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遊ぶ

「よし! じゃあ日向ちゃん! 行こ!」


 学校が終わると、嬉しそうにヤーナが日向の方に来る。

 昨日遊ぶと約束した為、今日、日向はヤーナと遊ぶことになった。

 メンバーは日向とヤーナ、あとはヤクヒ、美咲、咲である。


「ああ、行こうか」


 大丈夫かなぁ、まあけど、楽しまないとな


 結構心配であるが、昨日有もせっかくなら楽しめと言っていたので、もう振り切ることにする。

 ヤーナも張り切っていたし、残念な思いはさせたくない。


「じゃあ有、行ってくる」


「楽しんでこいよ」


「うん」


 そう言葉を交わすと、ヤーナ達と学校を出る。

 今日はショッピングモールに行く予定らしい。

 何をするかは未定である。


「いやー良かった! やっと日向ちゃんと遊べるよ!」


「そうだね! いつも日向は木楽と帰ってるし」


 ショッピングモールに向かう途中ヤーナとヤクヒが笑顔で近づいてくる。

 二人も日向と初めて遊べると、テンションが上がって居るらしい。


 なんかめっちゃ近いんだけど。


 テンションが上がっているからか、二人は肩がぶつかりそうなほど近い。

 日向はスッと後ろの美咲の後ろに隠れる。


「えー、なんで日向ちゃんそっち行くの!」


「近過ぎるんだよ! 近いのは良いけど近過ぎるから」


「むむむ」


「ごめんね」


 これでヤーナとヤクヒは理解してくれたらしくそれ以降必要に近づくことは無くなった。



♢♢



「じゃあ何話す?」


 ショッピングモールで服を買ったり色々かって、見たり買ったりするものも無くなってくると、日向達はカフェで何か話す事にした。


「ちょっと待ってくれない? 荷物が結構重いんだよ。休憩させて」


 日向は両肩に袋を下げて、右手にも袋を持って移動していた。

 原因はこの世界で、日向の親として過ごしているあの女性から可笑しいほどにお金をもらったからである。

 最初もらった時は日向も流石にこんなにいらないと言ったくらいである。

 そのせいでヤーナ達は躊躇なく日向のカゴに商品を入れまくっていた。

 だが、このお金はこの世界だけのお金のため、貰っても現実世界ではどうも出来ない。

 そのため使わないと勿体ない気もする。


「まあ日向君の荷物は流石に重そうだったよね」


 咲にも日向の荷物は重そうに見えたようだ。


 現実世界なら持てたのに。


 日向の力は元の世界よりも弱く、年相応よりも少し弱いくらいだ、レベルやスキルのあった元の世界なら力が有の次に強かったが、今は五人の中で美咲の次に弱い。


 そして数分ほどして、日向が回復すると、ヤーナは再び同じ質問をする。


「じゃあ何話す?」


「えーと、それならお互いのことをもっと知ろうよ、まだ初めましてから一週間くらいしか経ってないし」


「それだ!」


「私もそれで良いぞ」


「じゃあ日向ちゃんに質問するよ!」


「うん」


 咲の提案にヤーナとヤクヒは納得したようで、すぐに日向にヤーナが質問しようとする。


 日向は正直こうくることはなんとなく予想していた。

 なぜかと言うと、ヤーナはマハナタの世界のだれよりも、日向に近寄っているのだ。


「日向ちゃんは有君とどう言う感情を抱いてるの?」


「は!?」


 いきなりの攻めた質問に日向はビックリする。


「おー、いきなり攻めるね」


「それ私も気になってたんだ」


 なんだよその質問、てか普通に親友って何度も言ってるだろ。

 てことは信じてないのか? だが正直に言うわけにはいかないぞ。


 正直に言うと、この世界では日向は有のことが好きだ。これはもう日向も認めたく無いが認めている。

 だが、言うわけにはいかない。

 日向は有とは親友がいいと思っている。正確には無理やり思っているだけなのだが。

 そして有のことが好きなのを誰にも勘付かれたくないと思っている。


「い、いや、いっつも言ってるけど普通の親友だから」


 そう少し顔を赤くして日向は言う。


「うそ! 分かり易いよ日向ちゃん!」


 だが、日向の反応的にヤーナには直ぐにバレてしまう。


「本当に違うんだよ。本当に親友だと思ってるから」


 だが、依然として日向の顔は赤いままである。

 そんな顔で言われてもヤーナは信じることはできない。


「そんなこと言われても信じないからね」


「いや、本当に違うんだけど!」


 てかなんでそんなこと聞くんだよ。別に俺が有の事好きでもヤーナには関係ないだろ。

 あ、恋バナってことか。


 理由は多分わかったが、認める事はしない。


「じゃあ次は、咲ちゃんにしようかな、」


「ちょっと待って」


 そしてヤーナは日向の言葉を聞かずに、次の質問を始迷うとして先に止められる。


「質問の連続は禁止にしない? みんな平等に聞こうよ」


「そうだね! じゃあ次は誰にする?」


「じゃあ私が質問してもいい?」


 そうして、次は咲に決まり皆交代しながら、質問をしあっていく。

 三周くらいすると、いい時間になってきた為、解散し、それぞれ家に帰り出す。



♢♢



「はぁ」


 ヤーナは解散した後の帰り道、少し落ち込んで帰っていた。

 なぜかと言うと、日向が有のことが好きだと確信したからである。


「やっぱり難しいのかなぁ」


 一目惚れだろう。見た瞬間にヤーナは日向のことが好きになったのだ。

 ヤーナは男が恋愛対象だ。それなのに、日向を好きになった。

 そこからは日向に積極的に近づいていつも一緒にいるようになった。


 仲良くなるまでは順調だったのだ。だが、それは崩れる事になる。

 それは有が原因だ。

 日向にとって有は親に引けを取らないほど、大切な存在だ。日向はいつもチラチラと有を見ているし、有も日向の方をチラチラと見ている。

 最初から疑ったいたが、時期にほとんど確信に変わる。

 そして今日、日向に直接聞いた事によ

り、ヤーナは確信した。

 日向は有が好きなのだと。


 日向に聞いたが、有は日向と十二年も前から一緒に居たらしい。

 正直勝てる気がしない。


「まあ諦めるつもりはないけどね」


 精神操作されていてもまだ少し残っている欲深い魔人としての本能が、性癖実行の欲よりも日向と付き合いたい欲の方が上回ったのだろう。ヤーナは難しいと思っても諦めようとは思わない。

 絶対に日向と付き合いたいと思っている。


「頑張ろ」

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