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マハナタの世界

「日向! もう起きなさいよ! 入学式でしょ! もう有君来てるわよ!」


 知らない女性の声が、部屋に響く。


「んんん……あ?」


 女性の声で、日向は眼を覚ます。

 そして、直ぐに異変に気づく。


「え? 何ここ」


 日本? 帰ってきたのか? けど、魔王倒してないし。てか俺の部屋はこんな部屋じゃない。


 異世界の部屋とは全く違う、どちらかといえば日本でありそうな部屋に日向はいる。

 だが、ここは地球での自分の部屋ではない、物や壁色からして全く違うのだ。

  日向が今の状況に混乱して居ると、横から大きい声が聞こえてくる。


「ふざけてないで早してちょうだい! もうご飯できてるんだから!」


「は? だれ?」


 更に混乱する。母親っぽく日向に行ってくるが、自分の母親はこのような姿ではない。


「日向、入学式だからテンションが上がるのは分かるけどふざけすぎよ」


 女性は強く睨んで日向を見る。


「ご、ごめんなさい」


 こっわ、めっちゃキレてるよ。でも仕方ないだろ、本当に意味わかんないし。


「はぁ、じゃあご飯できてるから早く降りて来なさいよ」


 ガチャ


 そして、知らない女性は最初より少し不機嫌になって部屋から出ていく。


「すーーはーー」


 日向は深呼吸をする。


 落ち着け、えっと第二層の部屋に入ったんだよな、そこから記憶がないと言うことは、そこで何かがあったんだ。

 まあ、多分この状況が二層のイベントってことだろうな。


 何となく予想がつく、おそらくマハナタのテンションの上がりようや二層の部屋の異様さを見るにこれが二層の一大イベントなのだろうと分かる。


「い、一旦降りるか」


 ここで時間を使うとまた怒られるだろうし、何より最後の顔が忘れられないほど怖い。


 ビビった日向は直ぐにベットから降りて、部屋を出る。


「えっと、多分二階だし、階段どこだ? あ、あった」


 部屋を出て階段の場所を探す為、右と左を見て、右にあると分かる。

 そして、急いで階段を降りる。


 次はリビングか。


 日向は次にリビングを探し始める。

 そして少し探すと直ぐにこの先がリビングであろうドアが出てくる。


ガチャ


 日向はドアに行き開ける。

 

「あ、やっと来たわね、もう有くん来てくれてるから、早く食べて着替えなさいよ」


「え? 良かった有いたんだ」


 日向はほっとする、もしこの世界に一人だったら心細かった。


「ああ、まあ取り敢えず行ききながら話したいから早くしてくれ」


「う、うん」


 ここで話してもあの女性に何話してんの? て言われても信じるか分からないし、気まずくなりそうなことが日向と有は分かっている為、日向は一旦ご飯を食べ始める。


 てか、多分入学式とか言ってたし学校に行くんだよな?

 有も制服着てるし。


 有は今黄色と白の柄の制服を着て居る。

 先ほどの入学式の発言でわかっては居たが、学校に行くのだろう。


「ご馳走様」


「はーい、じゃあ着替えて来なさい」

 そう言われると日向は自分の部屋なのだろう最初にいた部屋に行き、クローゼットを開けると、固まる。


「……そう言えばそうだよな」


 入っていたのは女子制服だ、まあ考えれば分かったのかも知れない。

 だが、日本にいる時は制服は男の物を着ていた為無意識に自分も有と同じのかと思っていた。


「俺これ着ていくの?」


 見た目は日向の知っている制服と形は変わらなず、色は有と同じで黄色と白、シャツは白で、リボンは黄色、スカートは白色に、下の方に黄色が横に入っていて、ブレザーも、黄色と白が入った見た目をしている。

 

 当然女子制服なので日向が着るとなると恥ずかしいのでこれで外には出たくない。

 だが、着ないといけないのは分かっているため、渋々着替え始める。


「はぁ、まさかお姉ちゃんにあう以外で自分から女物を着ることになるとは」


 取り敢えず日向は着替えて見て、似合って居るとは思うが、慣れてるとは言えやっぱり恥ずかしい。


「リボンどうするんだろう」


 日向はネクタイしかしたことがない為リボンの付け方が分からない。


 まああの人に聞くか。


 分からないので後であの女性にに聞いてみることにした。


 そして一階に降りて聞いてリボンの付け方を聞くと、この前言ったじゃない、と言いながらやってくれた。


 そして、日向と有は準備を終えて家を出る。


「はぁ、まじで何これ」


 家を出て直ぐに日向はため息をつく。

 今までのスゴロクやトラップの性癖要素強めのイベントとは全然違うのだ。よく分からなくもなる。


「俺もマハサいなかなってるしよく分からないよ」


「え、まじ?」


「うん、多分この世界に五人ともいるならマハサ達もいると思うよ。多分そのままここに体が飛ばされて来たんじゃなく、夢みたいな物なんたろうな、だからマハサも、俺の中にはいないんだ」


 要するに有、白、美咲の中にいるマハサ、カラ、ハサナにも魂はあるため、三人もイベントを受けたのだ。


「そう言うことか、なら学校に三人の誰かはいてくれた方がいいよな、まずこの状況を教えて貰わないと」


 あの三人はマハナタの迷宮を何度も経験しているため、多分分かるだろう。


「まあ一旦行ってみよう」


「ま、まあそうだな」


 日向は顔を有の方から前に向ける。


「「……」」


 その後少し沈黙が流れる。

 だが、日向の頭の中はメチャクチャ騒がしかった。


 何で、可笑しいだろ。


 日向は少し顔を赤くして混乱している。

 可笑しいのだ、有と話すと先ほどから少しドキドキする時がある。

 こんな気持ち有に感じたことなんて今までない。

 と言うことはマハナタが何かしたのだ、マハナタのスキルなら可能なのだ。


 もしかして、俺が有にそう思うようにしたのか?


 いや、それしかない。マハナタならやりそうだ。

 多分これがしたかったのだろう。


 日向は理解したマハナタは、日向が有に好意を寄せているようにしたことを。

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