第318話 実戦.15
いくらか雨足が強くなりだした。
本降りにはなっていないけど。
こうしたなか、“魔人族”は空中の後方で戦っている。
“元学級副委員長のルトス”が初陣のため、〝前線は危険度が高まる〟との判断によるものだ。
なお、“ルゼム公爵”と“ヘラブ第二夫人”に、娘の“ケリス”もいる。
それに、ルトスの“教育係&お世話係 計10名”と、他の魔人“男女10名”も。
あとは、“シェイディバット”に“ヘルハウンド”を連れてきていた。
“従魔”なので、やはり[甲冑]を装備している。
十数ずつの〝総勢二十体〟だ。
シェイディは[日陰の/薄暗い/怪しい/疑わしい]などの意味がある。
こうした“コウモリ”は宙にて、“地獄の猟犬”は陸で、バトルを展開していた。
ちなみに、ルゼム公爵の武器は[ブロードソード]であり、ヘラブ夫人は[スピア]だ。
ケリスは、〝地球のファンタジーもの〟に影響を受け、[ソードブレイカー]という剣にしてもらっている。
本来は25~35㎝の長さらしいけれど、“ドワーフ族”の【工技】によって60㎝あたりになっていた。
それだけでなく、“エルフ族”の【錬金術】で強度が増しているのだとか。
いずれにしろ。
“虫型モンスター達”の殆どを倒したところで、僕は下を確認してみる。
すると、草原で戦っていた“妹のエルーザ”が、足を滑らせて転んだ。
“イグルの弟 イリース”と“コルティの妹 ルー”が急ぎ駆け付けようとするも、同じ状態になってしまう。
“コルティの弟 コッジー”に“鬼人ディージーの異母弟 ディン”は〝ええ―ッ??!〟と困惑しだす。
こうしたエルーザたちに、背丈2.5Mぐらいの“ウッドゴーレム 四体”が向かって行く。
妹の“教育係”や“お世話係”などに、“リーシア姉上”であったりは、別の魔物らを相手にしているため、助ける事ができなさそうだ。
僕の位置からでは間に合いそうにない。
焦りが生じるなか、全速で下降したルトスが、ウッドゴーレム達の正面で止まり、【特殊スキル】を発動した。
紫色の〖瞳〗が赤く光っている。
【魔眼】というもので、〝視界に映る全対象者の重力を15秒だけ五倍にできる〟らしい。
それによって、〝ズゥンッ!!〟と這いつくばった植物人形らが、〝ミシミシミシミシッ!〟と軋んで、〝バキィ―ッ!!〟と裂けた。
いや、まぁ、僕の所まで音は聞こえてきていないので、印象にすぎないんだけど。
なんにせよ。
立ち上がったエルーザなどが、はしゃぎながらルトスにお礼している。
余談になるかもしれないけれど、エルーザは、勿論、[日本刀]だ。
イリースの武器は、幾つかの突起物が付属している[ナックルダスター]と、[ダガー]が、合体している。
コッジーが、[メイス型マジックワンド]で、[クリスタル]は青色だった。
ディンは[プギオ]という短剣になっている…。
▽
あれから、空のモンスターは殲滅し終えた。
“ワイバーン”に勝利した“竜人族”が、着地しだす。
敵集団の真後ろへ。
ドラゴンの姿のままで。
僕と“天空人族”は、[竜人チーム]のほうに移動した。
考えを察したらしい“グリフォン&ヒッポグリフ”が付いてくる。
“ウォリアーベア”に“トロール”を一層した“鬼人族”は、身を反転させた。
こうして、地上のモンスターを挟み撃ちにする形となる。
天空人は“アンヌ/母のザベルさん/祖母のルレア大公/従姉妹のレミンさん/アンヌの教育係&お世話係 計10名/大公の配下16名”が参加してくれていた。
魔物たちは、七百数くらいが残っているようだ。
その[モンスターグループ]に、猛攻を仕掛けてゆく僕らだった―。




