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第314話 来訪.18

ドワーフ族の[ヴェルン王国]から書状が届いた。


要約すると〝スサノオ帝都の開発に協力させていただくために優秀な職人達を派遣したい〟との打診だ。


事前に“トラヴォグ侯爵”に聞いていたのもあって、僕らは承諾した。


そのメンバーには[第四区の仮設住宅エリア]で暮らしながら働いてもらう。


よって、あまりにも遠い現場との往来は【瞬間移動】を許可している…。



魔人族の[外務大臣]が頻繁に訪れるようになった。


“ルゼム公爵”と共に。


両国の同盟を円満に結ぶべく、こちらの“ルシム宰相”に“クレイ外務大臣”と話しを煮詰めていっている。


[合同鍛練]には“(もと)学級副委員長のルトス”と“姉のケリス”だけが赴いていた。


あおちらの[王子]である“伯父”に注意を払っているらしい。


まぁ、なんにせよ。


ケリス嬢は、[チェス]を気に入ったらしく、昼食後に“リーシア姉上”から手ほどきを受けるのが(つね)となっていた。


同年齢にあたる女性の友人知人がいなかった姉上は、嬉しがっておられる。


そうしたなか、ルトスが依頼していた[デスサイズ(死神の鎌)]の試作品が完成した。


[木製]だけれども。


周りから少し離れて、振ったり払ったりした〖サウスポー(左利き)〗の本人が、


「うむ!」

「いいですなぁー♪」


このように喜んだ。


「実物は、当然、それより重くなりますがな。」


トラヴォグ侯爵の説明に、


「ええ、承知しているでありますよ。」

「期待しておりますぞ、名匠殿!!」


笑顔で返すルトスだった。


ちなみに、副委員長と再会を果たしてから二十日ぐらいが経っている。



……、更に十日が過ぎた夕刻。


[ルーヴィモ王国]との調印式を迎えた。


魔人は、“サタール王”を始め、“マハラ王妃”に、“ルトス家族”と、むこうの“宰相/外務大臣/数名の護衛”が、来ている。


あと、“ルーヴィモの王子”と“第一夫人にあたる妃”に、2人の子供たちである“兄妹”も。


王子は50代前半、妃が40代後半であり、兄は30歳で、妹が28歳なのだとか。


四名とも、いくらか若く見えるけど。


また、“姉上/妹のエルーザ/各大臣/マンティコアのラバス”や、“竜人/天空人/鬼人”の[王族]に、“転生者ファミリー”が、参列している。


姉上の母方の祖父母にあたる“ダンギシュ王と王妃”も、お越しになられていた。


場所は[玉座の間]だ。


うちの“城兵達”が警備を行なっている…。



式が(とどこお)りなく済んだところで、拍手されるなか起立した僕と“魔王”は、歩きだした。


そこへ、“ある男性”が【テレポート】してくるなり、一部のヒトが〝ビクゥッ!〟と反応を示す。


僕などが[床]に跪くなか、魔人族は硬直したかのようにして「なッ?? ああッ」と震えている。


神気(しんき)】を感じているのだろう。


右隣に佇んでいるサタール王に、


「“最高神 ラノース様”だ。」


このように僕が教えたところ、


「んッ、くッ、おおッ。」


どうにか片膝を着いた。


“ルトスファミリー”も。


一方で、魔人王子と妻子は立ち尽くしている。


[レッドカーペット]を挟んだ反対側から“竜王”が、


「早く跪かぬか!!」

「愚か者どもめッ!」


怒鳴りつけた。


〝ひッいぃ?!!〟と恐怖の絶頂になった“王子ファミリー”は、焦りながら膝を着く。


「ラドンよ。」

「いい働きかけだ。」


そう最高神様に声をかけられ、


「お褒めに預かり、光栄です。」


竜王が頭を下げる。


「うむ」と頷かれたラノース様に、


「ラルーシファ。」

「新たな同盟を寿(ことほ)ぐ。」

「おめでとう。」


祝福していただき、


「ありがとうございます。」


お辞儀する僕だった。


「さて。」

「ルーヴィモの王子よ。」

「今この時より心を入れ替えて考えを改めねば、近いうちに身から出た(さび)で自分も国も滅ぼしてしまうぞ。」

「“時空神”が見た未来によればな。」

「お前は決して無能なわけではないのだから、もっと、他者を信じ、協力を仰ぎ、重宝せよ。」

「さすれば安泰であろう。」


こう告げられた最高神様が、


「では。」

「これにて儂は帰る。」


[天界]へと【テレポーテーション】なされたら、いろんなヒトが〝ぶはぁ――ッ!!!!〟と息を吐く。


そうして、暫くの静寂に包まれた……。



[第一広間]で宴を催している。


誰もが、さまざまな料理を味わいつつ、談笑を交わす。


“魔人の王子と妻子”だけは意気消沈していた。


ラノース様に公然で戒められ、恥を掻かされたと思っているのかもしれない―。


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