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咲が増えたみたみたいなもん

 学校が始まって一週間が経った。

 一週間も経つと、クラスの皆んなも結構話せる友達も増え始めている。


 有なんかは一日目から顔がイケメンと女子から結構言われていて、日向と登校しているのもあり、男子から結構睨まれていた。

 それでも嫌われているわけではないため、正面からずるいずるいと何度も言われている。


 そのほかは日向以外別に大したことは無いだろう。

 白は話しやすくてクラスから人気だし、美咲も結構話したりしている。

 マハサとカラはクラス中でカップルと認識されていて、それはもうラブラブである。

 ハサナはかっこいいのが好きと言うこともあり、結構男子とも話している。

 流石に少し引かれている時もあるのだが。

 そして、咲は日向のことを気にかけてくれている。だが、前にもましてくっついている為、日向としては微妙な気持ちだった。


 そしてもう一つ日向は困っている事がある。


 よし、授業終わったら直ぐに有と話に行こう。

 早くしないとアイツらがくる!


 学校が始まって一週間、その一日目から日向はいつも、ある二人に絡まれていた。


 キーンコーンカーンコーン


「よし、終わりだな、じゃあ学級委員長、挨拶を頼む」


 そう、担任の先生が言うと、学級委員長が挨拶をして、授業が終わる。


「あ、ゆゔっ!?」


 日向は直ぐに有の所に行こうとすると、後ろから強くお腹を抱きしめられる。


「日向ちゃーん!!」


 そして、元気な声が響く。


「早すぎだろ」


 これは日向が立って三秒ほどの事だ。

 何故これだけ早く来れるかは隣の席がこの金髪の少女、ヤーナの席だからである。


「どこ行こうとしてたの! うちにも構ってよ!」


「いっつも構ってるだろうが! 少しぐらい我慢しろ」


 まじでここでやらないでくれ、みんな見てるから。


 周りはほとんどの人がこちらを見ており、日向は気づいていないが、この光景を、殆どがニヤニヤと見ているのである。


「ははは、日向はやっぱり可愛いな」


「やめてマジで」


 そしてもう一人の黒髪ロングの少女、ヤクヒが、日向の頭を前から撫でる。


 そう、日向が困っている理由はこの二人である。

 最初の日からグイグイグイグイと日向に近づいていき、すっかりいっつも一緒にいるようになった。

 何故こんなにグイグイ来る二人と一緒にいるかと言うと、日向のスキルの影響が大きいだろう。

 日向のスキルは日向をより可愛く見せ、相手の理性が少し緩むものだ。

 咲のように元からグイグイ行くようなタイプだと、さらにグイグイ来るようになる為、自然と日向の周りには咲のようなタイプが集まってくる。

 この二人を一言で言うと、咲が増えたようなものだ。


「ちょっと、二人ともくっつき過ぎだよ!」


「うお!?」


 そこに咲がやってきて、日向を引っ張りヤーナから離してくれる。

 いつもこうなると咲が割って入ってくれるのだが、咲がそれで終わるはずがない。

 引き離した日向を今度は咲が抱きつく。


「日向君は照れ屋さんだもんね!」


「じゃあ離れて、ホントに」


「えー」


 それは逆効果だと分かってくれ。

 今まで何回も見てきただろ。


 そんな時、チラチラとこちらを見ていた有が近づいてくる。


「咲、そろそろ辞めてやれよ、そこの二人も、日向が嫌がってるから」


 今まで学校生活で一度も助けに入っていなかったが、そろそろ可哀想になったのだろう、今日は有が助けに入ってくれた。


「む、いいじゃん木楽君はいっつも登校も下校も一緒なんだから!」


「そうだぞ! 君はいつも一緒に居るくせに」


 咲はもう離れているが、有の言葉にヤーナとヤクヒは反対する。

 有と日向は基本一緒に居る為クラスでは結構話題なのだ。


「そう言う事じゃなくて、嫌がってるだろ、別に一緒に居るのは良いんだよ」


「むむむ……分かったよ」


「…………仕方がないな」


 正論を言われ、ヤーナとヤクヒは渋々ではあるが、分かってくれたようだ。

 まあ一時間ほどで忘れそうではあるが……。


「有、ありがと」


「まあ、約束したしな」


 そう言うと、有は元いた男子達の中に入っていく。

 有が入っていくと、色々今のことで盛り上がり始めている。

 それを見た日向は少しモヤっとした。



♢♢



「有、帰ろうぜ」


「他の奴らも呼ぶか?」


「まあ、今日はいいだろ」


「オッケー」


 学校が終わると、日向は帰る準備をして、有を呼んで帰ろうとする。

 すると、


「日向ちゃーん! 今日遊ばない?」

 

 ヤーナが日向を引き止め、遊びに誘う。


「あーごめん、今日は無理だ」


「えー日向ちゃんいっつもそれじゃない?」


「え? そう?」


 日向は三日目くらいからヤーナからいつも誘われているのだが、全て断っている。

 理由はシンプルに周りが女子だけだと気まずいからだ。それにヤーナと言うこともあり、どうなるかは目に見えて分かる。


「そうだよ! いつになったら遊んでくれるの!」


「いや、うーん……」


 そう言われても気は進まない。

 微妙な反応をしていると、ヤーナの顔が少し悲しそうになる。


「日向、ずっと遊ばないのもだろ」


「……分かったよ、じゃあ明日でどうだ」


 そんな顔をされたら断れない、正直少し嫌な気持ちもあるが、仕方ない。


「やったー! ありがとね! じゃあバイバイ!」


 そしてヤーナはヤクヒの方に嬉しそうに走って行った。


 少しすると有と日向は学校を出て帰り始める。


「はぁ、やっぱり有みたいなのが良かったなぁ」


 週に一回くらい日向はそう思う時がある。

 いかにも主人公らしい容姿、スキルも王道で強い、羨ましいのも当然だろう。

 

「けど、それならリオンちゃんにも懐かれてないぞ多分」


「……けどモテたいなぁ」


 そりゃリオンの事は良かったと思っているのだが、羨ましくなるほど有の女子人気は凄まじいのだ。マハナタの世界のクラスメイトからも、木楽君かっこいいよねなんて言葉何回も聞いている。

 そしてそんな有と仲のいい日向は何回も付き合ってるの、なんて聞かれているのだ。


「いやいや、お前も結構人気だぞ」


「そう言う事じゃないことくらい分かるよな? 揶揄うんじゃねえ」


「ごめんごめん」


 日向は有から聞いたのだが、クラスの男子達は女子のことも話しているようで、日向は結構話されているようだ。

 有から聞かされた時は、そういう男子の話に混ざれないのがすこし悲しかった。

 男子とも話したいのだが、固まっている所に見てくれは女子である日向がいくと変に見られないよな? とか気まずくならないよな? とか色々考えてしまう。

 流石に元いた世界のクラスメイトにはなる事はないが。


「まあ、明日は楽しめよ。マハサも言ってただろ、せっかくなら楽しめって」


「ありがと、まあ咲と美咲も誘ってもいいか聞くか」


 咲はいつもだが、美咲も時々日向を助けようとしてくれる為、あの二人とはたまに話していた。


「そうだな、美咲なら信用できる」


「うん」


 それからも話しながら二人は家まで帰っていく。

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