第302話 来訪.17
「よくやったわ! エル!」
このように褒められた“リーシア姉上”が、
「元の位置に戻りなさい。」
“妹のエルーザ”を促す。
「ういッ」と応じた妹が、〝スタタタタ〟と小走りで向かう。
そうしたなか、
「おッのれぇ~ッ。」
睨みながら立ち上がった“エシブ・スティー”が、僕達を指差しつつ、
「何かと虚仮にしおって!!」
「近いうちに我らの王国より大軍勢が攻め込んでくるぞ!」
「もはや謝罪は受けつけんからな!!」
「覚悟しておけッ!」
激怒した。
これに対し、
「上等よ!!」
「逆に後悔させてあげるわ!」
姉上が啖呵を切られる。
〝ぬぅ~ッ〟と眉間にシワを寄せたスティーは、
「帰るぞ!!」
憤慨した様子で[玉座の間]から去っていく。
“残りの四名”も…。
[扉]が閉まったところで、
「エル。」
右隣にいる妹を注意しようとしたけれど、
「いや、まぁ、僕もスカッとしたからOKだ。」
そう述べたら、エルーザが〝むふん♬〟と嬉しそうにした。
すると、
「確かに! 傑作でしたな!」
妹の教育係でもある“クレイ外務大臣”が愉快がる。
“ルシム宰相”も楽しげな表情になっていた。
こうしたなか、
「それにしても、これからどうなさいます?」
「あちらは、この帝王城や都に瞬間移動するのが可能になっているでしょうからな。」
「迎え撃つためにはそれなりの兵数を揃えねばなりますまい。」
「他にも、住民の避難場所を提供する必要があるかと。」
僕などの祖父にあたる“ルファザ侯爵”が難しい顔つきになる。
「あ―、うん。」
(どうしたものか??)と僕が考え込みだしたところ、
「簡単な事だ。」
“武神 カティーア様”が【テレポート】してこられた。
左横には“闇ノ神 カッティ様”がおられる。
急ぎ“各大臣”と“守兵たち”が跪く。
“僕/姉上/妹”は、[壇上]から降りて、[床]に片膝を着いた。
相変わらず“マンティコアのラバス”はいつでも逃げだせる体勢になっている。
とかく。
「ラクに致せ。」
武神様に許可された僕らは、起立した。
その流れで、
「カッティさま☆ミ」
駆け寄った妹が、
「エル♪」
“闇ノ神様”と両手を握り、喜びあう。
「処罰は済まれたんですか?」
こう僕がお尋ねしてみたら、
「昨年まで自室にて謹慎させられていた。」
「仕置きとしては軽めだな。」
「私などの父である“最高神”も曾孫には甘いようだ。」
カティーア様が述べられる。
そこから、
「早速だが、竜人と天空人に鬼人の王族を集めよ。」
「それに、トラヴォグなども。」
「主だった者らだけで構わぬ故。」
「私が呼んでいると伝えるがいい。」
このように武神様が告げられた。
よって、兵達に、[帝都の館や屋敷]へ連絡に行かせる。
▽
……、およそ五分後。
さまざまなヒトが[第一広間]に揃い踏みした。
“ラドン竜王/ドォーゴ王子殿下/ヴァイア/ロザーラ女王/ルレア大公/アンヌ/ディーザ鬼王/ディラル王子殿下/ディージー/トラヴォグ侯爵/先生”だ。
誰もがカティーア様に緊張している。
ちなみに、“姉上/エルーザ/宰相/総務大臣/外務大臣/ラバス”だけでなく、“僕の教育係/各お世話係/家令のハウラー/給仕長のベザニー”も一緒だ。
身分が高いヒトたちは、それぞれ、ホットの[珈琲]や[紅茶]に[ミルク]を飲んだり、[シュークリーム]を食べている。
これは余談になるけど、日本では[シュークリーム]だが、英語では[クリームパフ]らしい。
いつだったか“兎の獣人 カトリーヌ”が教えくれた。
さておき。
僕が状況を説明したところ、
「ふははははッ!」
爆笑したディージーが、
「ヒゲを引き抜いたうえ、顔面に投げ付けたって…。」
「やるな!!」
僕などの妹へ〖右手の親指〗を〝グッ〟と立てる。
それに〖Vサイン〗しながら〝ニカッ〟とするエルーザだった―。




