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Kizuna no Saisei  作者: Jair
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3/8

最後の晩餐

⚠️ 注意

このエピソードには、強い表現や重い内容が含まれています。自殺や深い悲劇など、辛いテーマを扱っているため、苦手な方はご注意ください。

もし今、辛い状況にいる方は、専門家に相談したり、信頼できる友人に話したりすることをおすすめします。あなた自身のことを何よりも大切にしてください。


第3週(土曜日)


[ナレーター]

タスキは朝ごはんを食べていた。


[タスキ(心の声)]

正直、こんな日が来るなんて思ってもみなかった……女の子を両親に紹介するなんて。

あはは、どうだ、父さん! 息子には一生無理だと思ってただろ。

今夜は彼女と両親と一緒に夕食だ。これ、本当に夢じゃないよな?

でも正直なところ、見過ごせないこともある。最近、父さんの体調がどんどん悪くなっている。髪もかなり抜けたし、ずいぶん痩せてきた。

父さんの病気は、本当に重いんだ。

今は母さんと一緒に治療を受けに行っていて、妹は友達のところにいる。本当に、よくなってほしい……父さんのことが大好きだから。


[ナレーター]

タスキは朝ごはんを食べ終えると、皿を洗い、家の鍵を手に取った。それから彼は、リアと一緒に残りの買い物を済ませるために家を出た。

ちょうどドアを出ようとしたとき、彼女からメッセージが届いた。


[リア(メッセージ)]

じゃあ、公園で待ってるね。気をつけて来てね? :)


[タスキ]

まったく……いつも心配性なんだから。分かった、五分で行くよ。


[ナレーター]

階段を降りると、タスキは公園まで歩いていった。


[リア]

タスキ! こっちだよ!


[ナレーター]

タスキの姿を見つけると、リアは急いで駆け寄り、彼に抱きついた。


[タスキ]

ちょっと大げさじゃないか? あはは。


[リア]

そんなことないもん! じゃあ、何してるの? 今夜の夕食の買い物、全部済ませちゃおう。


[タスキ]

ずいぶん張り切ってるな。


[ナレーター]

リアは何も答えなかった。ただ、笑顔で彼を見つめた。

スーパーに着くと、リアはトマトソースをいくつか見比べていた。


[リア]

ねえ、タスキ。このトマトソース、料理に合うと思う?


[タスキ]

合うと思うけど……


[ナレーター]

突然、タスキは胸を強く押さえた。激しい痛みが突然彼を襲い、彼の視界はぼやけ始めた。

リアは彼が倒れないように、急いで彼の体を支えた。


[リア]

タスキ! どうしたの? お願い、返事して!


[ナレーター]

タスキが自分の手を見ると、そこには血がついていた。彼の周りのすべては、まだぼやけたままだった。タスキは何か言おうとしたが、言葉がひとつも出てこなかった。

リアの声と、何が起きたのかと尋ねる周りの人たちの声が、彼の耳に聞こえていた。


[タスキ]

リ……リア……


[ナレーター]

耳の中で鳴っていたあの甲高い音がどんどん大きくなるにつれ、タスキの呼吸は速くなっていった。

彼は立っているのがどんどん難しくなっていった。タスキの体から力が抜けていき、ついに彼は床に倒れた。


[リア]

タスキ! タスキ! お願い、返事して!


[ナレーター]

リアは泣きながら、必死に助けを求めた。


[リア]

お願い、助けて! 救急車を呼んで!

お願い、行かないで、タスキ!


[ナレーター]

近くにいた救急車が、すぐに到着した。救急隊員たちはすぐにタスキの処置をし、彼を救急車へ運んだ。

彼らはタスキをストレッチャーに乗せ、容体を調べ始めた。一人がタスキのバイタルを確認しているあいだ、ほかの隊員たちは彼の容体を安定させるための準備を進めた。

状況は深刻だった。タスキの脈はとても弱く不安定で、隊員たちは彼の命をつなぎとめるために急いで処置を続けた。


[医師]

全部準備しろ! 脈がかなり弱い!


