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第305話 進退.9

宙にて。


[環状囲壁(かんじょういへき)]を越えたところで、僕は〝ぷはぁ――ッ〟と息を吐き、自身を緊張から解き放つ。


とは言え、心臓はまだ〝バクバク〟していた。


そんな僕の右隣に並んだ“天空人のアンヌ”が、


「今回も御立派でしたよ。」


優しく微笑んでくれる。


「あ、ありがとう。」


嬉しくなった僕の後方 斜め上で、


「む?」

「“トラヴォグ(きょう)”たちと魔物らが睨み合っておるな。」


こう“ラドン陛下”が喋った。


その様子は僕の視界には映っていない。


ラドン陛下などは、ドラゴン(・・・・)のままなので、遠くまで見えているのだろう。


こうしたなか、


「魔物どもが我らに気づいて逃げ出しおった。」


そう知らせてくれるラドン陛下だった……。



“トラヴォグ侯爵/四女のフィネルンさん/先生”と“レオディン魔法大臣”の(そば)で、“マンティコアのラバス”に着陸してもらう。


これに、僕と一緒に[ヴェルンの王都]へ赴いていたメンバーが続く。


“竜人族”はヒトの姿に戻りながら…。


「モンスター達に襲われていたって??」


そう僕が尋ねたところ、


「モン……、あー、魔物ですな。」

「戦う前に去ったので、儂らは大丈夫です。」


このように答えたレオディンに、


「して?」

「陛下がたのほうは如何(いかが)なりましたか??」


逆に質問された。


「一応、“武神 カティーア様”が仰せになられた感じのことはやっておいたから、あとは向こうの動きを待つだけだよ。」


そう返した僕は、(くら)の[取っ手]で合図を送り、ラバスに〝回れ右〟してもらい、


「皆さん、ご協力ありがとうございました。」

「心より感謝します。」

「主だった方々は、お昼までに“帝王城”にお越しください。」

「食事を共にしましょう。」


こう述べた。


よって、それぞれの[本拠地]へ【テレポート】する…。



正午になろうかとしている頃、僕らは[第二広間]に集まった。


勿論、[装備]は外している。


補足として、城内に[食堂]はあるものの、全員は入りきれないため、広間にした。


他に[大食堂]というのが存在しているけど、これは“守兵や給仕など”が使っている。


とにもかくにも。


お昼ご飯を味わいつつ、“僕/アンヌ/竜人のヴァイア/鬼人のディージー”が[ドワーフの都]での話しをしたら、“兎の獣人 カトリーヌ”が、


「行ってみたかったなぁー。」

「なんか面白そうだし♪」

「ね? アシャリン。」


“アシャーリー”に声をかけた。


それに対し、


「え??」

「私はいい。」

「遠慮させてもらう。」


“ルシム宰相の孫娘”が嫌そうにする。


ちなみに、彼女たちや、“セゾーヌ”と“イグル”は、各自の[研究施設]に来ていた。


何かしら開発するために。


女性ハーフエルフの“エナ・ミリアムネ”も。


まぁ、割と日常的な光景だ。


あと、[スサノオ帝国]の“大臣達”も居る。


揃い踏みはしていないけれど。


なんにせよ。


“イグルのチーム”は[水虫/虫歯/甲殻類(こうかくるい)アレルギー]の薬を完成させていた。


これらも含めて、どの薬品も、現在の効き目は[24時間/120時間/240時間/360時間]に分かれている。


つまり、[1日/5日/10日/15日]だ。


当然、値段は異なり、予算に合わせての購入が可能となっている。


おかげで、多くのヒトが助かっているため、需要は高い。



……、七日が経った。


やや曇っている。


そうしたAM10:00過ぎ。


[ヴェルンの新王(・・)]が訪れたらしい。


こちらの兵士が[玉座の間]に通したそうだ。


よって、そこへ赴くため、僕は、[帝王としての服装]になり、[マント]を羽織って、[冠]を被った。


なお、[玉座の間]で誰かしらに会うときは、いつも必ず、こうした格好になっている。


そんな僕を先頭に、“リーシア姉上/妹のエルーザ/ラバス/お世話係 計15名”が、[廊下]を歩く―。


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