スキル③
「おっといかん、一旦揶揄うのは辞めしよう」
日向を揶揄うのに夢中になっていたコートルは、まだスキルの説明の途中だと思い出す。
「日向、スキルのこと話すから早くこっちこっちへこい」
「うううう」
コートルが一向に有の背中に隠れて出てこない日向に呼びかける。
日向は先ほどのことがトラウマになっている。
「ほら、日向いくぞ」
「……うん」
日向は弱々しく言うと有の背中に引っ付いたままコートルの方へ行く。
「はっはっはっ、ほんとに日向は可愛いやつじゃのう」
「ひっ!?」
コートルに笑いながら見られて日向は、びびってしまう。
「まあ後にしておこう、今は一旦説明するぞ、一応これが最後じゃ」
そう言うと説明を始める。
「今までわしが言ってきたものとは全く別のスキル、それがわしの仲間……いや、昔召喚された異世界人達が作ったパーティー、勇者パーティーに、神が授け、異世界に来た目的を果たし、元の世界に帰る時に継承されるように神に頼んだスキル。これは一つにつき、世界に使える人は一人しかないが、他のスキルには無い破格の強さを誇る。」
そんなスキルがあるのか、かっこいいな。
世界に一人しかないと言う特別感のある言葉に日向はロマンを感じる。
「すごいかっこいいスキルだな、ちなみにコートルさんは使えるんですか?」
「使えるわけがないじゃろう」
当たり前とばかりにコートルは言う。
あれだけスキル持っているんだから、持ってそうだけど……まあそれだけすごいスキルなんだな。
「て言うか日向、お前使えるじゃろ。後美咲も」
「へ?」
「私!?」
突然言われたので日向と美咲は驚く。
「ああ、日向は限界突破、咲は真実の目じゃな」
あれってそんなにすごいスキルだったのかよ、限界突破、封印するところだったぞ。
「けどなんであんな格好になるんだよ、かっこいいのが良かった」
自分で言ってて子供っぽいとは思うが、俺は可愛いよりかっこいい方がいいのだ。
「はっはっは、でもいいではないか、そのスキルは、全能の魔剣士コルが、使っていたスキルじゃ、異世界人でも聞いたことくらいあるじゃろう?」
まじか、からが使っていたスキルなのかよ。
コルはこの世界に来て最初に説明された英雄だ。日向が今いる国に戦闘面で最も貢献したとされる英雄で、その英雄譚には異世界から来た召喚者と共に、天まで続く迷宮の踏破や、数万の魔物の軍勢を5人で退けるなど、かず多くの逸話がある。
だが日向達は、最初に説明を受けた時に、スキルまでは説明されなかった。
「よく知ってますね、持っているスキルまで」
「まあ、一応勇者パーティーとは結構交流してたんじゃ」
この人すごいな、結構昔から生きてるっぽいし、だいぶすごい人なんだろうな。王様もこの国を守ってくれているみたいなこと言ってたし。
「それと、スキルを新しく神から授かることも稀にある」
新しくゲットもできるのか。
新しく授かることもあると聞いて、日向は気になったことを聞いてみる。
「ならなおさらコートルさんはまだないんですか? あなたなら意地でもゲットしそうですけど」
あれだけのスキルを最高クラスまで上げているのだ、コートルなら何年かけてでも、ゲットしようとしそうだが。
「まあいいんじゃ、このスキルはわしにはもう必要ない」
この人にも色々あるのかな?
何かありそうだが、日向は聞かないことにする。
「後美咲のスキルは、勇者パーティーの大聖女サカが持っていたとされるスキルじゃな、最初こそ嘘が本当かわかるだけのスキルじゃが、このスキルは進化する。
進化すると、全てお見通す目と言うスキルになる。
このスキルは考えていることがわかるのはもちろん、次に来る攻撃や、少し先になにが起こるかまで、まあ言うなら簡単な未来視じゃな。他にも色々できる万能スキルじゃ」
このスキルもだいぶやばいな。
「て言うかそんな強い能力があってなんで美咲の体はなにも変わってないんだ?」
強い能力をもらったものは、異世界に来た時に、なんらかの異変が体に起きるはずだ。
「あー、これはわからんわけじゃ、身長が2センチ高くなってるそうじゃ」
いやわかりにくすぎだろ! 2センチて!
わかりにくすぎる美咲の変化に日向は頭の中でツッコむ。
「あーやっぱり! ちょっと高くなってると思ってたの!」
咲が、繋がったと言わんばかりに言う。
「え! 咲気づいてたの!?」
やばすぎだろ、これが咲か。
日向がやばいを超えて感心する。
「よし、これでスキルについての説明は終わりじゃ。明日からは特訓を始めるから今日からは泊まりじゃからな。じゃあ夜ご飯を食べたら今日はもう寝よう」
♢♢
「ふう、明日から特訓か」
そう白が言う。
日向、有、白はご飯を食べ終え、ベットに転がる。
部屋は日向達三人と、美咲と咲の二人に分かれている。
「はあ、大丈夫かなあ、俺あの人怖いんだけど」
日向は今日あったことを思い出す。
「まあけどお前も悪いよあれは」
「まあそうかもだけどさあ」
自分にも非があるとわかっているので、日向は、言葉に詰まる。
けどあれはないだろ! やり返すにも程があるんだよ程が。
「まあ一旦明日頑張ろうよ」
白が眠たそうにしながら言う
「「そうだな」」
そうして俺たちは眠りにつく。
♢♢
「はっはっはっ!!」
コートルは自分の部屋に入ると興奮気味にベットに突っ込む。
「神め、随分焦らしおって……あのスキルがあやっと継承されたか、400年も待ったんじゃ。あいつはわしが最強に育ててやるぞ! それ他の奴らも育てがいがある。
クックックッ」
コートルはこの時を待ち続けていたのだ、いつか自分が持っていたスキル、限界突破を継承される時を。
「今日は眠れそうにないな」
ここまで興奮したのは、奥義スキルを獲得した時以来じゃ。
「クックックッ、はっはっはっはっ!!」
コートルの興奮した笑い声は朝まで続いたと言う。




