伝説の魔技
「わー! あはは! 美味しい!」
マハサが先ほどからご飯をバクバク食べ、笑っている。
「すごい食べっぷりだな」
マハサはご飯を三杯を十分ほどで食べ切り、まだ余裕そうだ。
「あはは、久しぶりだからね! それにしてもコルちゃん料理出来たっけ?」
マハサの記憶では、コートルは料理ができなかったはずだが。
「まあ色々頑張ったんじゃ」
少し恥ずかしそうにコートルは言う。
コートルは、もしも後継者を鍛える場合のことを考えて、料理もできるようになったのだ。
「コルちゃんも偉いねえ、ふふふ」
ずっと明るい人だな。
マハサの変わらないテンションの高さに、日向はそう思う。
「それにしても、あのドラゴンを倒したなんてすごいね、まだこの世界に来て四ヶ月なんでしょ?」
不意にマハサが日向達を褒める。
「そうですかね」
日向は少し照れる。
「あ、そうじゃそうじゃ、まだお前らのレベルがどれだけ上がっているか見てなかったわ」
コートルはドラゴンと聞き思いつく。
そういえば俺も見てなかったな。俺も見てなかったことを思い出し、ステータスを開こうとすると。
「ぶっふぉっ!!!!」
コートルが飲んでいた水を噴き出す。
「うわ!? なに?」
日向が驚くと、コートルは信じられないものを見たと言う表情で、白を指差す。
「お、おい、白……お前の……お前の魔法の奥義に……れ、レベルが出現してる」
驚きすぎてコートルは呂律が回っていない。
「え? それってどう言う……」
白がどう言うことか聞こうとすると、
「あは! もう会えるんだね! カラに!」
マハサが立ち上がり、嬉しそうに飛び跳ねる。
「どう言うことですか!? おしえてください!」
勝手に盛り上がっている、マハサを見て、白は戸惑いながら聞く。
「ああ、ごめんごめん……そのスキルはね、僕の親友、カラのものだよ」
カラって……え? まじ?
その人物に日向は驚く。
カラとは勇者パーティーの魔法使いで、神から授かるもの以外で全ての魔法スキル持ち、圧倒的なMPの量で、魔人の軍勢ですら一人でやっつけたと言う逸話がある。
こう言う逸話は、勇者パーティー一人一人にある。それほど皆が圧倒的に強かったのだ。
「本当ですか」
白は少し嬉しそうに聞く。
「うん、多分僕と有くんみたいに入れ替われると思うよ、身体も変わるだろうけど」
マハサは嬉しそうに言う。
「そうですか……て、は!?」
白は驚く。白の記憶によればカラは女性なのだ。
「え! カラさんって可愛いんですか?」
それを聞き、カラが女性だと分かっている咲が、反応する。
「小さくて可愛いんだよ! 本当に」
マハサは思い出してそう言う。
「あれは、もう終わったわ」
「そうだな」
俺と有は、白がもう咲の手から逃れられないことを悟った。
♢♢
「ねえ、有くん一緒に入ろ、ね!」
咲が興奮している。
「昨日、日向と入るで落ち着いただろ!」
有はそう抵抗するが。
日向が次の日咲と一緒に入るで終わったはずなのに、咲は今日も有を連れて入ろうとする。
「そうなんだけどさ、気分変わっちゃった!」
そう笑顔で咲がいう。
ていうかなんで元に戻らないんだよ!