[ナレーター]

救急車の中では、アラームが鳴り続けていた。

隊員たちはタスキの容体を安定させようと処置を続けたが、彼の脈は再び弱まっていった。


[タスキ(心の声)]

俺、もう死ぬのか?

いや……なんで今なんだよ?

こんなふうに死にたくない……


[ナレーター]

タスキには、何が起きているのか見えなかった。彼にとって、すべてが真っ暗だった。

それでも、彼には周りの声がいくつか聞こえていた。

隊員たちの話し声が聞こえた。だが、その声の中に、彼がすぐに分かる声がひとつあった。


[タスキ(心の声)]

この声……

知ってる。

リアだ……

ごめんな、リア。こんな終わり方、したくなかった……


[ナレーター]

リアはタスキのそばで、泣きながら彼の手を強く握っていた。


[リア]

お願い、行かないで、タスキ!

大好きなの!


[ナレーター]

タスキには、彼女の声が聞こえた。

彼の中で、何かが変わった。


[タスキ(心の声)]

中島タスキ……

違う。違う、違う、違う……

諦めるな!

リアのためにやるんだ。

しっかりしろ、タスキ……

お前を待ってる人がいるんだ。

立ち上がれ!

タスキ、お前ならできる!


[ナレーター]

隊員たちは、タスキの容体を安定させようと処置を続けていた。

数秒のあいだ、もうすべてが終わってしまったかのように思えた。

しかしそのとき、少しずつ、モニターがタスキの心臓が再び反応し始めた兆しを示し始めた。

隊員の一人が、驚いた様子で画面を見た。


[医師]

脈が戻った!


[ナレーター]

タスキの心臓は、まだ弱いながらも再び動き出した。

リアは涙をこらえきれなかった。


[リア]

タスキ……


[ナレーター]

隊員たちは、タスキの容体を保つために処置を続けた。


[医師]

運転手にスピードを上げるよう伝えろ! 一刻も早く病院に着かないと!


[ナレーター]

救急車は、病院へ向かって急いで走り続けた。

病院に着くと、隊員たちはタスキを降ろし、すぐに治療室へ運び込んだ。

医師たちがタスキの治療を始めるあいだ、リアはまだ涙を浮かべたまま外で待っていた。

数時間後、タスキはようやく、少しずつ意識を取り戻し始めた。

彼の視界はまだぼやけていて、目もほとんど動かせなかった。


[タスキ(心の声)]

ここは……どこだ?

何があったんだ……?


[ナレーター]

タスキは目を開けようとした。


[女医]

あら、目を覚ましましたよ、先生。


[医師]

おお、そうか。よかった。


[タスキ]

手についてる、これ、なんですか?


[医師]

外で待っている女の子たちを、もう入れてあげていいよ。


[タスキ]

女の子たち?


[ナレーター]

ドアが開き、リアがタスキの妹と一緒に入ってきた。

目を覚ましたタスキを見ると、妹は彼のもとへ駆け寄り、力いっぱい抱きついた。


[妹]

お兄ちゃ〜〜〜ん!


[ナレーター]

妹は彼に抱きついたまま、泣きやむことができなかった。


[タスキ]

ほら、ほら、泣くなよ。俺は大丈夫だ。ほら、見ろ、大丈夫だろ。心配してくれてありがとうな。

リア、君も来てくれたんだな。なあ、今夜の夕食のこと、ごめん。俺のせいで全部中止になっちゃって。


[リア]

そのことなんだけどね、私と妹ちゃんで……


[妹]

一緒に夕食を作ったんだよ!


[タスキ]

本当か? 本当にありがとう。

それと、お前のそのほっぺを忘れるわけないだろ? あはははっ!


