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Kizuna no Saisei  作者: Jair
第2部
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4/9

第2編:契約


[ナレーター]

タスキはゆっくりと息を吐き、そして吸い始めた。


[タスキ]

ここは……どこだ?


[ナレーター]

タスキは地面に倒れたまま、目を開けることができなかった。彼は完全にショック状態だった。

突然、彼は膝を胸に押しつけ、指で脚をつかんで、胎児のように体を丸めた。そして彼は、深い痛みのこもった小さな声でつぶやきながら泣き始めた。


[タスキ]

母さん……父さん……妹……リア……


[ナレーター]

突然、闇のすべてが光へと変わり始めた。

タスキは泣き続けていて、涙が彼の頬を伝っていた。彼は少しずつ目を開けた。とても強い光が見えたので、彼は顔の前に手をかざして目をかばった。

数メートル先に、彼は一人の女性のシルエットが立っているのを見た。

彼女の周りの光があまりにも強く、タスキにはその顔が分からなかった。

タスキはまだ涙を浮かべたまま、ひざまずいて彼女を見つめていた。

少しずつ、彼の目が光に慣れていった。

彼の前には、緑の草が広がる場所と、大きな木があった。

その木のそばで、その女性は美しい笑顔で彼を見つめていた。

リアだった。

タスキは言葉を失った。

リアは近づいてきて、何も言わずにタスキの両手を取った。

彼女の姿を見て、タスキはまた泣き出した。彼はこらえきれず、彼女のほうへ崩れ落ちた。

リアも彼を抱きしめながら、ひざをついた。

彼女はただ、自分の腕の中で泣くタスキの髪をなでていた。

タスキは何か言おうとしたが、何も言葉にならなかった。


[タスキ]

あ……あ……あ……


[リア]

しーっ……言いたいことは、分かってるよ。


[ナレーター]

リアは両手でタスキの頭を包み、微笑みながら彼の目をまっすぐ見つめた。

それから、彼女は彼が立ち上がるのを手伝った。


[リア]

もうあまり時間がないのは分かってる。でも、天国で待ってるからね。私の大切なタスキ。


[タスキ]

リア、だめだ! 嫌だ、頼む! 行かないでくれ!


[ナレーター]

リアは微笑んだ。一粒の涙が、彼女の頬を伝った。


[リア]

私だって、行きたくないよ。

ひとつだけ約束して。絶対に諦めないって。

誰も話を聞いてくれないって感じたときや、どうしたらいいか分からなくなったときは、星を見て。そこから、私が見守ってるから。

愛してるよ、タスキ。絶対に忘れないで。


[ナレーター]

リアはタスキの手を取り、ゆっくりと彼に近づいた。

そして、彼女は彼にキスをした。

タスキは泣き出し、リアを抱きしめながらキスを返した。

リアも泣きながら、彼にキスをしていた。

しかし、何かが起こり始めた。

リアの体が、少しずつ消え始めたのだ。


[ナレーター]

タスキは、彼女が消えてしまわないように、どんどん強く抱きしめた。

だが、彼には何もできなかった。

リアはゆっくりと薄れていき、やがて完全に消えてしまった。

タスキの腕の中には、何も残っていなかった。

彼はひざから崩れ落ち、力の限り叫んだ。


[タスキ]

ああああああああああっ!


[ナレーター]

すべてが、再び闇に変わった。

しかし、その闇の中に、小さな光が現れた。

少しずつ、その光は大きくなっていった。

そこには一人の女性が座っていて、のんびりとお茶を飲んでいた。

彼女はかなり派手なドレスを着ていて、髪は深紅色だった。

タスキは戸惑いながら彼女を見つめ、叫んだ。


[タスキ]

お前! 誰だ!?


[???]

私の名前? ああ! 私の名前はラヴェリス。あなたにとっては、魔女ラヴェリスよ。

あらあら……そんなに怖がっちゃって、なんて可愛いのかしら。


[タスキ]

俺の家族はどこだ? なんで俺は、家族と一緒じゃないんだ?


[ナレーター]

ラヴェリスは、質問の意味が分からないかのように、きょとんとした顔をした。

それから彼女は、お茶を飲み続けながら、よそを向いた。


[ラヴェリス]

おっと……残念だけど、その質問には答えられないわね。


[ナレーター]

タスキは勢いよく立ち上がった。

彼は絶望に満ちた表情で、彼女のほうへ歩き出した。彼は今にも理性を失いそうに見えた。

ラヴェリスは、近づいてくる彼を見て微笑んだ。


[ラヴェリス]

抱きしめに来てくれたの?

