第320話 逐日.9
“アシャーリー”も[第二広間]に来ている。
そうしたなか配膳されたのは、[ワイバーン肉と野菜の蒸し焼きステーキ]だ。
野菜は[ブロッコリー/ジャガイモ/ニンジン]だった。
他に[二切れのバゲット&コーンスープ]がある。
[トウモロコシ]の収穫時期は夏前後らしいけれど、“コルティ”の【特殊スキル】であれば季節とかに左右されずに済む。
まぁ、なんにせよ。
誰もが、ソースの掛かった[ワイバーンステーキ]を口へと運び、
「うッ!」
「まぁ――ッ!!」
といった具合に、瞳を輝かせた☆
なかには、声を出さずに感激しているヒトもいる。
こうしたところで、
「まるで最高級の牛肉みたいですな!」
「食べた事ないので分かりませんが!!」
“魔人のルトス”が笑顔で述べた。
僕もそれは味わった経験が無いけれど、[ワイバーンの蒸し焼き]は肉汁が広がるのと共に溶けていく。
よって、皆、夢中になっている。
とても幸せそうな表情で……。
▽
五日が過ぎた午前。
[霊園]で戦没者の慰霊式が行なわれた。
東の[谷]で発生した【ダンジョンブレイク】がきっかけで亡くなったヒト達の。
遺族が参列するなか、“僕/リーシア姉上/妹のエルーザ/各大臣”が訪れている。
“マンティコアのラバス”は留守番させており、“お世話係”に任せておいた…。
▽
十日ほどが経とうかとしている。
[帝都]では、全てを[料理屋のみ]で回すのは難しくなってきているため、新たに幾つかの店舗が完成しつつあった。
例えば[ハンバーガー屋/ピザ屋/パン屋/お菓子屋/総菜屋/酒場]だ。
[耐油袋]が多く生産できるようになったので、[ハンバーガー/フライドポテト/チキンナゲット/フライドチキン/ケーキ/ドーナツ/コロッケなどの揚げ物類]もテイクアウトが可能となった。
[ピザ]に、[ケーキ/プリン/シャーベット]は、まだ箱が無いため、店内で食べることになる。
こちらの世界に[電話]や[ネット]も存在していないので、デリバリーも難しい。
酒場は[ヨーロッパのパブ]を“先生”がイメージなされた。
あと、[ポップコーン/ポテトチップス]を窓口で販売している所もあるのだとか。
そうしたお店は、狭いため、客席を設けてないらしい。
また、[小/中/大/特大]のサイズから選べるとも。
これは、[惑星ガーア]には地球と違って[S/M/L/LL]といった概念がないからだ。
何はともあれ。
ポテトチップスは[うすしお/コンソメ/バター/カレー]があって、ポップコーンは[塩/キャラメル/バター/チーズ/チョコレート]になっている。
昨年、コルティたちが移住してきた頃、ふと思いだした“兎の獣人 カトリーヌ”がポップコーンを完成させてくれた。
基本的には簡単らしいけど。
ま、どれも大盛況なので、[第二都市 ダイワ]はもとより、いろんな[町]にて、広まりだしている。
[各同盟国]でも。
それらだけでなく、先生の考えによって[スポーツメガネ]が開発されていた。
〝通常のは、バトルの際に、不便だったり、壊れて買い替える羽目になるのが嫌〟との理由で。
このため、先生や“メイラ&マリー母子”なども、用いるようになっている。
それと、“セゾーヌ”が[安全保護ゴーグル]を求め、“イグル”が賛成した。
[調味料]や[薬品]を研究するときに掛けたいのだそうだ。
……、帝都の[第3区]には、[商店街]が設けられる。
[北東/南東/南西/北西]に1つずつ。
これらには[強化ガラスのアーケード]を備える予定だ。
なお、ヒトの流れを活性化させたい僕などは、悩んでいた。
おそらく、“冒険者”や“商人”などが[第3区と第4区]に集中して、[第1区]まで赴かないだろうから。
割と遠いので。
すると、“天空人のアンヌ”が解決策を提案してくれた。
それは〝3区や4区ではリーズナブルな物を、1区にはブランドを〟みたいな趣旨だ。
冒険者であれば[ペーパー級 < ウッド級 < ストーン級 < アイアン級 < スティール級]が購入できる武器や防具を、第3区&第4区に置く。
[ブロンズ級 < シルバー級 < ゴールド級 < ミスリル級 < オリハルコン級]の稼ぎで手が届く品々は、第1区で取り扱う。
[アクセサリー/服/インテリア]なども、価値が高いのを1区に、といった感じだ。
[業務用の調理器具]であったりもまた…。
一般向けの[ユニコーン車]と[馬車]は、ひとまず[20人乗り]が造られていきつつある―。




