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Kizuna no Saisei  作者: Jair
第2部
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6/9

私は何をしたの?

更新が遅くなってしまい、申し訳ありません!


今回のエピソードは、普段より公開までに時間がかかってしまいました。実は、私の住んでいる国で地域制限の問題が発生し、サイトにアクセスできず、新しいエピソードを投稿できない状態になっていました。


問題が解決するまでの間、日本のVPNを利用して、なんとか今回のエピソードを投稿することができました!


これからもできる限り更新を続けていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします! : )

[ナレーター]

空は暗く、雨が降る中、人々が集まっていた。

皆、デンジの埋葬の準備をしていた。デンジの遺体は棺の中に納められ、友人や家族たちは最後の別れを告げる準備をしていた。

そこには全員がそろっていた。デンジの友人たち、妻、そして子どもたちが。

エリュスの父は棺に近づき、その上に片手を置いた。彼の目から涙があふれ出した。彼は何度も何度もうなずきながら、木の棺に手を押しつけた。まるで、デンジが自分を必要としていたとき、もっと早く動くべきだった、決して油断するべきではなかったと、自分に言い聞かせているかのようだった。

それから、エリュスの父は空を見上げ、涙をぬぐいながらゆっくりと息を吸った。そして、集まった人々を見渡し、話し始めた。


[エリュスの父]

認めなきゃならない。デンジは俺にとって最高の友であり、兄弟だった。俺が一番つらいときには、いつもそばにいてくれた。

こんな姿のあいつを見るのは、胸が張り裂けそうだ。ここにいる多くのみんなも、同じくらいつらいのはわかってる。それに……


[ナレーター]

エリュスの父の口から、それ以上の言葉は出てこなかった。彼は黙り込み、視線を落とした。


[エリュスの父]

デンジに最後の別れを告げよう。最後にもう一度、あいつの顔を見てやってくれ。


[ナレーター]

村の人々は一人ずつ前に進み、最後にもう一度デンジの顔を見ていった。

最初に進み出たのは親族たちだった。彼らは皆、互いに抱き合い、目を腫らし、肩を落としていた。

妻と娘の番が来ると、二人はこらえきれずに泣き崩れた。

妻は取り乱して叫び、その隣で娘も泣いていた。やがて妻は膝から崩れ落ち、両手で棺にしがみついた。彼女の服が泥にまみれていくのもかまわず、彼女は棺を強く握りしめていた。

デンジ! デンジ!

妻は、起きたことを受け入れられないまま、夫の名前を叫び続けた。

人々が駆け寄り、彼女を支えて抱きしめ、なんとか落ち着かせようとした。

その後、エリュスの母がエリュスを腕に抱いたまま、夫の友人の遺体を見に近づいた。

エリュスは首を動かし、遺体のほうを見た。

だが、その姿を目にした瞬間、タスキは不安の発作に襲われた。

その光景は、タスキに父親の遺体を思い出させた。

デンジの遺体は腐敗が進んでいた。ひどく痩せ細り、血の染みがついていた。

その姿は、タスキが床に倒れて死んでいる父親を見たときの記憶をよみがえらせた。

エリュスは激しく泣き出し、母親は彼をぎゅっと抱きしめた。


[エリュスの母]

もう泣かないで、いい子ね……。もう怖がらなくていいのよ。大丈夫だからね。


[ナレーター]

それ以上、誰も何も言わなかった。聞こえるのは、デンジの妻の泣き声だけだった。

エリュスの父は、ほかの男たちと一緒にシャベルを手に取った。彼は何も言わずに顎で合図し、男たちは棺を埋めるための穴を掘り始めた。


誰も地面から目を上げなかった。声は一つも聞こえず、聞こえるのは雨の音と、その場にいる全員の涙と悲しみだけだった。

男たちは穴を掘り終えると、ロープを使ってデンジの重い棺を持ち上げた。彼らは棺を慎重に整え、穴の底に着くまで少しずつ下ろしていった。

棺が底に着くと、全員が上から土をかける準備をした。

土をかけ始めたとき、デンジの妻は膝から崩れ落ちた。彼女はほとんど息ができず、もう叫ぶ力も残っていなかった。彼女にできるのは、泣きながら夫の名前を繰り返すことだけだった。