[ナレーター]

タスキは妹のほっぺをつまんだ。


[妹]

ほっぺ離してよ! 死にかけてても大人しくできないんだから。


[ナレーター]

リアとタスキは笑い出した。

そのとき、医師が再び病室に入ってきた。


[医師]

さて、タスキくん。今のところ、おかしなところは何も見つかっていない。不思議なのは、何が原因で君があんなことになったのか、まだ分からないことなんだ。

検査結果はもう確認したが、体の内部の問題が原因だったようには見えない。念のため、引き続き調べているよ。


[リア]

じゃあ先生……タスキがああなった原因は、はっきりとは分からないんですか?


[医師]

残念ながら、まだ分からない。そこがいちばん不思議なところでね。あんなことが起きる原因になりそうなものが、何も見つからないんだ。

でも、検査結果はすべて問題ないし、もう容体も安定しているから、一時間後には退院できるよ。いくつか確認を済ませるだけだ。


[リア]

ありがとうございます、先生。


[ナレーター]

一時間ほど待ったあと、タスキは病院を出ることができた。

リアと妹は、夕食のためにタスキを家まで送った。両親は彼を待っていたが、今日起きたことをとても心配していた。

帰り道のあいだ、リアはずっとタスキのことを気にかけていた。特に、タスキの父は体調があまりよくなく、病院に付き添うことができなかったからだ。

彼らはゆっくりと階段を上り、ついにドアを開けた。

両親が彼らを出迎えた。


[両親]

おかえりーー! よく帰ってきたな!


[タスキ]

あはは、パーティーでも開いてくれたの?


[リア]

そんな感じかな。夕食をしたがってたでしょ? だから、いろいろあったあとだし、明るく迎えてあげようと思って。


[妹]

私の優しいところ、今のうちに味わっておいてよね。今日が終わったら、いつもの私に戻るから。


[タスキ]

え〜、なんて可愛いんだ。


[妹]

うるさい。


[ナレーター]

みんながテーブルの周りに座った。

タスキは両親と妹を見た。


[タスキ]

父さん、母さん、それから妹よ〜〜。大切な人を紹介したいんだ。

彼女はリア。


[リア]

はじめまして。お会いできて嬉しいです。


[母]

こちらこそ、リアちゃん。実はね、タスキったらあなたの話ばかりしてるのよ。ふふっ。


[リア]

そ、そうなんですね……


[ナレーター]

リアは顔を赤くして、少しうつむいた。


[父]

私も会えて嬉しいよ、リアさん。

それで……二人はもう付き合ってるのか?


[タスキ]

うん。


[父]

そうか、よかったな! おめでとう。


[ナレーター]

タスキの父が咳き込み始めた。


[母]

あなた、大丈夫?


[父]

ああ、大丈夫だ、たいしたことない。ただの咳だよ。

さあ、何をしてるんだ? 食べよう!


[ナレーター]

タスキはテーブルの準備を手伝っていた。テーブルはほとんど整っていたが、皿が一枚足りなかった。


[母]

タスキ、足りないお皿を取ってきてくれる? それと、ガラスのコップを二つ、気をつけて持ってきてね。


[タスキ]

分かったよ、母さん。今行く。


[ナレーター]

タスキは皿とコップを取りに台所へ行った。

それらを見つけると、彼は二つのコップを皿の上に乗せた。彼はきちんと置かれているか慎重に確かめてから、落とさないようにゆっくりと歩き出した。

テーブルへ向かうあいだ、タスキは下を見ていた。


[タスキ]

コップ持っていくぞ〜!


[ナレーター]

タスキは顔を上げた。

その瞬間、コップと皿が彼の手から落ちた。

あの影の記憶が、彼の目の前に浮かび上がった。

以前に見たのと同じ影が、そこに、彼の目の前にいた。

影は、彼の大切な人たちを一人ずつ捕らえていた。

その手には、黒く鋭い剣が握られ、彼らにまっすぐ向けられていた。


[???]

