好きな気持ち
「はぁ、早くこの世界が終わらないかなぁ…………」
日向は授業中、誰にも聞こえない声で呟く。
なぜこうなってるかと言うと、悩みが強くなったのだ。
ヤーナとヤクヒは悩みではあるのだが、悩みが強くはならない、それじゃなく、有の件でだ。
ここ最近、多分この前有が気を使って日向を遊びに誘った時、日向は有のことをもっと好きになってしまった。
もう、正直マハサの言うとうりに告白してしまおうか。そう思うほどには好いている。
日向はチラッと有を見る。
「はぁ……」
かっこいいな、やっぱり
授業中もついチラチラと見てしまうのだ。最初の方はイヤイヤと首を振っていたが、もうそれも辞めている。
「っ!」
その時、急に有がコチラを向いてくる。
日向はバッと首を前に向け手を顔に当てる。
本当に早く終わってくれ
日向は顔を赤くする。今終わればマハサの言う通り、この感情は消え去るのだろう。もし後一ヶ月もあれば日向はこの感情を耐えれるのだろうか? いや、無理な気がする。
「はぁ」
日向は再度ため息を漏らす。
その隣で、ヤーナがほっぺを膨らましているのを咲以外、気がづくことはなかった。
♢♢
「咲、俺はどうすればいいと思う?」
この世界で六週間とちょっと立った金曜日、日向は咲を廊下の端呼び、ついに悩みを打ち明けることにする。
正直もう、気持ちがぶれそうなのだ。
「有くんのこと?」
日向のこと質問だけで何を聞いてきたか分かった咲が、日向に言う。
「そう……」
照れくさそうに、日向はモジモジと下を向く。
「ははは、可愛いね」
「うるせぇ」
頭を撫でてくる咲を日向は腕を掴み離す。
こいつ!
やっぱり咲に聞くのは良くなかったかと思うが、咲が一番詳しそうなので、その考えはやめる。
すると咲は笑顔で喋り出す。
「あたしわね、いいと思うよ。日向君、最近いつも見てるでしょ?」
「はぁ、バレてたのか」
「まあね」
咲は気づいている、いや、もう、何人かは気づいているだろう。日向は授業中、ずっと見ているのだから。
「だからね、好きなら言っちゃえばいいの、それで砕けても悩むよりはいいんじゃない? 悩むのは嫌でしょ?」
「けど、親友……」
「親友でも、好きなら言ったらいいじゃん」
食い気味で咲が日向に言う。
「…………ふぅ」
今、決めるべきだ。悩むか、行くか。
【楽しむべきだ】
日向はマハサの言葉を思い出す。
そうだ、楽しめばいい、自分がしたいのはもう決まっている。
「咲、ありがと、覚悟は決まってないけど言うことにするよ」
「それなら良かったよ」
「じゃあな」
「バイバイ」
♢♢
「有、来週さ、遊ばない?」
「うん、良いよ、俺もそのつもりだったし」
「そっか」
良かった、取り敢えず言えた。
咲と話した後、日向はいつも通り有と帰る為、合流する。
内心ドキドキだが、来週遊ぶ予定を入れら事ができた。そこで日向は告白をするつもりだ。
「何話してたんだ?」
「ん? まあ、内緒で……」
「そうか……じゃあ帰るぞ」
「うん」
そして、日向と有はいつも通り、校門を出ようと歩き始める。
すると、
「はぁ、はぁ……日向ちゃん! ちょっと待って!」
「ヤーナ!?」
全力で走ってきたのだろう。ヤーナは息を切らして日向を呼ぶ。
「はぁ、はぁ、土曜日、空いてる?」
「ごめん土曜日は有と遊ぶ予定があって」
「っ!? ……そこをなんとか、一時間だけで良いからさ」
ヤーナは一瞬驚いた仕草を見せた後、日向の腕を掴んで頼みこむ。
「うーん……有、良い?」
日向は悩んで、有に聞く。
時間には余裕がある、一時間くらい問題はないはずだ。
「まあ、それくらいなら」
「じゃあヤーナ、土曜日、一時間だけだからな?」
「あ、ありがとう!! じゃーね!」
日向の言葉を聞くと、ヤーナは嬉しそうに走り帰っていく。
なんだったんだ? そんな行きたい用事って。
よく分からないが、取り敢えず日向と有は帰り出す。
♢♢
その夜、日向は計画を立て始める。
「どこで言おうかな、まああそこか」
噂で聞いたが、この街には恋愛が実ると言うスポットがあるようだ。
ハートがいくつもある所だとか。
マハナタが気合を入れてそうだ。マハナタは日向達のラブコメを観たいのだろうからこう言う所は必要以上にこだわるはずだ。
「まぁ、最後以外は、いつも通りでいいな」
日向は計画を終えると、白紙のノートを閉じてベットに寝転ぶ。
「ああああ!! いけるかなぁ!」
そして、緊張に悶え始めるのだった。




