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久しぶり

「ううう……」


 どうしよう。


 日向は悩んでいた。


「お姉ちゃんとどう会おう」


 日向はリオンに気まずくて会おうと思っても勇気が出ない。


 日向は特訓に行く時、リオンに言うのを忘れていたのだ。


 絶対怒ってるよ、お姉ちゃん。


 それに、もしかしたら一ヶ月の間にもう冷めてるかも。いや、それは無い……はず。


 そう思うとなかなか踏み出せなかった。


「ああああああ」


 無理だ、怖い!


 さっきからずっと悩んでいる。


 すると、


 ガチャ


 急に部屋のドアが開く。


「日向ちゃん! 久しぶりです!」


 嬉しそうにリオンが出てきて日向に抱き付く。


「え!? お姉ちゃん!」


 突然のことに日向は驚く。


 取り敢えず冷められる心配は無くなったがやはり何も言わなかったので気まずい。


「ほら、ルイちゃんも待ってますよ! 行きましょう! 着替えは向こうでいいですから」


 リオンが、興奮して日向の手を引っ張る。


「う、うん」


 あやまらないと。


「あの、お姉ちゃん!」


 日向はリオンを止める。


「何? 日向ちゃん」


 不思議そうにリオンが聞いてくる。


 日向は一度心を落ち着かせる。


「ごめん、お姉ちゃん……何も言わずに行っちゃって」


 申し訳なさそうに日向が言う。


「本当ですよ! けど、大丈夫です。少し寂しかったですけど許します!」


 リオンは少し怒り、日向の頭を撫で、許す。


 良かった。


 日向は安心する。


 だが、


「だけど少しお仕置きです! 日向ちゃん!」


 リオンはほっぺを膨らませて、睨んでくる。


「うう……」


 自分が全部悪いので日向は何も言わない。


 しょうがないよね。


 日向は受け入れることにした。



♢♢



「あはははは! お姉ちゃん! もうやめて、あはは!」


 子供が考えるお仕置きなんてこんな物だ。


 日向はルイに腕を、掴まれ、手を上に上げられ、リオンに脇をくすぐられている。


 普通にきつい! まだ終わんないの?


 単純だが、やられる側は結構きつい。


「もうちょっと我慢してください、ほぼ一ヶ月居なかったんです」


 そう言われると、やはり日向は何も言えない、出ない。


「ご、ごめん、お姉ちゃん! る、ルイくんも、話して? あははははは!」


 ルイくんが普通に力が強く、強制的に離すと周りを壊す可能性があり出来ない。


「ごめん、けど僕も、寂しかった」


 ルイかも、少しムカついているようで、話してくれない。


「そうです! ルイちゃん寂しくてしょんぼりしてたんですよ!」


 ルイは日向が急に居なくなってなかなか帰って来ず、落ち込んでいた。


「うう、あはは! ご、ごめんなひゃい! る、ルイくん、ほ、本当に、ご、ごめん!」


 そう日向が何度も謝ると、ルイくんは掴んでいる手を離し、それを見たリオンもくすぐるのをやめてくれる。


「はあ、はあ……終わった?」


 もうこんな事しない、これキツイ。


 日向は疲れて床に倒れ、動かない。


「日向ちゃん! 反省しましたか!」


 リオンがいつもより強めに言う。


「は、ひゃい! もうやんない! すいませんでした」


 疲れて呂律が回らない日向が床に倒れながら情けなく言う。


「分かったならいいです! ほら、日向ちゃん! 久しぶりに遊びましょう!」


 やっと満足したリオンが遊びに誘ってくる。


「何で遊ぶの?」


 日向が気になり聞く。


「トランプでババ抜きしましょう!」


 ババ抜き、お姉ちゃんとはやった事ないな。


「うん、じゃあそうしようか」


 そうして三人ばば抜きを始める。


 だが、一試合目で分かってしまう、リオンが強すぎることに、そしてルイが弱すぎることに。


 数試合すると、


「お姉ちゃん、強すぎて面白くない!」


「うん!」


 日向とルイはリオンに負け続けて飽きてしまう。


 ルイに限っては、顔に出過ぎて、ずっと最下位だ。


 なのでさっきから順位が一向に変わらない。


「お姉ちゃんゲームつよすぎ!」


 日向は、リオンにゲームで勝てたことがほとんどない。

 いつも圧倒的に負け、運も必要なゲームだと運が良くて時々勝てるくらいだ。


「それを言っても、もうそんなに遊ぶものもないですし」


 リオンは少し悩む、自分が勝ち続けるのも楽しいが、少しすると流石に飽きてしまう。だが、あるゲームは大体遊んでいるし、何をしようと悩む。


 そして、やりたかった事を思い出す。


「そうでした! ちょっとついてきてください!」


 元気よくリオンが立ち上がり、日向たちに向かって言う。


「どうしたの? お姉ちゃん」


 急にリオンが言ってきて、日向は困惑する。


 そして、リオンに連れられ、日向とルイは、歩いていく。



♢♢



「こ、ここは!」


 日向は混乱する。リオンが連れてきたのは、日向と部屋であった。


「日向ちゃんの部屋です!」


 お姉ちゃん、緊張してる?


 リオンは、少し緊張している仕草を見せている。


「日向の部屋!」


 ルイは日向の部屋を知れて嬉しそうだ。


「じゃ、じゃあ行きます!」


 そして、リオンはドアを開ける。


「あ、あれ? リオンちゃん、なんでここに?」


 中には有と白がいて、有が急に来たリオン達に驚いている。


「久しぶりだね」


 白もリオンとは何度か離したことがあり、久しぶりに会え、少し嬉しそうだ。


「え、えと……どなたですか?」


 有と白は姿が変わっているので、リオンは気づかない。


「お姉ちゃん、有と白はスキルで姿が変わってるんだよ」


 混乱しているリオンに、日向が軽く説明をする。


「そ、そうなんですか!? …………な、ならちょうど良かったかも知れません」


 リオンは驚くが、少し緊張が緩む。


「ふうううう」


 そして、リオンは大きく深呼吸をし、


「有さん! 白さん! 私と、友達になってください!」


 緊張が緩んだとはいえ、勇気を出して、リオンが大きい声で言う。


「「いいよ」」


 二人はリオンのお願いを即答で容認するする。


「え?」


 言った本人のリオンがあっさりすぎて逆に驚く。


「お姉ちゃん友達になりたかったんだ。良かったじゃん!」


 リオンのやりたいことが分かり、それを達成したので日向が嬉しくなり、リオンに言う。


「はい! はい! やりました! やりました! 初めて男の人と友達になれました!」


 リオンは少し経ってから時間差で喜びを爆発させる。


 リオンは友達があまりいなく、女友達は咲たちと友達になったためできたのだが、男友達は作ったことがない。


「ごめんね、今こんな姿で」


 有は今は、マハサの姿なので、元の姿ではないので、少し申し訳ない。


「そんな事ないです! そのおかげで、少し言いやすくなりました」


リオンは年が有ほど近い男と話たことが家族以外ほとんど無いので(日向やルイは合わせていない)喋るだけでも少し緊張する。


 最初に有と離した時も心はドキドキだったのだ。


「それなら良かった」


 有は安心する。


「友達記念です! 五人で遊びましょう!」


 テンションの高くなったリオンはそう言い、ゲームを持ってくるために自分の部屋に向かう。


 まじか……


「恥ずいよ」


 有や白に妹モードを見せるのはやはり恥ずかしい。


「まあいいか、お姉ちゃんも嬉しそうだし」


 リオンも嬉しそうにしているし、今日はそれを喜ぶことにした。


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