クラスメイト
ガララララ
仲間が全員いることが分かり、集まって話していると、教室のドアが開く。
そしてゴツい男が入って教卓の前に立つ。
多分先生なのだろう。
「あー、私は担任のバナグだ。
よろしく。
えー、これから入学式が始まるから、出席番号順に並ぼうか」
そして、続々と並び始め、体育館に向かい始める。
♢♢
入学式が終わり、来る途中に咲が見つけたという公園でみんな集って話す事にする。
「はあ、ちょっと疲れた」
なぜ日向が疲れているかというと、自己紹介が終わり、自由時間になった途端に皆んなが話し始め、日向は結構話しかけられていた。
特に女子から。
女子トークなんて日向にできるはずがないため、相槌しかできないのだ。
「てか色々ベタベタ触ってくるしさ! そう言えばスキル消えてるはずだよな? これ」
そして日向は必要以上にはだスベスベだね! や、髪サラサラー、などと何人にも触られていた。
今思えばキュートも発動してないのにあそこまで馴れ馴れしいもんか?
キュートがなければ初対面であそこまで触られる事はないと日向は思っている。
「それは何かしてるよねマハナタが」
「まじか」
日向はそう言われて納得する。マハナタのスキルなら人のスキルのオンオフ自由自在なのだ。
なので日向のキュートはこの世界に残しているのだろう。
という事はあのスキンシップは続くようで、その嫌な事実に日向は下を向く。
「まあけど、困ったら私達も頼ってよ! 私とかは正直何も困ってないし、出来ることならするからね」
「うん、けど俺は何も出す気はないからな」
咲の場合こういう時は裏があだたりする為、日向は念のため聞いてみる。
「いやいやそんなの求めないって」
日向の言葉に咲は笑っている。
しそうだから言ってるんだけど……、まあいいか。
「そう言えばあのクラスメイトはなんなんだ? マハナタが作った人って事?」
今日、日向達が話したクラスメイトはなんなのかが日向は知っておきたかった。
もしマハナタの作った人間ならば、少し複雑だ。
生きているようで生きていないのだから。
「あー、その心配はないよ、あれ、ツノが消えてるけど魔人だから」
「「「「「は!?」」」」」
「魔人!? 一緒に過ごしてて良いのか?」
当然日向達は驚く。魔人は殆どが人を殺しているのだ。
その場合日向達は人を殺している奴らと何日も同じこ所にいないといけない事になる。
「それも心配しないで良いかな、あの魔人達はマハナタの部下で、人を殺していないんだよ」
「どういう事だ? 全員人を優しい魔人の子供って事? いやそれだと違うか」
更に日向は混乱する。
魔人は殺す事で快楽を得る種族だ。
ルナハのような人間に近い優しい魔人もいるが、その場合魔人と群れる事はなく、そもそも魔王軍幹部のマハナタの部下にはならないだろう。
「そっかそっか、そうだよね。僕が説明しようじゃないか。魔人のことについて!」
「魔人のこと?」
日向達が混乱をしているのが分かったようで、マハサが説明を始める。
「そう! 魔人はね、殺すことで快楽を覚える種族だよね?」
マハサの言う通り、世間一般的に魔人はそう言う生物だ。
全員が頷いたのを確認すると、マハサは次を話し出す。
「じゃあなんでマハナタが何百年も人を殺してないと思う?」
「確かに」
コートルも言っていたがマハナタは人を殺したことがないと言う。なのに何故か魔王軍と群れ、幹部という位置にいる。
「マハナタが言うにはね、生まれて初めて外に出た時、小さくて可愛い冒険者をしている人間に会ったらしいんだよね。
その冒険者はまだ未熟だったらしくて、魔人を見た瞬間直ぐに逃げたんだって。
で、その泣きながら可愛い女の子が逃げる姿を見たマハナタは目覚めたんだよ。自分の性癖にね」
「それで魔人とはどんな関係があるんだ?」
有はマハサに聞く。今の話では魔人のことじゃなくてマハナタのことだ。
「要するに、マハナタの場合ははちょっと特殊だけど、生まれて生物を殺す前の魔人は、まだ強い欲がないんだ。だからマハナタは生物を殺す前の子供の魔人に自分の癖の良さを教えまくったの。そしたら、その魔人はマハナタと同じ性癖になって、殺しよりも自分の性癖の実行に快楽を覚えるようになるんだよね。
その教え込んだ魔人を集めて部下にしてるんだよ。
だけど、これは優しい魔人とは違う、欲が、殺しから性癖に変わっんだ」
「あーそう言うこと、だからあの魔人達は人を殺してないと言うことか」
日向は魔人が殺すのが好きな種族だと思っていたが、違ったようだ。魔人は欲が強い種族らしい。
「そう、もし殺しの快楽に目覚めそうな魔人が仲間に居たら魔物を殺させない。それでもあまり性癖がハマらない魔人は魔王に扱いを任せているらしいよ」
「じゃあまだ、良いのか?」
普通の魔人よりは良いのだろうが、マハナタの部下となれば全員が強い性癖を持っているだろう。
そう思うと納得はしずらい。
「けど全員がマハナタと同じ性癖の癖に今日はほとんど何もしてこなかったのはどう言う事ですか?」
「確かに」
白の言葉に日向も疑問に思う。
魔人なのだマハナタとまではいかないかもしれないが、普通の人に比べたら断然欲深いだろう、それなら何故キュートがある日向以外に、何もしてこないのかが分からない。
「そうだね、それはマハナタが弄ってるよ、普通の学生として見えるくらいにはね。
それに記憶はあるのに、この世界の住人だと思い込むようににされている。
そして、この世界が終わると、この世界の記憶も持って、元の世界に帰れるんだ」
「そういう事か」
なんとなく分かったな、まあ多分マハナタは普通の学園ラブコメを見せろと言う事なのだろう。
そしてその後も少しだけ話して、解散した。
帰は行きと同様有と帰る事になる。
「はぁ、やってけるかなぁ」
もうクラスメイトが魔人なのは良いだろう、人も殺してないし、この世界なら普通の学生なのだから。
元の世界だと、マハナタと同じような事をしているのだろうが、殆どが、トラップを仕掛けてあとは見守るかそれと同レベルくらいらしいのでいので、恥ずかしいがメチャクチャではないだろう。
なので何故日向がこう言っているかと言うと、シンプルに女子に囲まれる可能性が高いからである。
「まあ誰かは助けてくれるよ、俺たち今女性五人いるし」
流石に女子の中に入るのは少し気まずい為、有はそう言う。
「それだと良いんだがな」
咲も頼ってって言ってたし、その時みんな頷いてたから大丈夫か。
「まぁ、いざとなったら俺がいつでも助けるからな」
「え? あ、ありがと」
何こいつ、めっちゃかっこいいんだけど……。じゃなくて、なんでこんな気持ちになってんだよ。操作されてても親友なんだ!
急な有の発言に日向はドギマギしてしまう。
「どうした、急に黙って」
「うるせぇよ!」
ヤバい、意識するな俺、意識するなー。
日向は落ち着いて切り替えようとするが、無理な話だ。今の日向は有のことが好きになっているのだから。
まだまだ続く帰り道、今日向は赤くなっている顔を隠すために下を向いて歩いている。
その為なのか、有の耳が赤く染まっている事に、日向が気がつく事は無かった。




