リオンの気持ち
日向がリオンの妹になって一週間がたった日、何故か少しリオンの表情が暗かった。
「どうしたのお姉ちゃん?」
「え?……えっと……そのですね」
「本当に大丈夫?」
なかなか話してくれない。心配になりもう一度質問する。
「ごめんなさい!」
するとリオンが急に日向に謝る。
「え、どうしたの?」
日向は、突然のことに驚く。
日向にはどうしてリオンに謝られているかが分からなかった。
日向が混乱していると、リオンが涙を流し、話し出す。
「あのですね……私……日向ちゃんに無理させてないかなって……この前日向ちゃんの友達が来た時も……日向ちゃんずっとぎこちなかったですし……」
リオンは、日向は本当はやりたくないのに無理やり自分のわがままに付き合わせていると気づいたらしい。
「そんなことないよ! 私だって、お姉ちゃんに、撫でられたりすると、嬉しいし」
実際日向は、恥ずかしいとは思っていたが、悪い気はしていなかった。
リオンと遊ぶのは楽しいし、撫でられるのも嬉しい気持ちになる。
「本当に?」
「うん、少し恥ずかしいこともあるけど、お姉ちゃんと遊ぶと、楽しいよ?」
すると、リオンは少しホッとした仕草を見せる。
「えっと……けど、少しは無理させてると思いますし、口調は、もう強制しません!」
「いいの?」
「私は、本当の日向ちゃんと仲良くなりたいのです!!」
「……わかったよ、けど、完全には戻さない、お姉ちゃん」
日向は少し、男口調っぽくする。
正直もうリオンと会う時はこっちの口調で慣れた為、元に戻すのも少し難しい。
「どうしてですか?」
日向の言葉にリオンは困惑する。リオンは日向が元男だと知っている。女の子口調が恥ずかしいと感じていることも分かっている。
「お姉ちゃんとは、もうこっちの口調の方が話しやすいからね」
そう言うと、リオンはまた悲しい顔をする。
「私が、強制させたからですか?」
自分が強制させたせいで、そうなってしまったのだと、リオンは少し罪悪感を抱く。
「お姉ちゃんが、悲しくなる必要は無いよ、私は後悔してないから」
「本当ですか?」
「本当だよ」
「わ、わかりました日向ちゃんは優しいですね」
安心するとリオンは日向の頭を撫でる。
そしていつもの調子を取り戻したリオンは、笑顔に戻る。
「じゃ、じゃあお着替えしましょう、日向ちゃん!!」
「へ?」
♢♢
「日向ちゃん次はこっち!!」
リオンは妹を着せ替えてあそぶのが夢だったらしく、日向は先ほどから何着も色々な服を着ている。
王女ということもあり、高級そうな服も結構ある。
「ちょ……ちょと待ってお姉ちゃん……少し……休憩させて」
こうなったら女子は止められない。日向は咲の件で嫌ほど知っている。
「そうですね、もう結構しましたし。」
リオンは、休憩をとってくれる。
これが咲だと、休みなく着させられるので、この程度なら恥ずかしいが、まだ良いのだ。
「ふふふ、日向ちゃん可愛いですね」
リオンは咲と同様に、光魔法が使えるようで、この前咲に教わった為、写真を撮れるので日向を撮った写真を見ている。
純粋な笑顔に日向も流石に消してとは言えなかった。
そして、その後も少し着せ替え遊びをして、日向は部屋に帰った。
♢♢
「ただいまー」
日向はヘトヘトで帰っていた。
「おう、おかえり、てすごい服だな」
有はもう日向が女物の服を着て帰ってくることには、もう慣れている。だが今日の服には少し驚く。
日向はゴスロリと言われる格好になっていた。
「見んな!」
「お、おう」
そして、日向は服を脱ぎ、クローゼットにいれ、いつもの服に着替える。
「ふう、やっぱり落ち着く」
最近、スカートとかにも慣れて来たけど、やはり短パンの方がしっくり感がある。
「大変そうだな」
「まあ大変だけど、お姉ちゃんと一緒だと楽しいよ」
そう言うと、有は少し笑う
「ぷっ、お姉ちゃんって」
「いいだろ! 別に」
日向はつい癖で言ってしまうのだ。
別に戻そうとは思っていないが、リオン以外に聞かれるのは少し恥ずかしい。
「あ、そう言えばさ、明後日ルイくんのところに行こうよ」
あの日以来ルイくんとは会っていない。そろそろ会いに行こうと、日向は思い出し、有に言う
「あー、そうだな、咲や美咲にも言っておくよ」
そんなことを話していると、
バン
ドアが勢いよく開く。
「日向ちゃん! お風呂! お風呂に入りましょう!!」
リオンが、テンション高く部屋に入ってくる。
「お姉ちゃん!?」
「日向ちゃんそちらの方は?」
知らない男、有が居るので、リオンは少し驚いたている。
「私の親友の有だよ」
すると、リオンは目を輝かせる。
「あなたが、有さんですね! いつも日向ちゃんが自慢げに話すので、どんな人か気になっていたんです!!」
「そ、そうか」
少し戸惑いながら、有は返事をする。
「まさかここまで顔が整っているとは思っていませんでした。日向ちゃんが羨ましいです」
お姉ちゃんもそんなこと考えるんだ。
そんなことを考えていると、リオンが腕を掴んでくる。
「じゃあい行こう日向ちゃん!!」
「ちょっと待ってお姉ちゃん! さ、流石に……」
流石に王女様と、一緒に男である日向が入るのはまずい気がする。それに十歳の女の子とお風呂に入るのもまずい。
「そうですか……」
リオンは分かりやすく残念がる。
「うそうそ、入ろうお姉ちゃん」
そう言うと、リオンはすぐに機嫌を取り戻し、日向の手を引き、走り出す。
やれやれ、まあお姉ちゃんが嬉しいならいいか。
そうして、日向とリオンは風呂場に向かって歩いて行く。
ちなみに風呂は咲達以上に罪悪感がやばかった。