エリュスの父も土をかけ始めた。彼は歯を食いしばり、震える手で、兄弟のような存在だった男に別れを告げていた。

血はつながっていなくても、子どものころからずっとそばにいてくれた兄弟だった。

穴を埋め終えてしばらくすると、人々はデンジの妻の家へ歩き出した。このつらいときに、彼女のそばにいてあげるためだった。

家の中に入ると、人々は埋葬に来てくれた者たちにパンとお茶を配り始めた。

雨は降り続き、日が沈みかけていた。

皆が家の中にいる間、エリュスの父だけは外に立ち、何もない宙を見つめていた。

エリュスの母は、夫がどこにいるのか確かめに外へ出た。


[エリュスの母]

あなた! 大丈夫?


[ナレーター]

彼は答えなかった。

妻は近づいて彼に手を置いたが、カズマは動かなかった。


[エリュスの母]

あなたの気持ち、わかるわ! 大切な人を失うのがつらいのはわかってる……


[エリュスの父]

同じクソみたいな言葉を何度も何度も言って、疲れないのかよ!?

わかる、だと! お前は何もわかってない!

子どものころからずっと一緒だったやつを失う気持ちなんて、お前にわかるもんか! 誰もいなかったときに、俺のそばにいてくれたやつなんだぞ!

わかる、わかるって言われるのは、もううんざりなんだよ!

俺が欲しいのは、お前に抱きしめてもらうことだけなんだ、少しの優しさなんだよ! クソみたいな「わかる」「理解できる」じゃない!

本当の気持ちなんて、お前にはわからない!

わかるなんて言うのはやめろよ、ちくしょう!


[ナレーター]

エリュスの父は、拳を握りしめ、怒りに満ちたまま歩き去った。

その間、妻は彼の背中に向かって叫び始めた。


[エリュスの母]

カズマ! どこに行くの!?


[ナレーター]

カズマは答えずに歩き続けた。


彼は馬を貸している牧場へ向かった。カズマはそこで一頭借りると、馬にまたがり、村からそれほど遠くない街へ急いで向かった。

カズマは全速力で馬を走らせ、村から数キロ離れた場所にある街の入り口にたどり着いた。

入り口の前では、何人もの兵士が見張りをしていた。

カズマが近づくと、兵士たちは彼に馬から降りるよう命じた。それから兵士たちは、どこから来たのか、街に何をしに来たのかと質問を始めた。さらに、通す前に彼の身体を調べようとした。


[兵士]

どちらから来られましたか。街にはどんなご用で?


[エリュスの父]

酒場に行きたいだけだ。


[ナレーター]

兵士たちは彼をじっと見つめた。カズマのやつれ果てた顔を見て、兵士たちは何かがおかしいと気づいた。


[兵士]

大丈夫ですか?


[ナレーター]

カズマは答えなかった。

兵士たちは顔を見合わせ、最後には彼を通した。

カズマは再び馬にまたがり、街の中へと入っていった。

少し進むと、カズマはいつも通っている酒場を見つけた。

彼は客が馬をつないでおける場所に馬を置いた。しっかりつながれていることを確かめてから、カズマは店の中へ入った。

彼はカウンターに近づき、いつものを注文した。

カズマが黙って飲んでいると、一人の若い女が彼に近づいてきた。


[女]

一人みたいね。


[エリュスの父]

んん……何の用だ?


[女]

一緒に飲もうと思って。あなた、すごく寂しそうに見えるもの。

別にかまわないわよね?


[エリュスの父]

まあ……どうでもいい。


[女]

決まりね! じゃあ……

ちょっと、そこの! ビール二つちょうだい!

心配しないで、私のおごりよ。


ところで、あなたの名前は? なんだか……うーん、まあ、つらそうに見えるけど。

大丈夫、責めたりしないわ。飲みながら話を聞いてあげる。いい?


[ナレーター]

カズマは、やつれた顔で女を見た。デンジが死んでから五日がたっていた。その間、エリュスの父は一睡もできていなかった。

デンジの遺体があの状態だったのは、村の雨が多く湿った気候のせいだった。

そのうえ、カズマは疲れきった表情をしていて、風邪をひいているようにも見えた。

カズマは疲れはてた声で、気力もなく答えた。


[エリュスの父]

ああ……いいよ……


[ナレーター]

その間に、酒場の主人はもうビールを用意していた。主人はカズマと女のところへ来て、二人の前にそれぞれビールを置いた。


[女]

さあ、飲みましょ!

