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期待外れ

「本当に、有?」


 自分の知らない、とんでもない美少女が、有と言われても、とてもすぐには理解できない。


 だが、この迷宮は、日向達五人以外は入らないはずだし、マハナタの性格も考ると、有の可能性の方が高いと結論付ける。だが、一応聞きいてみる。


「うん、ペナルティでさ、こうなっちゃった」


 やばい、有が美少女すぎる。ちょっとドキドキしちゃう。


 間違いなく今まであった中で一番の美少女だ。


 落ち込んでるのも、なんかいい。……だめだめ、こいつは有こいつは有。


 日向は有だと言い聞かせて自分を落ち着かせる。


「そ、そうですね。じゃあ進みましょうか」


 やっばなんか敬語になっちゃった。緊張する必要はないのに。


 そして、急な敬語なので有も異変に気づく。


「あ? もしかしてお前、緊張してる?」


 してるよ! 有が美少女すぎて緊張するよ。


 日向はここまでの美少女と話したことがない、しかもクール系なので、見つめられるとちょっと怖い。


「じ、自分の顔を見てから言ってくれ」


 この顔を見れば男ならこうなるって。


「そうだよ、有は今とんでもなく美人なんだから」


 緑髪の少女、多分白である少女が有に言う。


 そうだ、街に出ればみんなに見られるほど顔がいいんだよ。……これは男時でも一緒か。


 元々顔が良かったので、性転換しても顔が良いのだろう。


「誰か顔見れるようなもの持ってない?」


 有は後ろにいる白達に言う。


「あ! あたしのスキルで撮ってるやつ見せてあげるよ」


 男になっている咲が、元気よく言う。


 流石咲、撮ってって言うまでもない。


「え、まあ良いか、見せてくれ」


 文句を言いたい気持ちもあるが有は一旦スルーすることにする。


「っ! これは日向の気持ちが分かったわ」


 有は自分で自分の顔に少し顔を赤くして言う。


 そうだ、こんな美少女に話しかけられたら、敬語になる。うん。


「日向も回復しただろ、一旦何が起こったか説明しながら元いたところまで行こう」


 そうして日向も混ざり有があった場所まで戻り出す。



 ♢♢



「もしかしたら」


 日向は道中説明してもらい、何が起こったかを理解し、思うことがあった。


 有達が性転換したってことは俺もそれを受けさせて貰えば男になれるんじゃないだろうか。


 変われても少しだけだろうが、少しでも男を思い出したい。


「俺も性転換してくれないか頼んでみようかな」


 有達性転換したんだ、別に俺も性転換しても良いだろう。


「日向なあ、この迷宮のクリアが目標なんだぞ、敵にできないか頼んだらもしかしたらさっきみたいにペナルティがあるかもしれないぞ」


 そっか、それなら仕方がない、諦めるか。さっきみたいなのはもう勘弁だ。


 そう日向が諦めた時、


「叶えてあげるわ! 面白そうだし」


 マハナタの声が迷宮内に響く。


「え? まじ! いや、まあいいや」


 これで変な事になってしまったらダメだ、また皆んなに迷惑をかけてしまう。


 そう思い、日向は我慢する。


 だが、


「無理よ、もう思いついちゃったもの」


 マハナタの思いついた事だ、当然なかなか変える事はできない。すぐに日向の周りが光出す。


「っ!?」


 どうなるんだろう、どうせ変わるならかっこいい方がいいな。


 出来なくてもしょうがないと思っていたが、性転換出来るとなれば日向も期待をする。


 そして、光が落ち着く、


「ど、どうなってる!」


 この感覚は、戻ってる!


 高校生っぽい制服に変わった日向は、久しぶりの股間の感覚に、男に戻っていると確信し、期待に満ちた声で日向は有に聞く。


 日向は期待で声や視点が変わっていない事は全く気ずいていない。


「………………うん」


 優はなんて言っていいか分からず、何故か頷く。


「ほら、身長だってたか……く……あれ? なんか視点が前と同じなんだけど……て言うか……声も……」


 変わってない事はない、股間には付いている。その感覚は確実にある。


 嫌な予感がする。


「さ、咲、ちょっと写真撮って見せてくんない?」


 まさかまさかまさか、流石に有り得ない。


 日向はその可能性に目を瞑る。

 自分の身体を少し見れば、ほとんど変わっていないことも分かるのに。


「うん」


 咲が画面を出し、今撮った写真を見せてくれる。


「ああ……」


 見た瞬間、もう目を瞑る訳にはいかない。認めざるをえない。


 嘘だ、これじゃ何も、見た目が何も変わっていないじゃないか。


 日向の身体は性別以外、見てくれはほとんど何にも変わっていなかった。


「おい! 嘘だよな、せめて、男なんだからさ、身長くらい変わってもいいんじゃないか? なあ! 少しとは言ったけど!」


 おかしいおかしいおかしいおかしい、こんな事はあってはならないだろ。咲とかだいぶ変わってるじゃん。


 咲は肩幅や声もだいぶ変わっていて、がっしりとした身体になっている。


「マハナタが何か設定したんだよな?」


 こんなに綺麗に、元の姿と変わらなければ、まずそれを疑う。


 だが、


「いやー、このスキルは完全にその人次第だから自分から操作とかは出来ないのよ」


 マハナタの使った性転換のスキルは、その人の女になったらをするスキル。なので、自分でいじる事は、このスキルでは出来ない。


「もういいよ! どうせいっつも期待通りにはいかないんだよ!」


 まあ一応男にはなれてるし、それでいいよ、もう。


「まあ行こうぜ、切り替え切り替え!」


 有が手を一回叩いて、奥に歩き出す。


 そうだ、俺はこの迷宮を攻略しに来たんだ。男になるために来た訳じゃない。そうだ、この気持ちは忘れよう。


 そう思い、日向も切り替えようとする。


 だが、


「なんで俺なんだよ、俺だって身長くらいさ、良いじゃ別に、百五十後半くらい伸びても良いじゃん、欲張らないからさ、なんで伸びてないんだよ、俺本当に一五歳だよな?」


 そうブツブツブツブツ日向は先ほど有達が来た部屋が見えるまで小さく文句を言っていた。


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