Мераба.


[タスキ]

やめろおおおおおおおっ!!!


[ナレーター]

影は、父を、母を、妹を、そしてリアを貫いた。

一本の剣が、母の胸を貫いた。

もう一本が、リアの体を貫いた。

妹は貫かれたあと、床に崩れ落ちた。

父は、タスキの目の前で首をはねられた。

血が床に流れ落ち、彼が最も愛した人たちの体は、まったく動かなくなった。

そのあと、影は消えた。


[タスキ]

嘘だ……嘘だ……いやだああああああっ!

リアアアアッ! 母さあああん! 父さあああん! 妹よおおおおっ!


[ナレーター]

タスキは取り乱して泣き始めた。何かしようとしながら、彼の呼吸はどんどん速くなっていった。

だが、彼には何もできなかった。

タスキは膝から崩れ落ちた。

彼の目の前の光景が、現実であるはずがなかった。

彼は目を覚ましたかった。

すべてがただの夢であってほしかった。

だが、彼の痛みはあまりにも現実だった。


[タスキ]

ああああああああああああああっ!

母さん……父さん……リア……妹まで……! いやだ、いやだ、いやだ!


[ナレーター]

タスキは妹の体に駆け寄り、力いっぱい抱きしめた。

涙を流し続けながら、彼は必死に妹の体を揺さぶった。


[タスキ]

返事してくれ、頼む!

妹よおおおおおっ!


[ナレーター]

だが、妹の体は何も反応しなかった。

血が妹の顔を覆い、口からあふれていた。

タスキは、さらに強く妹を抱きしめた。


[タスキ]

ごめん……

ごめんな……

俺は最低の兄貴だった……


[ナレーター]

タスキは、もうその痛みに耐えられなかった。

彼は妹の体を強く抱きしめたまま、部屋を出た。

タスキは階段を上り、屋上へ向かった。

一歩進むごとに、彼の足取りは重くなっていった。

階段を上りながら、彼は必死に叫んでいた。

タスキは何も考えられなかった。

彼には、何が起きているのか理解できなかった。

彼が感じるのは、痛みだけだった。

ようやく屋上に着いても、タスキは妹を抱きしめ続けていた。

彼は泣き続けながら、建物の端まで歩いた。

小さな風が、タスキの顔をなでた。


[タスキ]

もう、生きていたくない……


[ナレーター]

タスキは建物の縁に立ち尽くした。

彼は最後にもう一度、妹の体を見つめた。

それから、彼は目を閉じた。

そして、タスキは身を投げた。

落ちていくあいだ、愛する人たちと過ごしたすべての思い出が、彼の頭の中を流れ始めた。

母。

父。

妹。

そして、リア。

彼らと過ごした幸せな時間のすべてが、彼の頭の中を駆け巡った。そのあいだも、涙は彼の目からこぼれ続けていた。

タスキは目を閉じ、すべてが終わる瞬間を待った。

数秒が過ぎた。

そして……

タスキの体は、地面に叩きつけられた。

すべてが、真っ暗になった。


こんにちは、また会いました。

皆さん元気にしていますか?


日本語版も、ようやくスペイン語版に追いつきました。

「第2話が公開されたばかりなのに、もう第3話が公開されてるの?」と思った方もいるかもしれません笑

スペイン語版では10月4日から少しずつ公開していて、1話と第2話の公開にも1日の間がありました。

なので、今回の更新で日本語版もスペイン語版に追いつくことができました:D

そして今日、スペイン語版では第1アークが完結します。

これから第2アークが始まります。

できるだけスペイン語版の更新に合わせて、日本語版も更新していきたいと思っています。

第1アークの最後まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。

第2アークも楽しんでもらえたら嬉しいです:D

これからもよろしくお願いします。

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感想・お問い合わせ

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読んでくれて本当にありがとうございます。

これからも応援してもらえたら嬉しいです。

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