有はもうマハサの姿になって、1日以上経っている。なのに戻っていない。
あはは! ごめんね、ちょっと張り切りすぎて三分間にしちゃったんだ。
マハサはそう謝る。
三分間と言うことは三日間戻らないと言うことだ。
まじかよ、あの一撃だけなら、一分でも良かっただろ。
頭の中でマハサに愚痴を言う。
「お願い、辞めて」
咲に必死にお願いするが、聞いてくれるわけがない。
「咲、俺だけで勘弁してやってくれ」
日向も昨日と同じように、有を助けてあげようとするが、
「いや、ごめんね!」
そして、咲は日向の腕も掴むと、昨日と違い、今日は無理やり風呂場に連れ込んだ。
「ひ、日向! 助けて」
有が日向に助けを求める。
「うん」
有に標的がいかないように立ち回ろう。
そう日向は決めるが、咲が服を脱いだ瞬間に、頭がまわらなくなった。
二十分ほどすると、日向、有、咲は風呂を上がる。
「日向、有? 何ぼーっとてるんだ?」
日向はもう少しは慣れたが、有はそうじゃない、一回咲に抱きつかれたら、もう喋らなくなってしまった。
「聞かないで」
有は小さく言う
「有、今日はもう寝て精神回復するんだ」
日向は気を遣って言う。
「うん」
力なく言い、有は日向と有が使っている寝室に行く。
「有の精神年齢が下がってる」
白は有のこんな姿見たことが無い。それだけ咲がやばいのだ。
「まあ白も、頑張ろうな」
まじかよ
白は、これから起こるであろう事を、考えるが。すぐにやめた。
「うん、明日の特訓なんだろうな」
♢♢
「少し待っておれ」
そうコートルが言うと、どこかへ行ってしまう。
そして、一時間ほどすると帰ってきて、手には魔人を抱えていた。
「魔人!?」
コートルが魔人を抱えて来て白は驚く。
「もう魔法の奥義はこの前のドラゴン戦で19レベルになってるし、この魔人を倒せば、進化するはずじゃ」
白の魔法の奥義は、ドラゴンを倒した時に出現したが、ドラゴン戦での経験値も入っているようだ。
「この魔人は弱いから多分余裕で勝てる。では、行くぞ!」
そしてコートルは魔人を放つ。
そしてコートルがその場から離れると、魔人は、白の方に向かってくる。
「うう、ああああ!!」
魔人が奇声を上げて攻撃をしようとする。
白は反射的に炎を前に出す。
すると、
「ぐおああああ!!」
魔人は炎に当たり、転がる。
「弱い」
魔人は白の想像以上に弱く、思わず口に出る。
弱いなら話は早い、少し大きい攻撃で、一発で仕留めるだけ。
「1割」
そう言って魔法の奥義を出し、白は魔人を倒す。
そして、魔法の奥義が、進化する。
「伝説の魔技?」
新しくなったスキルを見て、説明を読もうとすると、
き、聞こえますか?
白の頭の中に、可愛らしい声が響く。
「うわ!?」
急に聞こえたので、白は驚く。
「うむ、無事に進化したようじゃな!」
反応的に進化したとわかり、コートルが嬉しそうに言う。
び、びっくりさせないで下さい!
頭の中の声が、白に訴える。
えっと、もしかしてカラさん?
白が話しかけると、
そ、そうです。
頭の中の声がそう答える。
そして、
あ、あの、申し訳ないんですけど、変わってもらってもいいですか? あとついでに変身も使っていいですか?
やはりすぐにマハサ達と話したいのだろう。そうお願いしてくる。
いや、けどそれだと……
白は性別が変わってしまうことを恐れて迷う、すると、
久しぶりだから、自分の姿で会いたいんです。
そう弱々しく言う。
はぁ、しょうがないですね。
そして、白はカラのお願いをしぶしぶ許可をする。
そして、白の体が緑髪になり、地面につきそうなほどの長髪になる。これはカラの身体だ
「か、カラ?」
コートルが、目をうるうるさせる。
「カラー!! 久しぶり!」
そしていつのまにか有から変わったマハサがカラに抱きつく。
「私もマハサも少し小さいですけどやっと会えましたね」
少し照れて、カラが言う。
カラの身体も、元より二十センチほど縮んでいるので、130センチくらいだ。
「コルちゃんも長い間ありがとうございます」
カラはコートルの方を向くと、お礼をする。
「全く、何年待ったと思ってるんじゃ」
コートルは勇者パーティー一人一人が持っていたスキルの後継者を何百年も待っていた。まさか本人もついてくるとは思わなかったが。
「よし、今日はもう終わろう、うん」
そして、コートルはそう言い。誰も反対するものものもいないので帰る事にする。
「帰ったら昼ごはんにしよう! コルちゃんのご飯美味しんだよ」
マハサはカラに言う。
「え? あのコルちゃんが!?」
予想外のことにカラが驚く。
「ふんふふーん」
そして、今できたコートルの家に帰ってからの楽しみに鼻歌を口ずさむ。




