第321話 各個の主観.27
▽
私は、アシャーリー=イズモ。
“ルシム宰相”にとって孫娘の1人です。
さて。
[帝都]での暮らしにも慣れてきました。
城内の南東に造られている[料理研究施設]で新作を試すのが楽しいです。
まぁ、日本で幼馴染だった“チサちゃん”とお喋りしてばかりなときが多いですけれど。
あと、“セゾーヌちゃん”が調味料を開発している[南西の建物]へ、カトリンと遊びに行ったりしています。
なので、クッキングは殆ど進んでいません。
(それではいけない)と思って、何かしらに挑戦してはいますが。
例えば、昨年、“鬼人のディージー君”が「そう言や、ハンバーガー屋とかピザ屋とかって、ねぇの?」といった素朴な疑問を呈し、“委員長”はもとより転生者たちが「あぁ」と反応したことで、建築が開始されたのです。
[チキュウビストロ系列店]などの料理屋さんで献立が増えすぎて負担になってきつつあったので、丁度よいタイミングでもありました。
よって、ハンバーガーとピザの追加メニューを考案してきたのです。
そんなこんなで年が明け、暫くしたある日の事でした。
都の東にある[谷]で【ダンジョンブレイク】が発生したのは。
それがきっかけとなり、モンスター達が暴走しながら向かって来ているそうです。
このため、討伐に赴くことになりました。
魔物は約二千。
味方の数は、その半分ぐらいです。
私の緊張が高まっていきます。
正直、怖いです。
竜人と鬼人の“最強種族たち”に期待します。
そうした私は[弭槍]とかいう武器に変更しました。
魔人になっていた“副委員長”の勧めもあって。
これは、[西洋風の弓]の先に[槍の穂]が付属しているものです。
片側だけではありますが。
なにはともあれ…。
小雨の降る草原で、“モンスター集団”と激突しだしました。
私は、主に[矢]を射っております。
時折、迫りくる魔物に[弭槍]を振るったり払ったりしてダメージを与えていきました。
結果、(これ、便利かも♪)と気に入る私です。
何せ、仲間との距離が近すぎると【神法】を使えないので。
〝巻き込まないように〟との配慮にて―。
▽
私は“セゾーヌ・ディメン”です。
[スサノオの帝都]で生活するようになり、少しずつ祖父母と仲良くなっています。
そんな私は、調味料を開発してきました。
最近では“カトリーヌちゃん”と共同で[キャラメルソース]を完成させた次第です。
これをもとに、カトリーヌちゃんが、[ケーキ]や[ポップコーン]と組み合わせたり、[キャラメル]を仕上げています。
キャラメルソース自体は誰でも作れますが、カトリーヌちゃんと試してみたら、私の【特殊スキル】を用いたほうがより美味しくなると判明しました。
また、他の調味料も、研究したり、熟すのを待っているところです。
そうした日々のなか、祖父母と母が働いている[雑貨屋さん]に顔を出したりしています。
“先生/イグル君/コルティちゃん”と一緒に[ショッピングセンター・バジ]に渡って。
この3名も、実家が、お店を経営していたり、収穫した野菜を販売してもらっているので。
それ以外の転生者達も遊びに訪れるときがあります。
委員長の場合は[視察]になっていますが。
“帝王陛下”なだけあって。
ちなみに、ショッピングセンターは、[白色の石材]で築かれており、広めの[一階建て]で、地球の[ヨーロッパ風]といった造りです。
所々に、[アーチ形の窓]が備えてあったり、[観葉植物]が置かれています。
[フードコート]に[イートコーナー]はありません。
周辺に[チキュウビストロ系列店]などが在るため、ラルーシファ陛下がたによる〝客の流れを妨げないように〟との配慮だそうです。
なお、先生が【お取り寄せ】した[本]によれば、フードコートは〝複数の飲食店のブースが隣接しており、それぞれから注文した品を共有のテーブルや椅子で食べられる場〟なのだとか。
イートコーナーのほうは〝コンビニやスーパーにデパ地下などで、消費者が店内で買ったお惣菜やお弁当などを食べるためのスペース〟との事でした。
ま、なんにせよ……。
草原で“モンスターの群れ”とバトルになっています。
いくらか雨足が強くなってきました。
私や“黒猫の獣人 ユーンさん”の武器は、[鉤爪]になっています。
片方に三つの[クロー]が付いているので、計六つです。
これらの先端は尖っています。
おかげで、[ナックル]よりも殺傷力が高まりました―。




