第307話 巡り会い.10
ドワーフ族の“ブロッタ―・ゴルン宰相”が、
「帝王陛下。」
「恐れながら、一つよろしいでしょうか?」
ふと尋ねてきた。
「許す。」
簡略的にOKすると、
「“トラヴォグ様”は、今、どちらに??」
「と言いますのも、あの御方の父君のときから知り合いでして、帰国する前に伺っておきたいのです。」
「もう長いこと疎遠になっておりましたので。」
そう説明したゴルンが、
「アドリク陛下、寄り道になってしまいますが、どうか我が願いを聞き届けてくださいませんか?」
こう“ロデール国王”に確認する。
「ああ、構わないとも。」
「私にとっては遠縁だしな。」
“ドワーフ王”が承諾したところで、
「勤務中かもしれないため、詳細な居場所は分からない。」
「“第1区の屋敷”を教える故、赴いてみよ。」
そのように僕が提案したら、
「ありがとうございます。」
ゴルンと、アドリク王が、お辞儀した。
ちなみに、ドワーフ王は何名かの“護衛”を伴ってきたらしいけど、外で待機させているそうだ。
乗ってきた[ユニコーン車]と[数台の馬車]も。
こうしたなか、アドリク王とゴルン宰相が[玉座の間]から去ってゆく…。
▽
およそ1時間後。
“トラヴォグ侯爵と先生”が訪れた。
改めて、お礼を述べに。
侯爵家族は[第4区の南東エリア]に居たそうで、【テレポート】を備えている“お屋敷の使用人”が急ぎ伝えたらしい。
まぁ、なんにせよ。
久しぶりにゴルンに会えたトラヴォグ侯爵が、とても喜んでいる……。
▽
二日が経ったAM11:00あたり。
“コルティ”が[収穫した野菜]を持って来てくれた。
“弟のコッジー&妹のルー”と。
“イグル”に付いてきていた“弟のイリース”が、退屈してしまい、つい先ほどから“エルーザ”と[娯楽室]で遊んでいる。
その情報を得たコッジーとルーが足早に向かう…。
正午には、“コルティ/コッジー/ルー/イグル/イリース”も一緒に[食堂]でお昼ご飯となった。
他に“アシャーリー/セゾーヌ/兎の獣人 カトリーヌ”などもいる。
エルーザたちは特に楽しそうだ。
▽
……、三日が過ぎた。
[ヴェルン王国]との不戦条約における調印が滞りなく済んだ。
宴は催していない。
こうしたなか、帝国内はもとより各同盟国から[イグサ]が送られてくる。
そのため、先生が【お取り寄せ】してくださった本を参考に[畳]を作りだしたらしい。
〖手縫い〗で。
余談として、こちらの世界にも[ミシン]が存在している。
[足踏み]だけれども。
あと、前々から[マンホール]があった。
先生の調べによれば〝地球では古代メソポタミアや古代インドが起源〟らしいので、おかしくはない。
それに、ローマの[真実の口]は、もともとマンホールで、あちらの〝1世紀頃の物〟と推測されているそうだ。
さておき。
[帝都の第1区 北東エリア]には[大きめの神社]も建設している。
まだ途中だけど。
ここにも畳を用いる事になっていた。
[温泉宿]だけでなく。
神社には“ダイワの初代国王 ラダーム様”を祀らせていただく。
当然、“建速須佐之男命”や“大国主命”に、“最高神 ラノース様”と“武神 カティーア様”も。
そのため、[オオクニヌシ島]の“神職の一部”に移住してもらう。
[宮司/禰宜/権禰宜/巫女] として…。
▽
翌朝。
[合同鍛錬]を行なっている。
ここへ、“1人の男性城兵”が、
「陛下に御客様です!!」
「“転生者”であらせられます!」
そう知らせてきた。
兵士の後ろに“男性/女性/少女/少年”が1名ずつ佇んでいる。
〝髪や眉〟は深紫色で、瞳は紫だ。
痩せ型であり、肌が白く、耳の先端が尖っていた。
王族か貴族かといった[服]は、黒色を基調とし、金糸で[紋章]や[装飾]が刺繍されている。
“細長眼鏡のマリー”が、
「“魔人族”では??」
こうした見解を示したところ、僕とかと変わらないぐらいの歳であろう“オールバックの男子”が、一歩だけ前に〝ズイッ〟と出て、
「小生は“ルトス=シャーン”であります。」
「前世では“奈木悠一”でありました。」
どこか嬉しそうに名乗った。
それに対し、
「副委員長!!?」
僕と、
「奈木君??!」
“天空人のアンヌ”が、揃って反応する―。




