分は分かってますよ感、はらたつなぁー」
光輝は今朝の出来事を、得意げに話す冴島に説明した。朝起きたら、突然リリスが隣で寝ていて、それを涼子に発見され、云々カンヌンあって、涙目の涼子に殴られたというあらすじである。
「やっぱり、こう先生が悪いよー」
「なぜにぃ?」
ーーというか、やっぱりリリスは現在世界で俺の妹として過去改変されているようだ。冴島もリリスの存在を普通に認識しているーー
「しかし、リリスちゃんの人気はすごいね。お兄様も鼻が高いでしょう?」
「え?そうなの?」
「そりゃそうだよ。金髪碧眼の里実先輩も凄いけど、リリスちゃんは妖精的な、触ったら壊れそうな精巧なガラス細工な…」
「いや、触るなよ」
リリスは光輝の一つ下の学年で、中等部3年らしい。この学校は中高一環なので、中等部と高等部が隣り合って併設されている。
ーーリリス大丈夫だろうか。中等部の制服に着替えた時は喜んでいたが…。周りの人はリリスの認識があるから大丈夫だと思うけど…ーー
「こうちゃん、その…」
涼子がモジモジしながら、光輝に近づいて来た。
「なに?」
「ごめんね、その、つい、殴ってしまって…」
「いいよ。いつもの事だから…」
「怒ってるの?」
「怒ってないよ」
「良かった!」
「会話が完全に夫婦だな」
「「夫婦じゃないから!」」
息ぴったりで光輝と涼子が返す言葉に、冴島はさらに呆れた。
「リリスちゃん、心配だから、お昼様子を見に行かない?」
「そうだね。師匠にも相談したいし…」
「うんうん、じゃお昼にねー」
涼子は明るく手を振って、自分の席に戻っていった。
ーー師匠にメッセージで連絡しようかなーー
光輝は自身の持つモバイル端末で、師匠に連絡を取る事にした。
こう:師匠、ちょっと困ったことがあって、お昼に相談したいのですが
ししょう:おはー、私からも連絡がある。お昼、了解である。
ししょう:んで、困った事って何?
こう:実は、妹ができまして
ししょう:こうのおばさんオメデタ?
こう:いやいや、そうではなく、過去改変が起こったようです
ししょう:おい
ししょう:まさか
ししょう:おまえ
ししょう:ゲーム内のキャラを持ち帰ったのか?
こう:そういう事になります
ししょう:うそだ、まじなのか、昨日か?どこでだ、どこだ、だれだ、妹?かわいいのか?おい、すぐ教えろおおおおおおおおおおおおおおお
師匠こと金髪碧眼の里実は、自身も少女ながら、少女が大好きという得意体質を持っている。
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