第304話 君主として.5
僕らは[ヴェルン王都]の上空を飛んでいる。
天候は、晴れだ。
[環状囲壁]の“哨兵”はもとより、都内のヒト達が、〝何事か??〟といった感じでザワついていた。
やはりドワーフ族が多いようだ。
なかには、[弓矢]を扱おうとしたり、【魔法】の詠唱を行なっている者が、数十名いたけど、焦っているため、成功していない。
なにはともあれ。
[王城]に辿り着いた僕らは、宙に浮いたまま、囲んでゆく。
“僕/ラドン竜王/ロザーラ天空女王/ディーザ鬼王”は東側に陣取った。
至る[窓]に、建物内の者たちが近寄ってくる。
前もって“トラヴォグ侯爵”から得ていた情報によれば、お城の中階層に[玉座の間]があるそうだ。
そちらへ視線を送ってみたところ“王冠を被った男性”が確認できた。
いくらか遠いので詳しい容姿までは分からないけれども、どうやら[寸胴体型]みたいだ。
〝すぅ――ッ〟と息を吸い、
「余は、ラルーシファ=イズモ!!」
「“スサノオの帝王”なりぃッ!」
このように告げると、
「我は、ディーザ=シュウド!!」
「“ジッグの鬼王”である!」
「私は、ロザーラ=サヴォワ!!」
「“天空カルスム”の女王!」
御二方が続いてくれた。
更に、
「我こそが、ラドン=カナム!!」
「“ドゥユールの竜王”である!」
そう述べた流れで、
「何も信じようとはせず、我々に喧嘩を売りおった汝らに、見せてやろうぞ!!」
「歴とした証拠を!」
ドラゴンとなる。
これによって、残り39名の竜人も、同じく変身した。
城の360度に出現した“大きなドラゴン達”に、ドワーフ族などが、目を丸くしたり、腰を抜かす。
“グリフォン”や“ヒッポグリフ”がパニックを起こすも、鬼人族のコントロールで落ち着いてゆく。
“マンティコアのラバス”は平然とし…、いや、フリーズしているたいだ。
ま、なんにせよ。
僕は、
「他にも、そなたらが嘘だと決めつけていたことが実は真であったと、理解させてやる!!」
〖右の掌〗で〝直径1Mかつホワイトゴールド〟の【サークル】を築き、
「アース・シェル!」
【土の砲弾】を50コ発射した。
それらが、“国王”とかの下にある[壁]に当たり、少なからず破損させる。
「今のが“神法”だ!!」
こう知らしめた僕は、左腰に帯びている鞘から抜いた[剣]に【神力】を注ぎ込む。
そして、
「せんッこぉー!」
右斜め上から、
「ざんッ!!」
左斜め下へ[ムラクモ]を振るう。
これによって、〝最大幅15㎝×長さ4Mの三日月状〟といった【金色の閃光】が放たれた。
[アーチ形の窓]の両脇を斬った【ビーム】は、“ドワーフ王”などの頭上を通り、部屋の[床]を壊しつつ、進んでいく。
僕は[武器]を納め、
「さっきのが“神剣ムラクモ”による“閃光”だ!」
そう伝える。
ここから、
「余たちに不快な思いをさせたお前らを、すぐにでも総攻撃して、城ごと粉々にしても構わん!!」
「だが!」
「罪なき者まで屠るは、余とて不本意である!!」
「故に!」
「これより七日の猶予を与えてやろう!!」
「国王家族と、スサノオ帝王城に赴いた使者どもや、此度の件に関わりのある連中を、捕縛せよ!」
「その後の処罰は任せる!!」
「一生涯の投獄であれ、国外への永久追放であれ、そなたらが判断すべし!」
「さもなければ、全土を灰燼と帰すぞ!!」
「双方にとって良い報せを持って来い!」
そのように言い渡し、鞍に付属している[取っ手]を〝ぐいッ〟と引っ張った。
すると、固まっていたラバスが〝ピクン〟と反応を示し、北東へ体を向ける。
こうして、僕達は去りゆく。
お城は、静寂に包まれていた。
恐怖のあまり誰も動けないのだろう。
地上では民衆が騒然としている―。




