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マハナタガ一番やりたかったこと

「ねえ、なんで私、魔法が黒いのか分かる?」


 マハサに言われた通り仲を深めるために、話しながら探索を進めているとハサナがキラキラと嬉しそうに聞いてくる。


「元からだろ」


 日向は即答する。何故なら普通MPの色は変えることが出来ないからだ。

 人には生まれ持ったMPの色がある。日向はピンク、有は黄色だ。

 そして、髪色にも反映される事もあるという。

 召喚者でいうと、日向、有、白の三人だ。

 そしてこの色は基本的に火や水と言った自然物の魔法にはその影響は無い。

 だが、それ以外のMPを出す魔法や光が出るような魔法にはその色がつくのだ。例えば日向の限界突破した時の形態、あれはMPを直接ぶつけたり出したりする魔法しかないため、全部ピンク色だ。

 コートルが言うには服装もなぜピンクがあるかと言うと、それは特別仕様らしい。

 そして、その色が出ない魔法もある、これも日向で言うと音速移動で、このスキルに色は出ない。

 そもそも、色は戦いに関係がないので、気にしている人は余りいないのだが、


「けど可笑しくない? ハサナの色はピンクだった筈だろ? それに黒は昔はダメな色だったらしいし」


「確かに」


 日向が英雄譚などで聞いたハサナの色はピンクの筈だ、だが、先ほど見たハサナはピンクもあったが、殆どが黒かった。

 そして黒色のMPは二百年前、突如教会が、黒は忌むべき存在では無いと言うまで、魔人の代表的な色として悪い印象だったのだ。

 ハサナの時代なら黒の場合、聖女にはなれなかった筈だ。

 

 そんな理由もあり、日向はさらによく分からなくなる。


「それはね、染めたの! 黒色に」


「「「「え?」」」」


 ハサナの言葉に四人とも意味がわからなくなる。色を染めれるなんて聞いたことがない。


「まあ急だと分からないよね、MP操作ってあるでしょ? あれがあれば可能なのよ」


「まじか」


 皆衝撃は受けたが納得はできた。MP操作とは文字通りMPを操作する魔法。色を変えるのもそのうちなのだろうと。


「でねでね! 何で悪い目で見られるのにこんな事をしたと思う!」


「何でですか?」


 ハサナはテンションを高くして、聞いて欲しそうにしている。

 日向もそれは少し気になるので聞いてみる事にする。

 ハサナの時代に黒色にしたい人なんてまずいない。なので、もしかしたら黒色にしてまで欲しい何かが起きるのかもしれないと期待を持って。


「それはね、かっこいいからよ! 黒ってかっこいいでしょ?」


「……」


 この人、やばいタイプの人だ。


 聞いた瞬間に日向はそう思う。

 

 MPが黒いのは、悪い印象が一般的にあった時代だ。

 そんな時に自ら黒に染めるなど嫌われに行っているようなものだった。


「それは、大丈夫だったんですか?」


 混乱している俺たちを代表して有がマハサに聞く。


「大丈夫な分けないわよねぇ! 今すぐ戻せって何回も言われたわ。全部断ったけど。

 それに私の偉業が書かれてる本は書くわけにはいかないしピンクに変わってるのよ」


「へえ、」


 やっぱりやばい人だわ、かっこいいって理由でそこまでするとは、


「あ、それとねそれとね! ……」


 と、この後も色々とハサナは語り、日向達は思う。この人は厨ニ病なんだなと。


 そして、話したりトラップを受けながら、探索をして二時間ほど経った時、日向たちは二階層に上がる階段を見つけた。そして十分ほど前に見つけた休憩スペースに帰る事にする。

 なぜもう探索をしないかと言うと、この迷宮にはお宝なんてなく、探してもトラップに引っかかるだけなため、大人しく休憩する方が良いのだ。

 そして、余った時間はマハサ、カラ、ハサナも交代で混ぜて、トランプをする事にする。

 そして八時間ほどトランプや体を動かしたりして遊んだり、剣を振ったりして暇つぶしをした。


 夜も遅くなり寝る準備をし始めると、日向は有達と寝るつもりだったが、ハサナがマハサとカラと一緒に寝たいと言だだ為、英雄三人で寝さしてあげようと言う事になり、日向も不満はあったが、折角久しぶりに会えて、一緒に寝たいと言っているのに、やめろと言うのは申し訳ないし、言える分けなく、日向は今日も咲と寝る事になった。

