予知
「うわぁ、スピリチュアルだ」
「そうなんです。そう言われるかもしれないから言いたくなかったんです!」
「だよねぇ」
「スピリチュアルってなんやっけ」
「オカルトや超能力、場合によっては宗教とかを本気で信じている人たちのことを、スピ系って言うんだよね」
「そもそも占いが好きってだけでも、ちょっと怪しい子って思われそうなのに……」
「ムツキ、スピ系だ」
「やめてください、怒りますよ」
笑いが放課後の教室に広がる。
「でも、学園で起こってることってまさにスピ系の範疇なんですよね」
「やね。だって普通に考えて『同じ夢を見る』って科学的にあり得ん気がするもん」
「ですです。あと検索で出てきたものはサブリミナル効果というのもあったんですが、知ってますか?」
「なんそれ?」
「ポップコーンがよく売れたやつだ」
「そうですそうです。『ピクニック』という映画の投影中に、1フレームだけ『コカ・コーラを飲もう』、『ポップコーンを食べよう』というメッセージを何度も挟み込んだんですよ。普通の人間では1フレームの文字を読むことなんてできません。ですが、『ピクニック』の上映時、コカ・コーラの売上は2割、ポップコーンの売上は5割あがったっていう話があるんです」
「え?そうなん?」
「なので、何か映像を見て『こんな夢を見る』って思い込ませることができれば、あるいはとも思ったんですが……」
「おー、なんかあり得そうな気がするね」
「いえ。でも調べてみると、この実験をした方はあとになって『コカ・コーラとポップコーンのデータは捏造』と公式発表されているんですよね」
「ってことは、結局……、予知夢?」
「かなぁ、と思うんですがどう思います?」
「初等部、中等部併せて13人しかいない学校で、3人も同じ夢を見てるんだよねぇ。これは確率的にあり得るのかな」
「無理でしょうね。まず、予知夢と言えば予知能力の一種なんですが、予知能力にもいくつかありまして、未来のことを言い当てる『予言』、未来のことを夢で見る『予知夢』、未来のことを映像で見る『未来視』。つまり、『予知夢』は立派な超能力なんですよ。超能力が使える人は一般的に超能力者って呼ばれますよね。13人しかいない生徒の中に1人でも超能力者がいれば相当多いと思います。……これが予知夢だとしたら、私とアオイ、そして話にあがった初等部の1人、計3人。これは普通に考えれば異常な多さでしょう」
「超能力者……」
「ねぇ、それやけどさ……」
「本当に3人なのかな。……もしかしたらもっとおるんやない?」




