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魔王の強さ

「集まるのじゃ! 下にワープする!」


「「「「「はい!」」」」」


「えっと、うちは?」


「お前もじゃ!」


 日向達はコートルの周りに集まり地上にワープする。


「お前達は回復メインで日向と咲と魔人は出来ればサポートじゃ! ワシはもう行く!」


 ドカッ!


 そしてコートルは魔王の方に飛んでいき、そちらの方向からドゴオオオオ!! と轟音が鳴り響いてくる。

 魔王の動きも先ほどよりも早く、マハサの時は少し手加減していたのが分かる。


「よし! 俺たちはここで回復だな、咲、あれを使ってくれ」


「オッケー!」


 日向が言うと、咲の前に大きな画面が出現する。

 これが咲がドラゴンの戦いの最中に写真から進化したスキル、【オート】だ。

 このスキルの強さは文字どうり、設定すれば勝手にしてくれること。

 ドラゴンの時のように、相手の攻撃全てに、ちょうど相殺という神技を普通に成功させることもできれば、設定次第で、相殺よりも少し強くにしたりと、MPが尽きるまで色々出来る。もう一つの特徴として、発射制限が無いため、大量の魔法を同時展開出来る。


 そして、咲はこちらに来そうな攻撃の相殺に設定し、この場を守るためにこのスキルを展開する。


「よし! じゃあ俺とヤーナはサポートできそうならするか」


「う、うん!」


 出来る気はしないけど



♢♢



「チッ、お前さえ来なければ楽だったんだがな!」


「そうじゃろうな!」


 魔王とコートルは今の所互角だ。だがコートル的には手応えがあった。

 いつもよりも調子がいい体。これはきっと何かあるのだろう。そして、前よりも動けているという感覚がある。


「強いな」


 魔王もそう言葉を溢すことだ。


「ワシは三百年で世界を何周したと思っててる! お前みたいに魔王軍の復活のために動いたり、侵略の作戦を立るばかりでは無いんじゃよ!」


 コートルはこの三百年世界を回るからにはご飯も自分で探すこともあれば、襲われることなんてザラにあった。目的は違えどレベルなんて意識しなくても上がる。

 そのおかげかコートルのレベルは1000を軽く超え、間違いなく未だ生物の類をを見ないレベルにまで至っている。

 だが、実力がある程度近いものの戦いはレベルでは決まらない。経験やマハサのような戦いの才能、そして一番はスキルだ。これが最も大事と言ってもいい。実際今のコートルに限界突破があれば、危なげなく魔王に勝てるだろう。

 なので、コートルよりもレベルの低い魔王でも勝つ可能性は十分にある。


「そろそろ出し惜しみなく行くか」


 そう魔王が言うと、背後に、数百を超える魔法陣が、同(・)時(・)展(・)開(・)される。


 これが魔王の邪神からもらった一つ目のスキル、制限解除。

 魔法の同時展開の制限無効だ。それに加えて全ての魔法が1.5倍になると言うチートスキルである。


「相変わらずのスキルじゃのう」


「さあ、長い中盤戦を始めよう」


 ドッ


 そして魔王は超強化の更に上、極化(きょくか)を使う。


「もう終盤かもしれんぞ?」


「こっちのセリフだ!」


 ドッ


 そしてコートルも極化を使う。


 トゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!


 魔王とコートルの剣がぶつかった時、とんでも無い衝撃音が響き、風が吹き荒れる。


「一割じゃ!」


 そしてコートルは魔法の奥義を限界まで範囲を広げ、魔法陣に向け、放つ。

 その光線は全ての魔法を飲み込む。


 そしてすぐさまワープを使い、魔王の後ろに周り剣を振り下ろす。

 その攻撃に魔王は反応するが少し遅れ、後ろに吹き飛んだ。

 そしてそれをコートルは追いかけていく。


「一割!」


 そして今度は剣にMPが溜まり、魔剣の奥義を使う。

 その時、魔王の後ろに魔法陣が先ほどと同じ量の魔法が出てきた。だが、コートルは一旦無視をして魔王に直撃させる。


 ドドドドドドドドドドドド!!!!


 極化の効果により、やく5倍コートルは強化されている。その状態の一割だ。そして今は調子がいい。この前日向達に見せた五割と同じくらいの力を出せている。


 直撃、魔王もタダでは済まないだろう。だが、コートルはあの魔法陣の対処しなければならない。

 すぐに後ろにワープする。


「一割じゃ!」


 そして先ほどと同じように展開し、出来る限りの魔法を飲み込む。

 だが、スピードの速い攻撃は対処できない。これは咲がなんとかしてくれるだろう。

 コートルは戦いに集中する。


「いやいや、今のは結構効いたぞ」


 魔王は笑っているが、ダメージを見たら何故笑っているのか不思議なほどにひどくボロボロである。


「だが大丈夫なのか? お前は今、最低でもMPを四割は消費しているだろう? そんなのでこれからの我に勝てるのか?」


 普通に見ればコートルが勝ったと思っただろう。だが、魔王と戦ったことのあるものからすれば、本当の戦いはここからみたいなものだ。

 魔王が邪神からもらった二つ目のスキル【復活】があるからだ。

 このスキルは一度だけHPが1で止まり全てを全回復させ回復と同時に物理と魔法の攻撃力、体力、MPが1.3倍になると言うスキルで、魔王の強さと合わさると脅威でしか無い。やっと倒せと思ったら回復し、強くなるのだ


 魔王の言葉にコートルは笑いが溢れそうになるのをなんとか我慢する。

 昔のコートルならばここからと感じていただろう。だが今は秘策がある。

 今、コートルは魔王を手のひらで転がせている。これが決まれば魔王に勝てるだろう。


 コートルは日向達の方にワープで戻る。


「皆、戦闘準備じゃ! 日向! お前達は白のMP操作で咲にMPを流すんじゃ! 折れない正義を使うんじゃぞ! それで魔法をできるだけ消してくれ! 美咲はバフを掛けるんじゃ。有と魔人は念の為に皆を守れ!」


「「「「「はい!」」」」」


「わ、分かったよ!」


「1割」


 そしてコートルは魔王の方に魔剣の奥義を振るう。

 今回は完全に受けを取られるが、威力が高いため、ダメージはそれなりに入る。


「そんなに使うとすぐMPが尽きるんじゃ無いのか?」


「わかっとるんじゃ!」


「まあいいか、じゃあ始めるとしよう!」


 ドカッ!


 魔王の周りに更に風が吹き荒れる。残機のスキルにセットでついてきたスキル、【足掻き】と言うスキルを使ったからだ。このスキルは三十秒でHPを使い切るが、身体能力、魔法攻撃が3倍ずつになると言うスキルだ。

 そしてその三十秒が終えると、即時全回復する。

 このスキルの一番いい対処法は三十秒よりも早く魔王のHPを一にすること。それをすれば残り時間、回復をしたり戦闘準備をしたりできる。魔王はHP一のまま動かないがダメージ無効状態になるだ。

 コートルはその状態にしたいのだが、その状態にするための難易度は桁違いに難しい。


「さあ、中盤はここからだぞ?」


 その言葉を聞き、コートルはまた、笑いが漏れそうになった。


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