あらあら、可愛いわね。

きっと、たっぷり愛をくれるつもりなんでしょう?

なにせ……私、かなりの美人だもの。


[ナレーター]

タスキは素早く近づき、ラヴェリスの首をつかんだ。


[ラヴェリス]

ちょっと! 展開が早すぎるんじゃない?


[ナレーター]

タスキは彼女の顔めがけて拳を放ったが、彼女は消えた。

一秒後、彼女は相変わらずのんびりとお茶を飲みながら、彼の背後に現れた。


[ラヴェリス]

遅すぎるわ……


[ナレーター]

タスキは迷わなかった。彼は全速力で彼女に飛びかかり、前に向かって何発も拳を繰り出した。

しかしラヴェリスは、何事もないかのようにお茶を飲み続けながら、そのすべてをかわしていた。


[ラヴェリス]

さて……そろそろお遊びはおしまいね。


[ナレーター]

魔女はタスキの背後に現れ、彼の頭を殴った。

すべてが、真っ暗になった。

一分ほどが過ぎた。

タスキは意識を取り戻し始めた。目を開けたとき、彼はほとんど体を動かせないことに気づいた。

彼が自分の手を見ると、両手首に鎖がついていた。

彼が顔を上げると、向かいに座って、のんびりとお茶を飲むラヴェリスの姿があった。


[タスキ]

離せ! このクソ女! クソ女が!


[ナレーター]

タスキは鎖から抜け出そうと、力いっぱいもがき始めた。だが、彼にはどうすることもできなかった。


[ラヴェリス]

ねえ、それより話をしない? 乱暴なのはやめにしましょう?


[タスキ]

お前と話すことなんて何もない!


[ラヴェリス]

あら、そう? じゃあ、私があなたの家族を救えるって言ったら?


[タスキ]

お前に俺の家族の何が分かる!

俺の家族は死んだんだ!


[ラヴェリス]

うふふ……家族を取り戻す方法なら、知ってるわよ。

話をする気になった?


[ナレーター]

ラヴェリスが片手を動かすと、タスキを縛っていた鎖が消えた。

タスキは、少しずつ落ち着いていった。

それから彼はもう一つの椅子まで歩いていき、話をするために彼女の向かいに座った。


[ラヴェリス]

いい子ね。

さて、あなたはきっと、私に家族を取り戻すだけの力が本当にあるのか、って考えているんでしょう。

その考えは正しいわ。

でも、あなたにしてもらいたいことがあるの。


[タスキ]

俺に何をしてほしいんだ?


[ラヴェリス]

そうね、退屈させないように単刀直入に言うわ、タスキ。


[ナレーター]

彼女が自分の名前を知っていることに、タスキは驚いた。


[ラヴェリス]

あなたの家族には、二度目のチャンスが与えられる。

でも、あなたにはひとつ、はっきりした目的がある。

魔女エラリスを殺すこと。

彼女を倒すことができたら、あなたの家族を返してあげると約束するわ。


[ナレーター]

タスキは自分の手を見つめ、それから周りを見回し始めた。


[タスキ]

でも、ここはどこなんだ? なんで全部、暗く見えるんだ?


[ラヴェリス]

ブッブー、教えてあげない。タスキ、私は本気で話してるのよ。家族を取り戻したいの? 取り戻したくないの?


[タスキ]

取り戻したい……ほかに道はないから。


[ラヴェリス]

よろしい。じゃあ、手を伸ばして。


[タスキ]

なんのために?


[ラヴェリス]

私と契約を結んでもらうわ。

この契約は破れない。この契約のもとで約束を破れば、あなたは死ぬ。


[ナレーター]

タスキは戸惑い、ひどく落ち込んでいるように見えたが、彼にはほかに選択肢がなかった。

魔女の条件が何なのかも知らないまま、彼は契約を受け入れた。


[ラヴェリス]

よろしい。始めましょう。タスキ、私との契約を受け入れなさい。私が頼んだことを果たせば、あなたの家族を取り戻してあげると約束するわ。

でも、あなたの新しい人生では、私があなたを支配する。


[タスキ]

ああ……

ちょ……え? 俺を支配する!?

おい、待てえええええっ!


[ナレーター]

突然、いくつもの閃光が走り、二人の腕のあいだを、とても強い光が流れ始めた。

すべてが、真っ暗になった。


新しいエピソードです :) 楽しんでいただければ幸いです。

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お読みいただき、誠にありがとうございます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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