報告
「日向ちゃーん!!!!」
「うえ!? 何?」
元いた世界に戻ってくると突然後ろら大声が聞こえたと思えば、勢よくヤーナに抱きつかれる。
「どこ行ってたの! 一人で不安だった!」
「あ、そう言えばヤーナいなかったわ」
神の世界にいた時、ヤーナはいなかった。と言うことは魔王と二人でここに居たのだろう。
「もう! 探し回ってたんだよ?」
「ごめんごめん」
日向は軽く謝る。その時、
「ねえ、わたくし達、貴方達についていってもいいかしら?」
「え?」
「マハナタ様!?」
そう言いながら迷宮の方から、マハナタが部下達を連れてゾロゾロとやってくる。
「は? 何故じゃ?」
「ん? いやね、前から悩んではいたの。魔王軍から離れるべきか。けどヤーナも日向ちゃんと居たそうだし、悩ませるのもじゃない?」
「いいの? マハナタ様」
「ええ、それに日向ちゃん達と近くにいたら楽しそうじゃない? どちらかと言うとデメリットよりメリットの方が大きいと思うのよね!」
「マハナタ様!」
ヤーナはキラキラとマハナタを見ている。
悪くはないのか?
日向からしたら納得はしずらいがマハナタ達を制御できれば強力ではある。なので日向はコートルの方を向く。
「……はぁ、まあいいじゃろう。だが今日全員は無理じゃ。王に言わんといかんからのう、マハナタとそこのヤーナじゃったか、その二人以外はわしの家の付近にいてくれ」
「良かったわ」
マハナタは嬉しそうにそう言い、後ろの部下も嬉しそうにしている。
「じゃあ説明でもしながら帰るか。魔王はわしが持つ」
日向達は魔人達を引き連れて歩き出す。
そしてタイミングを見てコートルは喋り出す。
「じゃあまずスキルからじゃな、あのスキルは相手のHPが100以下の時に相手の心臓の前の皮膚に触れながら使うことて残りの自分のMPを全て使い発動し、相手のレベルを一にするのじゃ」
「なんか魔王相手に強いスキルですね」
そのスキルは魔王のスキルに相性がいい。難易度は高いが、一段階目で勝ててしまう。
「まあ、レベルも上げにくいし。そもそもレベルが結構程度上がらんとここまで能力にはなん。それに最初の方は強くないから育てる奴もおらんからわしでもここまで強くなったのは最近じゃ」
「へぇ」
これはコートルがエルフだからこそできたことのはずだ。
それに特化させないとできないレベルであるが、最初が弱すぎるので特化させようの思う人がそもそもいないのだろう。
「で? あの光はなんですか? カラさんがあればコートルさんのではない。英雄のスキルだって言ってますけど?」
「「え!?」」
日向は驚く。そして咲も驚いているようだ。
確かに先ほど神様と話した時、コートルは最後のスキルと言っていた。
「そうじゃな。あれはワカハのスキル【貫き】じゃ。そしてそのスキルを持つものはリオンじゃ」
「「「「「え!?」」」」」
と今度は皆驚きコートルを見る。
「なんでお姉ちゃんが?」
「なんでって言われてもワシにはわからん。神に聞け」
「てかなんでお姉ちゃんが参戦してんの?」
日向がいない間コートルは何をしていたのだろう。色々と話が進みすぎてて入ってこない。
「めんどいから後で話すのじゃ」
「…………は、はい」
説明するとか言っていたくせに、コートルは話してくれない。
気になるが、日向は今聞くことをを諦める。
「日向ちゃんお姉ちゃんいたの?」
「へ? まあ本当のではないけどな」
「ふーん」
嫌な予感がする……
♢♢
「は、ははは、本当に、魔王を倒したのか?」
「くくく、ああ、そうじゃな、倒したと言ってもいいじゃろう」
「それに神も出てくるとは」
日向達は帰ってくると王様に会い、迷宮を踏破した事を褒められる。
そして後ろにいるフードを被ったマハナタとヤーナのことを聞かれたが、それよりも前に、王様と側近だけにしてもらい、魔王討伐の事を神のことを王様に話した。
「召喚者よ、まずはこの世界にまだ留まる選択をしてくれて感謝する。で、コートルさん。作戦があるのだろう?」
「そうじゃな」
「話しておくれ」
王様の言葉で、コートルは話し始める。
「まずは魔王の使い方についてじゃが、あいつがやられたと言うことをまだ魔王軍は知らないはずじゃ。だからできるだけまだ魔王はやられていないと魔王軍に思わせて、その間にわし達はこの国だけではなく、世界の国々を強化し、万全の状態で魔王軍と戦うのじゃ。
そして魔王がいないからと言って、普通の魔人は魔王がいなくなると、幹部に従い、幹部は魔王のように計画的にはこない、魔王がいないと分かれば、すぐ魔人を引き連れ攻めてくるはずじゃからのう。そこで日向達中心で殲滅する。ざっと言えばこんな感じじゃ」
「ふむ、どうやって魔王はやられていないと思わせるつもりじゃ?」
まあそうだよな
日向もそれは気になっている。魔王が魔王城に現れなければ怪しんでしまうだろう。
「それは魔王を魔王城にわしが連れていく、わしが隠れて魔王の威圧を真似して見せれば魔人は萎縮するだろう。前と少し違ったとしても、魔王には勝てないと思わせれば良いんじゃ。顔や言葉は一緒なのじゃ、まず疑わん。それにもし疑われても証拠がない。何故なら魔王のステータスはわしが鑑定を阻害するからじゃ。今は弱くなっているが、魔王も元は阻害スキルを持っておったし、ステータスが見れないからって疑われる事はないはずじゃ。そして頃合いを見て魔王城に居るやつは殆ど殺す想定じゃから、魔王軍の力は半減するじゃろう。バレてもそうするから早めにバレると準備が完全にできんのが心配点じゃな。あと世界中が協力してくれるかだが、魔人は世界の敵、それを殲滅する為じゃ、協力は大丈夫じゃろう。まあ最低でも魔王軍の領土に近い国にだけでも協力はして欲しいな」
コートルは自分が心配だと思っていたとこを全て話してくれる。
「貴方が言うと納得できるな。失敗する未来が見えない。英雄とはすごいものだ」
「まあ理想ではあるが、わし達は千年続いた魔王軍の脅威を無くすことを目指すんじゃ。大チャンスなの今、この作戦に賭けてもいいと思うのじゃ」
作戦は理想で確実ではない段階なのだろう。だがコートルが言っているのだ。日向も多分有達も疑っていない。このタイミングがコートルの生きている中で一番のチャンスなのだろうから。
「はっはっは! 面白い。この作戦はコートルさん、貴方に任せるぞ!」
「ああ、それじゃあ作戦名は世界防衛戦でいいかのう。まあ、魔人殲滅作戦でもいいが、世界防衛戦の方がかっこいいじゃろう?」
「ああ、くすぐられるよ」
「それじゃあ、世界防衛戦の準備を始めようじゃないか!」
コートルは希望を持った顔でそう言い切る。
「あ、あと魔人が二百人くらい仲間になったからのう」
「え?」




