コートルの特訓⑥
「ふぅ……よし!」
変身し終えた日向は、気合を入れる。
すると、
パシャリ
そうあたりに響く。
「やっぱり可愛い!」
咲が日向の魔法少女姿に興奮して写真を取り出したのだ。
これ前もやったよねえ! 咲のせいで雰囲気が無くなるんだよ。
「ほう、それが日向の限界突破か」
嬉しそうにコートルはこちらをジロジロと見る。
「あ、考えてることとか読んでないよな?」
日向はそう心配する。
日向の実力だと読まれていては、当たるものも当たらない。
「手加減すると言ったじゃろう?」
日向が言う前からコートルは戦いの時
に、考えを読むのをやめていたらしい。
日向の心配にコートルが答えると、コートルが剣を構え、
「じゃあ再会じゃな」
そう言い放ちコートルは日向に向かい剣を構え地面を蹴る。
「やべ!」
すぐさま受けようとするがあることに気づく。
これ、剣じゃない。
日向は反射的に魔剣を使ったが、自分が今持っているのが剣ではなく可愛らしいステッキだと気づく。
これ、当たる!
「っ! あれ?」
日向は身構えるが、痛みはなく、何故か剣同士が当たったような衝撃が走る。
「何これ!?」
日向がステッキを見るとそこには、ピンク色に光った剣のようなものがステッキの少し先から出ている。
「それは限界突破した時のみ使えるスキル、マジックソード、これはMPをそのまま剣に纏わせる技じゃ」
そう、コートルが説明する。
この時、日向は剣に夢中になっていた。
こ、これは! かっこいいのでわ!
この世界に来て可愛いとばかり言われてきた日向には光っている剣はすごく魅力的に見えた。
結局服が可愛し、ステッキから生えているので、全体的に見たら可愛いのは変わらないのだが。
「日向くんがかっこいいものに目をキラキラさせてる! かわいい!」
日向の仕草に咲はさらに写真を撮り始める。
あー! だからそう言うのが興奮が覚めるからやめてほしいんだよ。あとなんで見ただけで分かるんだよ。絶対文句言ってやる。
興奮が覚めてしまった日向は、改めてコートルの方に向く。
「おらぁ!!」
先ほどよりも格段に早く近づき、段違いに力強い攻撃を放つ。だが、
「少し力が増したぐらいじゃわしには勝てんぞ!」
先ほどよりも強い攻撃が打てた感覚はある。だがコートルは日向の攻撃を難なく押し返す。
「くっ!」
だが、俺は押し負けただけでは諦めはしない、すぐに立て直し次の攻撃に繋げる、なんど止められたとしても、だが、不意をつこうとしても、予想外な攻撃をしようとしても、防がれてしまう。
俺が次の作戦を考えていると、
「使えるスキルが増えているだろう、それを使ってみろ」
コートルの話を聞き、俺はステータスを見てみると、結構使えるスキルが増えている。
増えたスキルは、マジックソード、マジカルブレイク、魔砲少女……魔砲少女ってなんだよ! 怖い。……まあ後で聞いてみるか。
とりあえず使ってみよう
そして、日向はマジカルブレイク、そのスキルを使う。
スキルを使うと、日向の前に魔法陣が出てくる。そしてサッカーボールほどのピンク色の丸い球が出てきて、勢いよく発射される。
「懐かしいもんじゃ」
コートルがその球を避けると半径2メートルほどがピンク色の丸い爆発を起こす。
「これは?」
日向は、スキル説明を見てみる。
――――
MPを固めて飛ばし、爆発させる技
MP消費が多い
50メートルの範囲で見えているならどこからでもこの魔法は出せる。
連射能力に長けている
同時発射回数3/7
――――
ほう、MP消費が多いとは書いてあるが、連射と同時発射が可能なのは結構強いな。
同時発射回数は限界が七つで今は三つしか出せないってことだよな。
これなら、一発くらい当てれるかも。
「じゃあ、改めて行きますよっ!」
そう言い、日向はマジカルブレイクを一気に三つ展開し。同時にコートルとの距離を詰める。
だが、剣は弾かれ、弾は避けられる。
それならまた出せばいい!
今度はまばらに展開し、コートルが避けたところに、日向が剣で攻撃をする。
「いい作戦だ。おっと!」
日向と剣は受けられ、力で負けそうになる、だが日向は新しくコートルの後ろに一つ展開する。それをコートルが避けるために、日向から少し離れる。
更に日向はもう一つ、展開する。そして、また一つ、一つと出していく。
日向はあることに気がつく。
「やっぱり時間を開ければ、連射も可能だ」
三つ同時だとどうしても時間が空いてしまう、だが一つ一つ出せば、出ている量は変わらないが、絶え間なく出し続けられる。
日向は連射に変え、コートルの後ろに左に上に、時には本命である自分の攻撃を入れ、戦う。
「いい作戦だ、だがMPがすぐ無くなりそうじゃのう」
そう、コートルの言うとおり、この作戦はMP消費が半端じゃない。日向は後、30秒程度でMPが切れてしまう。
「くそっ」
いい感じに出来ているはずだ、だが、コートルには一つも当たらない。
魔法は全て交わされて、剣は受け流される。
そして十秒二十秒と経っていき
「終わりじゃな」
俺は一発も当てられず、MPが切れた。
♢♢
「マジで、俺達って弱いな」
テンションが低い日向が有に言う。
「分かるよ、その気持ち、当たらないもん、て言うか必殺の攻撃も普通に受けられるんだもん」
コテンパンに負けた俺たちは、木の陰で落ち込んでいる。
「そんな落ち込むんじゃないって、日向くんかっこ可愛いかったよ」
そこはかっこいいだけでいいじゃん。
日向はさらに落ち込んでしまう。そこにコートルが来る。
「そんな落ち込むな、わしとお前らではこの世界で生きている年数が違う、しょうがないことじゃ。それに日向は初めて使うスキルとは思えんほど扱えていたし、有もちゃんと剣の奥義をいいタイミングで出しておったし、実力の心配はするな」
そうコートルは日向達を褒め、撫でる。
「はっはっは、今は気分がいい、どちらも予想以上に動けていたからのう」
急に笑い出し、日向達から少し離れる。
「少し見ておれ、わしのMP半分を使った大技を見せてやろう!」