じゃあ、話して。聞いてあげるから。


[ナレーター]

カズマは深く息を吸い、ビールを手に取って一口飲んだ。


[エリュスの父]

そうだな……五日前、俺の親友が死んだ……

全部、魔狼どもの頭の一体との戦いで起きたことだ。やつらは、村を守っていた結界の一つを破って入り込んできたんだ。

やつらは村に入ってくるなり、村を襲い始めた。やつらの頭も現れた。

子どもと一緒にいたおばさんの悲鳴が聞こえたから、俺は助けにその家へ行った。でも、中に入ると、あのクソ野郎がそこに立ってた。

俺はとんでもない力で殴られて、吹っ飛ばされた。それからやつが近づいてきて、俺はもう少しで殺されるところだった。

そのとき、俺の親友のデンジが助けに来てくれたんだ。

戦いは続いて、デンジはやつを倒すことができた。でも、俺たちが知らないことがあった……あのクソ野郎は分身して、自分の偽物を作れたんだ!

それで、あいつが偽物の一体を相手にしてる間に、最悪のことが起きた……

俺の親友は、剣で体を貫かれて死んだ。


[ナレーター]

カズマはテーブルを強く叩き、泣き出した。彼はジョッキを強く握りしめ、その手は震えていた。

カズマが話している間に、女は彼に近づき、落ち着かせようと抱きしめた。


[エリュスの父]

俺……俺……俺が、あいつを助けなきゃいけなかったんだ!

あいつは俺のせいで死んだんだ!

あいつを助けるために何かするどころか、俺はただそこで見てたんだよ!


[女]

大丈夫……大丈夫よ。泣いていいの、全部吐き出して。


[エリュスの父]

あいつに会いたい……

兄弟みたいなやつだったんだ。あいつの奥さんと娘が泣いてるのを見て、胸が張り裂けそうだった。

もう力が残ってない……どうしたらいいのかわからない。


[ナレーター]

女はカズマを抱きしめたまま彼の頭をなで、彼が自分の肩で泣くのにまかせた。


[女]

ねえ、あなたの気持ちはわからないかもしれない。でも、一つだけ言えることがあるわ。

自分を責めないで。あなたは全力を尽くしたし、その気持ちはいつだってはっきりしてた。兄弟を助けたかったのよね。

負け犬だとか臆病者だなんて思っちゃだめ。あなたはできることをやったんだから。

デンジって人のことは知らないけど、あの化け物を倒せたこと、きっとその人も誇りに思ってるわ。

こう考えてみて。あの化け物は、もう誰も傷つけられないのよ。

今度はあなたが強くなる番。デンジの魂がどこにいても、あなたを誇りに思えるように。

あなたは勇敢で強い戦士だった。兄弟は失ったけど、その仇はちゃんと討ったじゃない。


[ナレーター]

カズマは、さらに激しく泣き出した。女は少し体を離すと、両手を彼の顔に近づけ、涙をぬぐってやった。


[女]

よしよし……もう大丈夫よ。


[エリュスの父]

あいつが死んでなかったら、今ごろデンジは、ここで、この酒場で、あのクソ化け物が死んだのを祝ってたはずなんだ……


[女]

そうね。でも、その人の魂は満足して旅立ったと思わない?

ねえ、デンジに今のボロボロのあなたを見られたい?

私たちで、その人の勝利と仇討ちをお祝いしましょうよ。

ね?


[ナレーター]

カズマは少し落ち着きを取り戻し、うなずいた。

二人は話し続け、ビールを飲みながらデンジの勝利を祝った。

何時間も過ぎ、二人は少しずつ酔いつぶれていった。


[エリュスの父]

くそっ! 遅くなっちまった! 帰らないと!


