正義の鉄槌
日向を包んでいた光が消える。
「な……なな……なんだよこの格好は!!」
日向のすがたは髪が伸び、服は可愛らしいものに変わっていて、剣はステッキになっている。
この姿はそう、魔法少女そのものだった。
「なんで……なんで魔法少女みたいになってんだよ!?」
日向は顔を真っ赤にして言う。そして同時にパシャパシャと音が鳴る。
咲が写真を撮っているのだ。
「きゃー!! かわいい! 日向くんの魔法少女かわいいーー!!!!!!」
「撮るな! 今の状況分かってんのか!!」
咲には、危機感というものがないのか? こういう時にも可愛いっておかしいだろ!!
「日向、その姿は?」
白は、驚いた表情で日向に質問する。
「俺のスキルだよ!」
日向は白に見られたことによりさらに恥ずかしくなる。
「ギャオオオオオオ」
「よし!」
日向は心を落ち着かせる。
ドラゴンは、さっきの攻撃でかなり弱っているようだ。
日向は進化した高速移動のスキル、音速移動を使い一瞬でドラゴンの前に行き、魔法を当てる。
「うお!?」
日向はいつもより圧倒的に大きい魔法に驚く。
「ギャアアアア」
日向の魔法にドラゴンは、先ほどよりも痛そうに咆哮を上げる。
すると、いきなりドラゴンは上空に飛ぶ。そして、ドラゴンの前に、大きな魔法陣が出でてくる。
「なんだあれ!?」
あれは確実に、地面に当たると大変なことになる。
魔法陣はMP消費が多いほど、大きくなるのだ。あそこまで大きいとなると、他のみんなも巻き込まれるだろう。
「これは?」
日向は困惑する。
知らないはずのスキルが、頭に浮かんで来たのだ。
これしかない! と思い日向はこのスキルを使う。
すると、
「私はあなたになんか絶対に負けない!」
え? なんで勝手に!?
日向は混乱する。自分の意思とは関係なく口や体が動き始めたのだ。
「正義の力を、思い知りるのね!」
すると、勝手にステッキを前にだし、その先が強く光り始める。
そして、溜め終えると、日向の口が必殺技なのであろうスキルの名前をセリフと共に言う。
「これが私の正義! くらいなさい、正義の鉄槌!!」
そう言うとステッキの前に溜まっていた光が超速で放たれ、ドラゴンを貫く。
「ギャオオオオオオ」
攻撃を喰らい貫かれたドラゴンは叫びながら地上に落ちてくる。
「思い知った? これが、私の力よ!」
そう決め台詞を吐くと、日向は、体が動かせるようになった。
♢♢
「戻ったわよ! て、なんでなの?」
日向は戻って喋理出すのだが、何故か口調が戻っていない。
「はははは、ふなんだよその口調」
有は爆笑している。
「ちょ、笑わないで! 私も戻らなくて困惑してるの!」
顔を真っ赤にし、涙目で主張する。
「ちょ、まじでやめて、それ、お前がやってると思うと、キツくておもろいから! あはははは」
有はツボに入ったようで、ずっと笑っている。
すると咲と美咲が近づいてきて
「きゃー! 可愛い!! いつもの男口調もいいけど、女の子口調も可愛い!!」
「ず……ずっと抱きついてたい」
美咲はさっきからずっと抱きついている。
「ちょっと、そんなにくっつかないで!!」
日向は、女の子っぽい動きで叫ぶ、そしてその事実にさらに顔を赤くする。
そしてこの羞恥は後5分くらい続いた。
♢♢
「ああああああ!!!!」
日向は先ほどのことを思い出し、恥ずかしくなり叫ぶ。
「いいじゃない、可愛かったわよ?」
「それがダメなんだよ!」
「いや、まあ可愛かったぞ? ……あ、やべ、思い出したらまた笑けてきた」
有がまたツボに入る。
「いい加減にしろよお前!!」
いくらなんでも笑いすぎだ。先ほどからずっとくすくす笑っている。
日向が、羞恥心を膨らませていると、
「まあでもありがとね、日向くんがいないと、あたしたち、死んでただろうし」
咲は日向にお礼をする。
「まあそうだな、日向、ありがとな」
「あ……ありがとう」
「助かったよ」
それに続き有、白、美咲もお礼をする。
「まあ……そうだな」
日向は照れながら頷く。
それから5分ほど時間が経った時、有が頃合いを見て喋る。
「よし、帰って報告だ!!」
♢♢
「よくやってくれたお前たち、まさかドラゴンまで倒してしまうとは。」
王様は、日向達ががやってのけたことに驚いている。
「日向よ、明日ここにきてくれんか?」
そして、ひとしきり話すと王様はそんなことを言ってきた。
「分かりました」
断るようなこともないので、日向は頷く。
そして、話を得た俺たちは風呂に入り、休むことにした。
ここまでが一つの区切りです




