負ける少女と断る少女と慰める少女
「どうしよう咲ちゃん!」
帰ってきて少しすると、ヤーナは咲に電話をする。
正直何も考えていない。咲に言われたから、急いで行き、言ったが、元は覚悟すらできていなかったのだ。どうすればいいかわからない。
「まあまあ、慌てないで考えよ!」
その後、二時間ほど話し合うと、ヤーナは咲との通話を終わる。
「ふぅ、明日、ちゃんと出来るかな」
♢♢
「どうすればいいんだ!」
土曜日、日向は悩んでいた。
何着ればいいかわからない!
日向はファッションに疎い、大体いっつもラフな格好だったので、よく分からないのだ。
それにかっこよくするか可愛くするかもまだ決まってない。
「え? いっそ可愛くするか? いや、流石にだよな……」
これは聞いてみるか
日向は考えていても決まらないと思い、マナに聞いてみる事にする。
「服、決めてくれない?」
そう聞いてみる。日向は喜んで決めてくれると思っていたが、そうではなかった。
「自分で決めなさい、デートなんでしょ? 自分が好きな格好でも、意識していつも着ない格好するのも、私は自分で決めて欲しいわ」
「ええ……」
どうしよう…………まあ、かっこよくでいいかな。
もう悩むのはやめよう、自分のしたい格好でいいじゃないか、似合ってないならマナに似合ってるか聞けばいい、それくらいは言ってくれるはずだ。
「よし!」
そして、俺は白いTシャツに長ズボンを履き、上からパーカーを羽織って、家を出る。
ヤーナとの待ち合わせの場所へと向かう。
日向が待ち合わせの場所について、少しすると、ヤーナが来る。
「日向ちゃん、かっこいい感じだね!」
「うん、ありがと、で、今日はなんのために読んだんだ?」
急な事だったので大事な事なのは分かるが、日向は何をするかも聞いていない。
「取り敢えず、ちょっと歩こうよ」
♢♢
「ここって……」
日向が来たのは今日、有に告白するつもりだった場所、縁結び公園である。
画像で見たとうり、所々にハートがあり、この公園の中央で告白すると、成功するなんて言われている。
「一回、来てみたかったの、なんかね」
「そうか……」
もしかしたら、俺は告白されるのか?
雰囲気的に日向は分かる。ヤーナならこう言う場所に来たらはしゃぎそうだ。
日向は少しヤーナに違和感を覚えていた、いつもとは違い、距離は近いが、ベタベタと触ってはこない。それにさっきからずっと緊張している気がする。
「あっちにね、告白すると成功するって言う場所があるんだけど……うちはここでいいや」
「な、なに?」
ヤーナは途端に真剣な顔つきになる。
いつもとは違い、少し大人っぽさも感じるくらいだ。
「最初から……最初から! うちは、日向ちゃんのことが、好きでした! 出来れば付き合ってください!」
「……」
どう、返えそう。いや、きっちりと、返さないとな!
日向はもう決めている。ヤーナのことは恋愛的には好きでは無い、有のことが好きだ。
「ごめん、知ってたかもだけど、俺は、有が好きなんだ」
初めてはっきりと、日向は宣言する。
もう、否定しない。紛れもない事実だ。親友でも、男同士だと思っていても。この世界で日向は、有のことが好きなのだ。
「そう……だよね、知ってたよ、言っときたかったんだ……」
「そっか……」
なにか、慰めた方がいいのだろうか。けど、待ち合わせが、
このままでは有の待ち合わせに間に合わないかもしれない。ここまで結構遠いのだ。
だけど、目の前で落ち込んでいる少女をほっといていいものなのだろうか。
日向が悩んでいると、後ろから話しかけられる。
「日向君、行っておいで、ヤーナは私が慰めるから」
「咲、見てたのか?」
「まあね、ほら、行っておいで」
「ありがと!」
ここは咲に任せる事にして、日向は早足で去っていく。
♢♢
「ヤーナ、ドンマイだね」
日向が去っていくと、咲はフラれたヤーナの近くに行き、話しかける。
「仕方ないのかな?」
「そうだね、仕方ないよ、絶対に付き合えなかったと思う」
あの二人はマハナタに精神操作されている、その二人のどちらかと付き合うのは、無理な話だ。
あの二人を見た瞬間、付き合うのは誰だって諦めるだろう。
「そっか、ずるいね、昔からずっと一緒だったんだもんね。……うちも、頑張ったのに……っ!」
ヤーナは泣き始める。いくら覚悟はできていても、フラれるのは辛いようだ。
「そうだね」
そう、優しく撫でてあげる。これは自分が招いたことだ、ヤーナは後悔してないだろうが、最後まで付き合ってあげよう。
「カフェでも行く?」
「うん…………あとね、うちは諦めないよ。フラれても好きだもん!」
「そうだね! がんばれ!」
これはもしかしたらマハナタに操作されたものなのかもしれない。だけど、操作されていたとしても、今ヤーナは諦めたくないと思っているのだ。応援するべきだろう。
「じゃ、話にいこうか」