 最初こそ気まずかったが、昨日余り寝ていないのもあり思いの外すぐに寝付けた。


 次の日、日向が起きると咲の抱き枕にされていた。



♢♢



「じゃあ、行くぞ!」


 次の日、三人とも姿が戻ると、昨日見つけた階段まで行き、登る前に確認をして、有の合図で上がっていく。

 上がると大きめのドアが目の前に出てくる。


 ブウン


 二層に進んだからだろう。目の前に画面が出てきていつも通りマハナタが映る。


「一階層クリアおめでとう! これから二階層が始まるわね! ね!!」


「え? うん」


 何だろうこのテンション、絶対なんかあるだろ。

 日向はマハナタのテンションが異常に高い事に違和感を覚える。


「それじゃあ二階層を始めましょうか!」


 ギイイイイ


 大きな扉が、音を立てて開く。


 そこにあるのはスゴロクを思い出すような、何もないだだっ広い空間。

 だが広さが倍くらい違う。

 そしてその奥には横に大きな階段がある。


「どう言う事だ?」


 これは絶対に何かがある、誰だってこんなのを見たらすぐにわかる。

 明らかに構造がおかしかった。

 そもそもダンジョンにはあそこまで大きな階段は階層を上がるとき意外には無い筈だ。

 と言うことは普通に考えるならば、二階層はこの部屋だけと言う事になる。


「じゃあ自由に進んでちょうだいね!」


 マハナタがそう言うとプツンと画面が切れる。


「どうする?」


 どう考えても今までと違う何かがあるのだ、迂闊には進みたく無い。


「けど、いくしか無いよね」


「うん、あたしもそう思う」


「わ、私も!」


「そうだな。日向も嫌なのはわかるが、引き戻すわけには行かないだろ?」


 皆答えは同じで、直ぐに進むようだ。


 日向もそれは分かっているので、早急に覚悟を決める。


「分かった、じゃあ行くぞ!」


 掛け声と共に、日向達一向は大きな扉を通る。

 そして、直ぐに意識を失った。



♢♢



「ふふふふふふ! ついにこの時が来たわ! 今までも十分楽しんだけど、ここからがこの迷宮の本番よ!」


 迷宮のボス部屋の大きな椅子で、マハナタは高々に一人で喋り出す。

 三ヶ月前からやりたかった事だ、当然興奮するに決まっている。


「昨日最終確認も終えたし、大丈夫よね」


 実は昨日マハナタは一階層のメイン、サイコロが終わった為、日向達を見るよりも、これからやる事、自分の世界の確認を行なって居た。

 そして確認を終えると眠気が襲ってきて、寝てしまって居たのだ。

 起きたのは日向達が出発する前で、その時点でウキウキであった。


「よし! みんなも用意できたわよね?」


「「「「はい!!」」」」


 マハナタの座って居る椅子の前に座って居る総勢二百人の魔人達が、一斉に返事をする。


 この魔人達はマハナタの部下で全員が殺しより、癖の為に生きるよう、生まれて数日の魔人を人を殺す前に、部下にして、自分の癖の面白さを教えまくって、見事に成功した二百人の部下達だ。


 そして、マハナタがスキルを使おうとした時、不可解なことが起こる。


「あれ? 何で八人居るのかしら」


 日向達は五人でこの迷宮に来た筈だ、だが、今マハナタのスキルに引っかかって居るのは八人だった。

 マハナタが、日向達を送った自分の世界を見てみるとあることが分かる。


「て、マハサ!? それにカラやハサナも!?」


 そこには、三百年ほど前に死んだはずの勇者パーティーの三人が居た。


「どう言うこと? 何かのスキル? 多分日向ちゃん達の誰かのせいよね?」


 それしか考えられなかった。

 これは絶対にマハサ、カラ、ハサナの本人と分かって居る。

 なので何かしらの影響であの五人の中の誰かの中に居たのだろう。


「ふふふ、何はともあれ、また会えるなんてね。今からちょっと設定変えようかしら」


 今、日向達八人は寝て居る状態だ、マハナタももう早く行きたい為、直ぐに少し設定を弄る。


 そして、弄り終えると、マハナタは更に嬉しそうになった顔になり、魔人達の方を見る。


「じゃあ、行くわよ!! 私の世界に!!!!」


「「「「おーーーー!!!!!!」」」」


 そうして、ここに居る全員が、一斉に気を失った。

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