突然の妹 - 2
「ふぁー、やっと終わったー」
午前中の最後の授業が終わり、クラスメイトの男子生徒が机にぐったり突っ伏した。
別の男子生徒の数名は、我先にと教室を飛び出して行った。食べ盛りにとって、良い昼食はスタートダッシュにかかっている。
リリスは何が始まるのだろうと辺りを見回していると、リリスの前に座っていた女の子が振り向いて声を掛けてきた。
「リリスちゃん、お昼どうするの?」
「え?お昼?昼食は、お母様にお代を頂いたのですが、どうすれば良いのでしょうか? 」
「やだ、リリスちゃん、変なのー、売店は中庭の渡り廊下付近だよー」
「中庭ですね。ありがとうございます」
リリスは分からないながらも、授業は興味深い内容が多かった。聞きたい事が山ほどあったが、お腹が減っていた事に気がつき、昼食を購入してみようと席を立った。
「あ、いた!!リリスちゃーん」
高等部の制服にクラスメイトの視線が集まり、声の主が涼子と分かると、クラス内が凍りついた。
涼子は『男子グループ数名を病院送りにした』などの逸話が幾つもあり、高等部の要注意人物とされている。
「わー、懐かしいなー」
「懐かしいかな?1年しか経ってないよ」
光輝が切り返すと、涼子は1年でも懐かしいのとムクれた。
「あ、涼子さん。こう様」
リリスが手を振る先の高等部の男子に視線が集まると、凍りついたクラス内が別の感情でメラメラと沸き立った。
光輝はリリスの兄としてクラスに知れ渡り、男女問わないリリスのファンからは嫉妬の対象とされている。
クラス内の雰囲気が変わった事に不思議を感じながら、リリスはクラスのみんなに会釈をして教室を出て行った。
リリスが教室を出て行くと、『今、俺と目があった』とか『いや、私よ』とか『あの兄貴まじ許さん』などの声が響き合っている。
◇◇◇◇◇
リリスと合流した光輝と涼子は、中等部の屋上で師匠を待つ事にした。
「リリスさん、いきなり学校って、大丈夫でした?」
「はい!とても楽しかったです。こう様も高等部で授業を受けているのですか?」
「そうだよ」
元気そうなリリスに光輝は安堵したが、不機嫌そうな顔の涼子が割って入ってきた。
「まって二人とも、『兄と妹』なんだからその呼び方はよくないわ!」
「では、お兄様でしょうか?私のことはリリスとお呼び下さい」
光輝はちょっと躊躇したが、せっかくの体験なので、勇気をだして呼んでみる事にした。
「リリス…」
「はい、お兄様!」
光輝は下を向いて、完全に照れている。
涼子は完全に墓穴をほって、じたんだを踏み、踏み固まった頃にガチャリと音がした。
「いやー、久々に中等部入るの勇気いるわー」
中等部の制服でも違和感がない程小柄な、金髪碧眼の少女が屋上に入ってきた。
「ししょうー、聞いてくださいよおおお」
涼子は、二人の師匠である里実に飛びかかって抱きついた。
「おー、よしよし、……がっ?」
いつものように猛獣を手なずけていると、視野に入ったS級の美少女に驚愕した。
◇◇◇◇◇
光輝とリリスが少しずつ説明し、涼子と師匠が落ち着きを取り戻した頃、お昼休みの終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「やばい、昼休みが終わったじゃないか!!急いでたべろおお」
四人は急いで昼食を済ませると、放課後に改めて師匠の家で会議することを決めた。
2017/2/2 サブタイトル修正