[女]

ちょっと! もうすごく遅いわよ! そんな状態で帰ったら、何かあるかもしれないじゃない。

私の家、そんなに遠くないの。ほら、連れてってあげる。

うちにおいでよ。


[エリュスの父]

いや、あとで旦那にタマ取られちまうよ、ははは。


[女]

心配しないで、結婚してないから。もうずっと独り身なの。


[ナレーター]

二人は酒場を出て、女の家へ歩いていった。

二人はまともに歩けなかった。道中ずっと、二人はふらつきながら、ばかみたいに笑っていた。

しばらくして、二人はようやく家に着き、中へ入った。


[女]

いらっしゃい、カズマ。ここが私の家よ。


[エリュスの父]

ありがとう。

ところで、名前なんだっけ? 覚えてないや、ははは。


[リナ]

私の名前はリナ。

それより、こっちに来て。ここがあなたの部屋よ。ついてきて。


[ナレーター]

カズマはリナの後ろについて歩き、彼女が用意してくれた部屋にたどり着いた。

部屋に入ると、カズマはベッドを見て、少し休もうと腰を下ろした。

リナは数秒間、カズマを見つめていた。それから彼女は彼に近づき、カズマの目の前で服を脱ぎ始めた。


[リナ]

つらいのはわかってる……。楽にしてあげる。


[ナレーター]

カズマは何も言わなかった。

リナは近づき、片手でカズマの頭を支えて、口づけをした。

二人はベッドに倒れ込み、その流れのまま、身をゆだねてしまった。

翌朝、カズマはリナの隣で、シーツにくるまれた裸の姿で目を覚ました。リナは眠ったまま、カズマに抱きついていた。

もう夜が明けていることに気づくと、カズマはベッドから起き上がり、服を着始めた。


[リナ]

もう行っちゃうの?


[エリュスの父]

ああ。


[ナレーター]

リナは、カズマを見送るために家の玄関までついていった。


[リナ]

カズマ! また近いうちに会えるといいな、ね?


[ナレーター]

カズマはリナを見て、迷うように首を動かしたが、はっきりとは答えなかった。

それから、カズマは借りた馬を置いてきた酒場まで歩き続けた。

彼は馬にまたがり、全速力で街を出て、村へと引き返した。

あの夜に起きたことについて、カズマは一言も口にしなかった。

カズマはまだビールが抜けきっておらず、道もよく見えないほどだったが、それでも進み続けた。

何分か過ぎて、カズマはようやく村に着いた。

彼は馬を借りた場所に返し、家へ向かって歩き始めた。

カズマが家に着いて中に入ると、妻が彼を出迎えた。


[エリュスの母]

どこにいたのよ!? 一晩中いなくて、どこに行くかも言わないで!

しかも酔っぱらって帰ってくるなんて! カズマ……どうして、ほかの女の香水の匂いがするの?

カズマ、答えてよ!


[ナレーター]

妻に問い詰められて苛立ったカズマは、自分を抑えきれず、彼女の頬を平手で打った。


[エリュスの父]

黙れ! お前には関係ないだろ!


[ナレーター]

エリュスの母は痛みに頬を押さえ、その目から涙があふれ始めた。


[エリュスの母]

カ……カ……カズマ! あ、あなた……私を、叩いた……


[エリュスの父]

くそっ! 俺、何を……!?

すまない……そんなつもりじゃなかったんだ。


[ナレーター]

カズマは妻の手をつかもうとしたが、彼女はすばやく身を引いた。

それから、彼女は息子がゆりかごで眠る寝室へ駆け込んだ。


[エリュスの母]

離して!


[ナレーター]

カズマは、どうすればいいのかわからず、その場に立ち尽くした。

やがて、カズマは放心状態になり、テーブルの前に座り込んだ。

妻はカズマのためにおいしい夕食を作ってくれていた。その夕食は、まだテーブルの上に並べられたままだった。

だが今、その料理を見たとたん、カズマは胸に激しい痛みを感じた。

カズマは両手で自分の髪をつかみ、強く握りしめ始めた。


[エリュスの父]

俺は……何てことをしちまったんだ……


[ナレーター]

カズマは自分の手を見つめ、その手が震えていることに気づいた。

彼の呼吸は速くなり始めた。カズマは、何が起きているのかも、どうして愛する女性にあんなことをしてしまったのかも、理解できなかった。

カズマの呼吸はどんどん速くなり、たった今自分がしたことの記憶が、彼の頭の中でぐるぐると回り続けた。


そしてついに、カズマは絶望の叫び声を上げた。


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